三流読書人

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ドングリ小屋住人 

恐ろしい国に住んでいる

2011年06月22日 06時43分03秒 | 徒然なるままに
 毎日新聞(6月20日付け)の2面にコラム「風地草」に山田孝男氏(論説委員?)が書いている。「株価より汚染防止だ」というタイトル。一部を紹介したい。

《  そろそろ原発以外の話題を取り上げたらどうかと心配してくださる向きもあるが、そうもいかない。福島原発震災は収束どころか、拡大の兆しがみえる。この大事と無関係に政局を展望することはできない。京大原子炉実験所の小出裕章助教(61)といえば、いま最も注目されている反原発の論客の一人だ。原発が専門だが、名利を求めず、原発に警鐘を鳴らし続けてきた不屈の研究者として脚光を浴びている。その小出が16日テレビ朝日の番組に登場し、こう発言して反響がひろがった。
「東京電力の発表を見る限り、福島原発の原子炉は、ドロドロに溶けた核燃料が、圧力鍋のような容器の底を破ってコンクリートの土台にめり込み、地下へ沈みつつある。一刻も早く周辺の土中深く壁をめぐらせて地下ダムを築き、放射性物質に汚染された地下水の海洋流出を食い止めねばならない」
さっそく政府高官に聞いてみるといかにも地下ダムの建設を準備中だという。
ところが、さらに取材すると東電の反対で計画が宙に浮いている実態がわかった。原発担当の馬渕澄夫首相補佐官は小出助教と同じ危機感を抱き、地下ダム建設の発表を求めたが、東電が抵抗している。理由は資金だ。ダム建設に1000億円かかる。 国が支払う保証はない。 公表して東電の債務増と受け取られれば株価がまた下がり、株主総会を乗り切れぬというのである。・・・中略・・・福島原発の崩壊は続き、放射性物質による周辺の環境汚染が不気味に広がっている。株価の維持と汚染防止のどちらが大切か。その判断もつかない日本政財界の現状である。 ・・・以下略・・・》


原発の崩壊による環境汚染は日本だけの問題ではない。
東電にとっては、それより株価のほうが、株主総会を乗り切ることのほうが大事なのだ。
それをコントロールできない政府。
恐るべき発想だ。

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