三流読書人

毎日の新聞 書物 など主に活字メディアを読んだ感想意見など書いておきたい

ドングリ小屋住人 

「この子どもたちに何の罪が・・・」長崎平和宣言

2007年08月10日 11時08分54秒 | 平和
  2007年8月9日広島に続き長崎は平和宣言を採択しました。
 不戦の誓いを新たにしたいと思います。

長崎原爆の日:長崎平和宣言(全文)
 「この子どもたちに何の罪があるのでしょうか」

 原子爆弾の炎で黒焦げになった少年の写真を掲げ、12年前、就任まもない伊藤一長前長崎市長は、国際司法裁判所で訴えました。本年4月、その伊藤前市長が暴漢の凶弾に倒れました。「核兵器と人類は共存できない」と、被爆者とともに訴えてきた前市長の核兵器廃絶の願いを、私たちは受け継いでいきます。
 1945年8月9日、午前11時2分、米軍爆撃機から投下された1発の原子爆弾が、地上500メートルで炸裂(さくれつ)しました。
 猛烈な熱線や爆風、大量の放射線。
 7万4000人の生命が奪われ、7万5000人の方々が深い傷を負い、廃墟(はいきょ)となった大地も、川も、亡骸(なきがら)で埋まりました。平和公園の丘に建つ納骨堂には、9000もの名も知れない遺骨が、今なお、ひっそりと眠っています。
 「核兵器による威嚇と使用は一般的に国際法に違反する」という、1996年の国際司法裁判所の勧告的意見は、人類への大いなる警鐘でした。2000年の核不拡散条約(NPT)再検討会議では、核保有国は、全面的核廃絶を明確に約束したはずです。
 しかしながら、核軍縮は進まないばかりか、核不拡散体制そのものが崩壊の危機に直面しています。米国、ロシア、英国、フランス、中国の核保有5カ国に加え、インド、パキスタン、北朝鮮も自国を守ることを口実に、新たに核兵器を保有しました。中東では、事実上の核保有国と見なされているイスラエルや、イランの核開発疑惑も、核不拡散体制をゆるがしています。
 新たな核保有国の出現は、核兵器使用の危険性を一層高め、核関連技術が流出の危険にさらされています。米国による核兵器の更新計画は、核軍拡競争を再びまねく恐れがあります。
 米国をはじめとして、すべての核保有国は、核の不拡散を主張するだけではなく、まず自らが保有する核兵器の廃絶に誠実に取り組んでいくべきです。科学者や技術者が核開発への協力を拒むことも、核兵器廃絶への大きな力となるはずです。
 日本政府は、被爆国の政府として、日本国憲法の平和と不戦の理念にもとづき、国際社会において、核兵器廃絶に向けて、強いリーダーシップを発揮してください。
 すでに非核兵器地帯となっているカザフスタンなどの中央アジア諸国や、モンゴルに連なる「北東アジア非核兵器地帯構想」の実現を目指すとともに、北朝鮮の核廃棄に向けて、6カ国協議の場で粘り強い努力を続けてください。
 今日、被爆国のわが国においてさえも、原爆投下への誤った認識や核兵器保有の可能性が語られる中、単に非核三原則を国是とするだけではなく、その法制化こそが必要です。
 長年にわたり放射線障害や心の不安に苦しんでいる国内外の被爆者の実情に目を向け、援護施策のさらなる充実に早急に取り組んでください。被爆者の体験を核兵器廃絶の原点として、その非人道性と残虐性を世界に伝え、核兵器の使用はいかなる理由があっても許されないことを訴えてください。
 爆心地に近い山王神社では、2本のクスノキが緑の枝葉を大きく空に広げています。62年前、この2本の木も黒焦げの無残な姿を原子野にさらしていました。それでもクスノキはよみがえりました。被爆2世となるその苗は、平和を願う子どもたちの手で配られ、今、全国の学校やまちで、すくすくと育っています。時が経(た)ち、世代が代わろうとも、たとえ逆風が吹き荒れようとも、私たちは核兵器のない未来を、決して諦(あきら)めません。
 被爆62周年の原爆犠牲者慰霊平和祈念式典にあたり、原子爆弾の犠牲になられた方々の御霊(みたま)の平安をお祈りし、広島市とともに、核兵器の廃絶と恒久平和の実現に力を尽くしていくことを宣言します。

 2007年(平成19年)8月9日

 長崎市長 田上富久


 この宣言も「日本国憲法の平和と不戦の理念」と「非核三原則の法制化」を訴えています。
 日本国憲法第九条を守る運動をもっと大きく発展させなくてはの思いを強くしました。

8月6日 平和宣言 広島市長

2007年08月07日 17時12分46秒 | 平和
平 和 宣 言

運命の夏、8時15分。朝凪(あさなぎ)を破るB-29の爆音。青空に開く「落下傘」。そして閃光(せんこう)、轟音(ごうおん)――静寂――阿鼻(あび)叫喚(きょうかん)。
 落下傘を見た少女たちの眼(まなこ)は焼かれ顔は爛(ただ)れ、助けを求める人々の皮膚は爪から垂れ下がり、髪は天を衝(つ)き、衣服は原形を止めぬほどでした。爆風により潰(つぶ)れた家の下敷になり焼け死んだ人、目の玉や内臓まで飛び出し息絶えた人――辛うじて生き永らえた人々も、死者を羨(うらや)むほどの「地獄」でした。
 14万人もの方々が年内に亡くなり、死を免れた人々もその後、白血病、甲状腺癌(こうじょうせんがん)等、様々な疾病に襲われ、今なお苦しんでいます。
 それだけではありません。ケロイドを疎まれ、仕事や結婚で差別され、深い心の傷はなおのこと理解されず、悩み苦しみ、生きる意味を問う日々が続きました。  しかし、その中から生れたメッセージは、現在も人類の行く手を照らす一筋の光です。「こんな思いは他の誰にもさせてはならぬ」と、忘れてしまいたい体験を語り続け、三度目の核兵器使用を防いだ被爆者の功績を未来(みらい)永劫(えいごう)忘れてはなりません。
 こうした被爆者の努力にもかかわらず、核即応態勢はそのままに膨大な量の核兵器が備蓄・配備され、核拡散も加速する等、人類は今なお滅亡の危機に瀕(ひん)しています。時代に遅れた少数の指導者たちが、未だに、力の支配を奉ずる20世紀前半の世界観にしがみつき、地球規模の民主主義を否定するだけでなく、被爆の実相や被爆者のメッセージに背を向けているからです。
 しかし21世紀は、市民の力で問題を解決できる時代です。かつての植民地は独立し、民主的な政治が世界に定着しました。さらに人類は、歴史からの教訓を汲んで、非戦闘員への攻撃や非人道的兵器の使用を禁ずる国際ルールを築き、国連を国際紛争解決の手段として育ててきました。そして今や、市民と共に歩み、悲しみや痛みを共有してきた都市が立ち上がり、人類の叡智(えいち)を基に、市民の声で国際政治を動かそうとしています。
 世界の1698都市が加盟する平和市長会議は、「戦争で最大の被害を受けるのは都市だ」という事実を元に、2020年までの核兵器廃絶を目指して積極的に活動しています。
 我がヒロシマは、全米101都市での原爆展開催や世界の大学での「広島・長崎講座」普及など、被爆体験を世界と共有するための努力を続けています。アメリカの市長たちは「都市を攻撃目標にするな」プロジェクトの先頭に立ち、チェコの市長たちはミサイル防衛に反対しています。ゲルニカ市長は国際政治への倫理の再登場を呼び掛け、イーペル市長は平和市長会議の国際事務局を提供し、ベルギーの市長たちが資金を集める等、世界中の市長たちが市民と共に先導的な取組を展開しています。今年10月には、地球人口の過半数を擁する自治体組織、「都市・自治体連合」総会で、私たちは、人類の意志として核兵器廃絶を呼び掛けます。
 唯一の被爆国である日本国政府には、まず謙虚に被爆の実相と被爆者の哲学を学び、それを世界に広める責任があります。同時に、国際法により核兵器廃絶のため誠実に努力する義務を負う日本国政府は、世界に誇るべき平和憲法をあるがままに遵守し、米国の時代遅れで誤った政策にははっきり「ノー」と言うべきです。また、「黒い雨降雨地域」や海外の被爆者も含め、平均年齢が74歳を超えた被爆者の 実態に即した温かい援護策の充実を求めます。
被爆62周年の今日、私たちは原爆犠牲者、そして核兵器廃絶の道半ばで凶弾に倒れた伊藤前長崎市長の御霊(みたま)に心から哀悼の誠を捧(ささ)げ、核兵器のない地球を未来の世代に残すため行動することをここに誓います。

2007年(平成19年)8月6日
                      広島市長 秋 葉 忠 利


 秋葉市長の平和宣言は格調が高い。
 この後、安倍首相が「この地球上のいかなる地においてもくりかえしてはならない」「被爆者の方々の切実な声に真摯に耳を傾け、諸施策を推進していく」などと述べた。
 おざなりであったし、ちからがなかった。彼の本音は別のところにある。


 秋葉市長は、
 「日本国政府は、世界に誇るべき平和憲法をあるがままに遵守し、米国の時代遅れで誤った政策にははっきり「ノー」と言うべきです。」と述べ、憲法九条こそ平和を守る日本の進むべき方向であることを明言した。



夏 戦争の思い出

2007年08月06日 20時19分57秒 | 平和

 
 夏は戦争を思い出す季節である 人それぞれであろうが

    夏の海 水兵ひとり紛失す

 渡辺白泉という人の句である 慶応大学に入学後俳人として頭角をあらわすが
 作句の場を求めて「京大俳句」に参加する
 翌年「京大俳句」弾圧事件が勃発 検挙 投獄される
 それはもちろん紹介した句にみられる思想が根拠である
 
    戦争が 廊下の奥に 立ってゐた

 これらの句は昭和十九年につくられた
 この当時 国を守る 日本の国民を守る 家族を守る 
 といって応召していった兵隊は戦うどころか その多くは餓死して死んでいった




 
 

「パッチギ」

2007年05月28日 20時21分44秒 | 平和

  「パッチギ! Love & Peace 」 井筒和幸監督 
  「パッチギ」2作目をつくった井筒監督は語ります。

 「声なき声が、いっぱい詰まっているんですよ、この映画には。植民地時代に、日本軍に徴兵、徴用を受けた朝鮮半 島の人たちの、声がね」

 「これは僕らが勝手につくった物語じゃない。取材した事実にもとづく話です。在日の話というのは、日本の現代史 そのものですよ。でも、日本の物語は語っても、朝鮮の物語をマスコミは言わないし、教科書は教えない。歴史をき ちんと踏まえないと、本当の、友好とか共生なんてできないでしょう」

「なにを考えてんのかね、この国は」

「憲法九条の言ってることは、国民のほとんどの常識ですからね。この前の(世論)調査でも憲法は改正してもいい という人は過半数いるけれど、中身を見ると、九条を変えようと言う人はそんなにいない。九条のおかで、日本が戦後何十年、平和がつづいてきたこと、多くの国民が自覚しているからです」

 「どんなことがあろうが、手を出さない。出すものがないし、出してはならないというふうになっているわけだから こんな理想憲法は、どこにもないですよ。本当に、世界遺産に登録したっていい。日本は、周りが戦争しそうになっ たら”まあまあちょっとまて”という役目をはたさなきゃ。それがいちばんカッコイイでしょ」

「戦争を起こさせないようにするのが、外務省の努めです。武器も持たず、きちんと外交努力をする国を、攻めてく るわけがない。ところが、憲法を改悪して武器の使用を認めてしまえば、戦争を構えることになる。向こうもやってやろうと思うでしょう。だから、許しちゃいけないんです」

                                      (5月27日付『赤旗』日曜版より)

 


愚かな戦争

2007年01月16日 09時19分35秒 | 平和
 
 1月16日『毎日新聞』1月16日付 経済欄コラム「経済観測」

【「あと9万人だって」
 大山鳴動してネズミ一匹と言うが、1月10日水曜日のブッシュ大統領のイラク新戦略はそれ以下であった。
 どんな劇的な手法かと期待していたのに、相も変わらず2万1000人の増派という。
 確かにここで撤兵でもしようものならバクダッドは収拾のつかぬ混乱に陥り、現政府は亡命、殉教者フセインの銅像でも建ちかねない。
 それでは現状維持かと言えば、3000人の墓標は増え、えん戦気分は深まる一方だろう。中間選挙はハッキリ民意を示した。
 勇将の下、弱卒なしで、ゲーツ国防長官が大統領発言をカバーして「今後5年間に陸軍6万5千人、海兵2万7千人増強する」と勧告した。
 ウム、まだ5年も続くのか。次の大統領選挙で政権が代わっても貫徹するのか。どちらにしてもゲーツ長官はいないのだから気楽なものである。
 つくづく、この種の戦争の勝ち方、やめ方の難しさを知る。相手の主力軍は撃破したか。イエス。首都は制圧したか。イエス。敵の首謀者、フセインは処刑。民主的選挙による親米政府は。既に樹立ずみ。
 それでも勝利宣言を唱える気分にはなれない。前述したように米軍が去れば、今の政府は蜃気楼みたいに消え、フセイン以来の宗教、部族間の対立のカオスに逆戻りするだろう。
 9・11テロに対する報復感は分かる。テロに断じて屈せぬ勇気と支持されよう。だが、そのためにアフガニスタン、イラクに軍事行動をほとんど単独で(愚かな国が協力したが)仕掛けたのは賢明だったか。国際紛争解決のための国連の意義はどこへ。
 気がついてみるとネズミ一匹どころか、孤立した米国だけとなっていた。親友コイズミも。                      (三連星)   】

 のせられて、ついていった国もお粗末であったよなあ。



ニイタカヤマノボレ

2006年12月08日 09時40分57秒 | 平和
真珠湾攻撃
 『大本営陸海軍部午前六時発表。帝国陸海軍は本八日未明、西太平洋において米英軍と戦闘状態に入れり。』昭和16年12月8日朝、日本国民はラジオから流れる臨時ニュースに聞き入っていた。
 「新高山登レ 一二〇八」、ハワイ攻撃の暗号電報が発信されたのは12月2日のことで
あった。その前日の御前会議では既に開戦やむなしの決定がなされていた。
 御前会議に先立つ11月26日午前6時、南千島の択捉(エトロフ)島の単冠(ヒトカップ)湾から赤城・加賀をはじめとする航空母艦6隻を擁した計32隻からなる日本海軍の機動部隊が密かに真珠湾を目指していた。
 ハワイ時間12月7日日曜日午前7時49分、オアフ島の真珠湾に停泊していた米太平洋艦隊は不意を付かれ、日本海軍機動部隊の航空母艦から発進した183機の日本海軍機によりその主力戦艦の殆どを壊滅に追い込まれたが、湾外にいた航空母艦は生き残った。(日本軍は米太平洋艦隊の戦艦4隻を撃沈、4隻を撃破したが、うち6隻は後に引き上げられ、修 復後戦列に復帰した。)
 この戦争は開戦2日目に「大東亜戦争」と命名され、12月10日には東京後楽園球場に於いて東京の新聞社、通信社計8社が主催する「米英撃滅国民大会」が開かれた。兎にも角にも真珠湾攻撃は大成功に終わった。しかし、これが日本全土壊滅の序曲であることに気付いていた人間はどれ程いたことであろう。
 昭和17年4月18日、その予兆は早くも現れた。開戦以来日本軍の連戦連勝で進行していた戦局を打開するため、選抜された志願兵によって構成された爆撃隊(司令官の名前からドーリットル爆撃隊と呼ばれた)の16機のB25が航空母艦ホーネットを飛び立ち日本本土初空襲を決行した(東京、川崎、横浜、横須賀、名古屋、神戸)。
 日清、日露戦争を通じて日本国民は国内にいれば生命の危険を感じることはなかった。だが、技術の革新と共に、もはやそんな考えは通用しなくなっていたのだ。初空襲による死傷者はおよそ450人。
 これにより日本軍部の面目は丸つぶれとなった。一方、日本本土空襲の成功にアメリカの戦意は大いに高揚した。航空母艦ホーネットは日本の哨戒線ぎりぎりまで接近し、B25
を飛び立たせることで日本本土初空襲を成功に導いていた。
 アメリカによる本土爆撃に驚いた日本軍部は、当初ソロモン方面で必要としていた航空兵力を本土防衛のために割かなければならなくなった。
 太平洋に於ける哨戒線を拡げようとしたミッドウェー海戦では、日本海軍は米機動部隊の待ち伏せに会い、手痛い打撃を受け、ほとんど再起不能に追い込まれた。
 この時までに、アメリカは日本の暗号通信をすべて解読することに成功しており、日本側の情報はすべて筒抜けであった。この機を境に、日米の形勢は次第に逆転していった。
 ドーリットル爆撃隊による初空襲の後、およそ2年の間、アメリカ軍機は日本本土上空に姿を現すことはなかった。しかし、アメリカはこの間に着々と日本壊滅へ向けて準備を進めていたのであった。

 かくて日本は、絶望的、壊滅的戦争に突き進み、世界を巻き込み、1945年8月15日までつづく。

 12月8日という日は、そういう日。




「姫路城不死鳥伝説」中山義之氏 より資料拝借

人造殺人蜂 イスラエル新兵器開発

2006年11月19日 09時32分54秒 | 平和
11月19日付『毎日新聞』の記事によると、
【 ハチほどの大きさの超精密兵器が音もなく敵に近づき、写真を撮影、前線本部に送り通信を妨害して殺害する。
 イスラエルが武装勢力対策としてナノテクノロジーを使った極小兵器研究開発を進めている。
 17日付イスラエル紙イディオト・アハロノトが伝えた。同紙によると、開発中の新型兵器の一つが「人造スズメバチ」と呼ばれる極小の無人機。部隊が入り込めない狭い路地を飛行して写真を撮影し、通信を妨害しながら武装勢力の殺害を図る。ほかにも▽自爆テロ犯の接近を察知するセンサー▽弾丸、さく裂団から身を守る防護服▽装着すると力が増大してドアを破壊したり、思い障害物を取り除けるグローブを研究開発中という。        …中略…
 ノーベル平和賞受賞者のペレス副首相がとくに開発に熱心で、15人の専門家らによる開発チームが作業を進めている。ペレス副首相は「先の紛争が極小兵器の必要性を証明した。自爆テロ犯を1億ドル(約118億円)の軍用機で攻撃しても意味はない」と話している。 】

のだそうである。

 新兵器の開発というようなものは、いつも悪魔的であると言ってよいが、これはすごいですね。
 どんどん小型化していって、敵の中枢部、心臓部というよなところに忍び込んで、ごく限られた指揮系統の人間を殺す。というようになってくれば大型兵器によって巻き添えになって殺される無辜の民はなくなる。

 もっと小型化して、ミツバチぐらいにする。ワシントンにもモスクワにも北京にも平壌にもソウルにも日本製のミツバチの巣がある。もちろん自己増殖するように開発されている。毒性は、刺されると三日三晩ぐらいは七転八倒するほど痛む。そのあと1ヶ月ほどは思考能力を完全に停止する。そして完治する。以前の記憶は気の毒だが戻らない。と、これくらいで世界の戦争はおさまらないだろうか。まてよ、これは生物科学兵器そのものか。
 

米、新型核兵器構想

2006年10月25日 08時49分07秒 | 平和


【 米国政府が二十一世紀中、長く使える新型核兵器の開発構想「コンプレック2030計画」を発表した。米ソ対決時代以来保持されている六千発の旧来型核兵器に代えて、2千二百発にのぼる、より小型の新型核兵器を開発し、長期に配備しようというものである。 
 核兵器の開発・実験・製造・保管・解体を一手に受け持つ米政府エネルギー省核兵器部門の「国家核安全局」ダゴスティーノ局長が十月十九日発表した。核兵器問題を長年追いかけているウォルター・ピンカス記者が、ワシントンポスト紙上で報じた。 
 北朝鮮の核実験で国連をはじめ、世界的にこれほど非難が集中しているさなかの発表だ。おかしいではないかと思った。 
 朝鮮半島非核化宣言をふみにじる北朝鮮の核実験発表と核兵器保有への踏み込みは、当然の国際的告発を受けている。その最中に核兵器を使った前歴を持つ唯一の国米国は、二十一世紀中長く使える新世代の核兵器にすべてとりかえる、おまけに核兵器の開発施設も、古くなったから全面的に大改造すると宣言したのである。 
 核兵器に対する米国政府の態度の、この厚かましさよ。他方、このニュースが、わが国ではほとんど報道もされない状況をいぶかる。視野を狭くせず、世界の動きを複眼的に冷静に見る必要がある。過去のわが国の歴史がその必要を十二分に教えているはずだ。(針)】 

 10月4日付『しんぶん赤旗』「新型・核兵器構想の厚顔」と題する囲み記事である。 この記事のとおり、他紙ではまだ報道されたのを見ていない。テレビなど他のメディアもそうである。
 北朝鮮の核実験は許せない。が、アメリカは何をやっても良い、ということになるのか。


国連制裁決議骨子

2006年10月16日 10時28分10秒 | 平和
北朝鮮制裁決議骨子
1、国連憲章第7章に基づき行動し、第41条下で措置
2、北朝鮮にすべての核兵器、核開発計画の完全かつ検証可能な形での廃棄を義務 づけ
3、北朝鮮への核、ミサイル関連物資やぜいたく品の禁輸
4、北朝鮮の核、ミサイル、大量破壊兵器の開発に関与した法人・個人の金融資産  凍結
5、北朝鮮の核、ミサイル、大量破壊兵器計画に関与する人物の入国阻止
6、必要なら北朝鮮に出入りする貨物検査を含む協調行動
  
 及び、北朝鮮に「六カ国協議への無条件復帰」を促す決議を採択。
       (10月16日付『毎日新聞』一面記事より)

一部の指導層のぜいたくぶりに比べ庶民の生活は困窮を極めるという。そういう人たちへのはね返りがこわい。
約2200万人の人口、体制が崩壊したとして、まともな国として立ち上がるまでは、どっと難民となって流出するだろう。
周辺諸国を中心とした受け入れ態勢を、現実の問題として早急に論議しなければならない。

核実験強行の結末

2006年10月15日 09時23分02秒 | 平和

国連安保理は日本時間の15日未明、北朝鮮の核実験実施発表に「最も重大な懸念」を表明し、「国際社会の平和と安全への明白な脅威が存在する」と明記。「国連憲章第7章(平和に対する脅威への対応)に基づいて行動する。第41条(非軍事的措置)に基づいて措置を講じる。」とする、決議を採択した。
 こうした決議が採択された場合のこととして、昨日、軍事アナリスト小川和久氏は、『毎日新聞』紙上で次のような論評を行っている。一部を抜粋、紹介したい。

【……憲章第41条による非軍事的措置にとどまるから心配ない。と北朝鮮は思っているだろう。ところが、この「非軍事的措置」が曲者で、経済制裁の範囲内にとどまるものではない。米国は国連決議に基づく非軍事的措置の一環として海上封鎖を準備しているからだ。
ひとつのシナリオでは、米国は北朝鮮の主要港6カ所について出入港の80%を規制することになっている。そして、北朝鮮の東西両岸沖で米国沿岸警備隊が船舶検査を実施、海軍の空母機動部隊がバックアップする。このとき協力するのは韓国の海洋警察とオーストラリア海軍とされる。地続きの中国も、食料とエネルギーの援助を停止して協力することになっている。
 日本人には馴染みが薄いが、じつは海上封鎖は「経済制裁の最終段階」と同時に「軍事制裁の第1段階」でもある。積み荷を調べる船舶検査現場では北朝鮮側の抵抗は必至だ。小競り合いも予想される。銃撃戦にでもなれば、米国は「反撃」に出る根拠を手にすることになる。韓国に司令部、日本に後方司令部を置く国連軍としても米軍は反撃が可能となる。先制攻撃ではなく「反撃」である。そして核実験後のこともあり、本気で米国を非難できる国はない。
 このとき、米国は寧辺(ニョンビヨン)の核施設などに対する外科手術的攻撃(サージカル・ストライク)から軍事行動を開始する。すでに韓国にはF117攻撃機、グアムにはB2爆撃機、という第一撃に投入されるステルス機が展開している。
 外科的手術攻撃で北朝鮮の態度が変わらなければ、米国は本格的な航空攻撃に移行する。長距離砲と各種ミサイルによる北朝鮮の再反撃に対しては、韓国軍が一気に北進することになる。むろん長期化、泥沼化のシナリオもあるが、最短の場合、数日で北朝鮮の体制は崩壊するというのが米国の想定だ。
 このように、北朝鮮には核保有国になる道は残されていない。北朝鮮はこの現実を直視し、一刻も早く核開発の断念を決断し、6カ国協議に復帰すべきだ。 】

 というようなシナリオが最善のものかどうか、判断する能力はない。しかし、日本がそれにどういう形でかかわるのか。軽い役では済まないだろう。この際一気に憲法を改悪して、戦闘行動に参加することを可能に、などというヤツがきっと現れる。
 


北朝鮮の核実験

2006年10月12日 10時26分29秒 | 平和
1946年、生まれたばかりの国際連合は1月、総会で第1号の決議を採択した。
「原子エネルギーの発見によって生起した諸問題に関する委員会」を設けることを求める決議です。
決議は「原子兵器及び他のすべての大量破壊兵器を各国の軍備から除去する」ことを求めることを書いているのです。
アメリカも認めたのです。
「いったい何をしているのか」とは今年被ばく六十一年の平和式典での長崎市伊東市長の言葉です。
人間はいったい何をしてきたのか。
愚かな人類という動物。
新たに核兵器保有国になろうとしている北朝鮮、当然、すでに核兵器を持っている国にも愚かさを感じるし、嫌悪感も感じます。
アメリカの原爆開発を指導した科学者オッペンハイマーは、かつて「核兵器は一つのビンの中のサソリのようなもので、相手を殺すためには、自分の死を覚悟しなければならない」と言いました。

野球評論家で被爆者の張本勲氏は、『毎日新聞』のインタビューのなかでこたえています。
「とんでもないことだ。指導者に聞きたい。いったい世界をどうしようとしているんだ。北朝鮮をどこへ導こうとしているんだ」
「国際的な孤立が、国民を不幸にすると思わないのか。同じ民族として哀れでしかたがない」。
「8月6日は大嫌い。法律でなくして5日の次は7日にしてほしいくらいだね」
本名を、張勲(チャン・フン)在日韓国人2世。広島での被爆による障害をもちながら「安打製造機」と呼ばれる大打者でした。


北朝鮮を非難するだけではダメだろう。すべての国の核兵器廃絶に向けた全世界的行動の高まりがなければ。

戦争遂行下のアメリカ

2006年09月10日 10時46分45秒 | 平和

 先日06年度黒田清JCJ新人賞を受賞した堤未果という若手女性ジャーナリストがある新聞で語っています。
 ブッシュ米政権による戦争遂行下の米国の実態です。ごく一部ですが紹介します。
 
《 … アメリカでは現在、16歳の高校生にまで軍隊への入隊を呼びかけています。高校生の携帯電話に「食事でもしながら、君の将来を語り合わないか」と、軍の入隊勧誘員がかけてくるのです。
 ブッシュ政権の教育改革法で、生徒の親から特別な申請が提出されていない限り、学校が入隊勧誘員に生徒の個人情報を提供することや、軍関係者の接触を認めることを義務づけました。一番の標的が、貧しくて進学をあきらめようとしている高校生です。
 彼らは数週間の訓練でイラクに送られます。途中で、人殺しはイヤだと除隊を申し出ても、ほとんど受けいれられません。
 イラクにいる兵士や帰還兵にも取材しました。
 彼らは口をそろえて、
「戦争というのはビデオや映画のなかの話で、自分は平和な国、最強の国にいると思っていた。気がついたら自分は砂漠の真ん中で人殺しをさせられていた」といいます。アメリカは志願制といいますが、実態は「経済的徴兵制」なのです。…》

 「経済的徴兵制」怖い言葉です。貧しい者が戦争要員なのです。
 日本はこんなことにならないのでしょうか。 
 日本は戦争をしない、と世界に向かって宣言し、約束してきたのです。 それを変えようとしている者がいます。
 無関心ではダメです。
 騙されてはダメです。

(黒田清氏・元読売新聞大阪本社社会部長、2000年没。 氏を記念して日本ジャーナリスト会議が主宰し、黒田清JCJ賞が設けられている。ジャーナリスト大谷昭宏氏も黒田氏の弟子といってよい。)


子どもたちを戦争に差し出してはならない

2006年08月26日 17時21分30秒 | 平和

 大谷昭宏というジャーナリストがいます。テレビにも毎日出ています。 数少ないまともなジャーナリストの1人だと思うのですが、彼が書いている『ニッカンスポーツ』のコラム「大谷 昭宏フラッシュアップ」というのがあります。 8月22日号です。紹介します。  

《…略(まず夏の高校野球の話があって) 決勝まで行かずに散ったチームも猛暑の中、さわやかな風を残してく れた。沖縄の離島から初の夏の甲子園となった八重山商工の監督は「将来この子たちと島で草野球がしたい」。初出 場でベスト4に進んだ鹿児島商工の監督は「選手たちがカッコよく見えました」。 
  こんな甲子園、そしてなによりも自由で溌剌、さわやかな日本がいつまでも続いてほしいと願う。… 中略 …
 この2006年夏、私は角川書店から「監視カメラは何を見ているのか」(新書版・税込み720円)を出版させ ていただいた。 
 本の帯に「のぞかれる私生活 裁かれる心の中 共謀罪、監視カメラ、官による情報操作とは何か」とある通り、 先の国会で危うく成立してしてしまいそうになった共謀罪を中心に、私たちの身も心もガンジガラメに縛りつける法 律の数々、あらゆる所で、覗かれ、見張られている監視カメラの乱立。私たちの国は何をしようとしているのか、国 民に何をさせようとしているのか。
 それは憲法を改悪して、戦争をしない国から、戦争をする国に、そしてあの大戦 の後、戦争という名のもとに、自国民にただの一度も血を流させたことのない国から血を流させる国に、さらには戦 争という名のもとに、他国民を一度たりとも傷つけなかった国から他国民を殺戮する国に。 
 明らかにそれを狙って、国民を縛りつけ、監視下に置く。様々な法律や監視はそれを狙ってのことに違いない。 そんな思いで私は本の終わりにこう書いた。
 〈 とりわけいま、大事なお子さんをお持ちのお父さん・お母さんたちにぜひとも考えてほしい。「あなたたちは、 いつくしみながら、今育てているお子さんを戦争のために差し出すのですか?」と 〉 夏の甲子園、あのさわやかだった若者たちにグラブをバットを持つ手を砲弾を、銃を握る手に持ち変えさえてはな らない。こんな思いを込めてワープロを叩いたのだ。 以下略  》

 読んでみませんか。角川書店新書版720円。私もまだ買っていませんが、必ず読みます。

 


「灯籠流し」アイスランド

2006年08月19日 06時45分34秒 | 平和

最北の「灯籠流し」(『朝日新聞』「特派員メモ」という囲み記事より)

《 休暇で訪れたアイスランドでまさか「灯籠流し」を目にするとは思わなかった。
  北極圏に近い首都レイキャビクでは、8月は午後11時ごろになってようやく薄暗くなる。ホテルに戻る途中、市庁舎前のチョルトニン湖近くを通ると、数百のキャンドルの炎が湖面に揺れていた。 「幻想的だなあ」と近づくと、そこには「ヒロシマ」と「平和」の文字。深夜なのに、小さな子ども連れの家族も目立つ。湖の周辺には、一千人ほどが集まっていた。 
 ラジオ局勤務のフレイル・エイウルソンさん(32)が「広島と長崎の原爆犠牲者に祈りをささげ、核廃絶と世界平和を望む」と訴えると、参加者らは静かに祈った。湖にうかぶキャンドルは、世界最北の島国の「灯籠流し」だった。毎年8月9日に行われ、今年で21回目だという。 
 アイスランドは日本の4分の1強の広さの島々に約30万人が住む。北大西洋機構(NATO)加盟国で、国防を米軍に依存しているが、自前の軍隊を持たない。 
 エイウルソンさんは「小国だが、平和への思いは強い。レバノンでの戦闘や対テロ戦争など、いかなる戦争にも反対だ」と強調した。        さいはての小国の願いが、大きな声となることを願わずにはいられなかった。 (関本誠)》

 「レバノンでの戦争や対テロ戦争など、いかなる戦争にも反対だ」 
 わが国の取るべき態度ではないか。 朝鮮戦争、ベトナム戦争、アフガニスタン、イラク戦争など第二次世界大戦後の悲惨な戦争のほとんどにわが国は、アメリカ側の一員として加わった。