伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む市議会議員。市政や市議会、日常の活動などを紹介していきます。

消費税の増税に反対し討論/常任委員会2日目の審議

2019年03月06日 | 市議会
 常任委員会2日目。今日は総務部の関連議案と財政部の関連議案の一部の審査が行われた。提案された議案には、消費税を10%に引き上げられることに伴い、市の使用料等の消費税を引き上げるための関連議案が含まれていた。

 基本的に消費税には反対する立場をとっているが、市議会に提案される関連議案に関しては、消費税増税が含まれているから反対という姿勢はとらず、納税の必要がある場合には賛成、納税の必要がない場合には事実上の公共料金になっているとして反対している。

 関連議案は全部で4件、うち3件に反対し1件には賛成した。反対した討論は以下の通り。




使用料等に消費税を転嫁する議案に対する反対討論


 議案第13号、及び14号に反対する立場から討論するものです。

 本案は、消費税を本年10月から8%から10%に引き上げることに伴い、○○の消費税も引き上げるものですが、そもそも消費税には以下の問題点があります。

 一つは、消費税の導入及び引き上げの目的が社会保障のや年金制度のためとされながら、現実には、消費税の導入以来、社会保障の切り下げがおこなれてきたという点です。

 消費税が導入されて以降に始まった介護保険制度は、介護の社会化をうたいながら、現実には、それまで負担がなかった方に保険料や利用料の負担をさせる仕組みとして立ち上げるなど、介護そのものがお金のあるなしで左右される制度とされてきました。

 このため、介護保険制度が導入されて以降も、親の介護等が理由とみられる不幸な事件が続いている現実があります。

また、理由の一つとされた年金制度も、100年安心の制度と言われながら現実には年金額が引き下げられる結果となっており、多くの年金生活者に生活不安と将来不安をもたらす事態となっています。

 実際、2013年度から19年度までの予算編成で社会保障関連1兆7,100億円、年金や医療・介護で2兆5,620億円、合計4兆2,720億円が削減されており、庶民の暮らしを圧迫してきました。

 では、消費税での税収はどこに消えたのか。過去においても指摘をしてきましたが、消費税導入後2018年度までの消費税収は累計で372兆円に上りますが、一方で、法人税など法人3税は291兆円が減税されてきました。消費税の税収増の多くの部分が輸出大企業を中心とした企業の減税に使われてきたという現実があります。

 スウェーデンだったと記憶していますが、育児休暇延長のための休業補償の財源として増税が議論されている時、テレビのインタビューに答えた一人が「政府はうそをつかないから賛成だ」という主旨で発言をしているのを聞いて軽いショックを覚えました。

 仮に増税するにしても、こうした政治に対する信頼感こそ求められていると思います。

 二つ目に、収入が少ないほど負担が重くなる逆進性の問題です。

 政府はこうした現実を踏まえたのかどうか、激変緩和措置として今回の増税には当たっては、ポイント還元や、複数税率の導入などをしていますが、これが制度をより複雑で分かりにくいものとしています。また、仮にこうした緩和措置をとったとしても、この措置で利益を得るのは、クレジットカードの利用者が多いとみられる、富裕層程利益が大きいとみられており、何の対策にもなっていない現実があります。

 消費税には以上のような問題がありますが、本案に盛られた消費税には納税する必要がなく、増税分も含めてすべて市の歳入に繰り入れられる性格のものです。これは、事実上の公共料金の引き上げとなっており、こうした面から市民生活に影響が大きいものと考えられ問題があります。

 企業会計などの消費税については、それぞれが納税団体となることから、仮に消費税を反映させない場合には財政上の不足分を料金等の引き上げで賄うことになりかねないので、転嫁もやむを得ないと考えますが、一般会計の場合にはその恐れもなく、実際上の公共料金引き上げとなっています。

 従って本案の消費税分の引き上げ及び、消費税の転嫁には問題がありますので、否決とすべきです。みなさんの賛同をお願いして討論を終わります。




■上限時間の上限は国の定めよりも厳しくと要望


 また、残業時間の上限を定める条例改定案も提案された。

 改定案は上限を定めることを規定するだけで、実際の上限は規則で後日定めることになる。一方、国は1ヶ月の上限時間を45時間、年間で360時間とし、国会の答弁準備や外交など「他律的業務」(業務の実施時期を自ら決定することが難しい業務)については例外とし、1ヶ月100時間、年間720時間を上限にすることなどを定めている。市はこの国の定めを「参考に改正する」という。

 「参考」が気にかかった。執行部は地方公務員法で国や他自治体と大きく異ならないことを意味する「均衡の原則」があり、国の定めの上限と「ほぼ同じ」に上限時間を定める考えだが、国の定めも上限時間を定めた上で「必要最小限」にとどめることをうたっているので、本市においても必要最小限となるよう徹底していきたいとした。

 この答弁からは市の規則にも、上限として国と同じ時間が定められることになるものとしか思えない。

 今回、議会に賛否が問われたのは「上限時間を定める」という規定だけ。従って私は次のように要望した上で改定案には賛成した。

 「上限を定めるという規定には賛成だ。しかし、答弁からは市の上限時間は国と同じ時間とほぼほぼ同じに定められることには問題があると考える。『必要最小限』の時間にとどめるという理念があったとしても、上限を定めれば、ここまでは大丈夫と、上限いっぱいまでは残業ができるという思考になりかねず、これを防ぐためにも、できるだけ厳しい上限設定をすることが必要と考えられる。後に規則に定める際には、国の規定よりも、より厳しい上限時間とする検討をすすめることを要望する」




■回復を心配する見舞いに感謝

 本日の委員会終了後、会派控室に訪ねてきた他会派の議員の一人から「伊藤さんには発言の自由はないんだぞ」と言われた。なんのことかといぶかしく思い聞き返すと、「伊藤さんは医者に安静にするように指導されているのだから、無理せずに審議に加わり、完全に治ことを優先すべき。委員会審議で頑張りすぎて大丈夫なのか」と、私の左顔面麻痺の回復を心配しての、温かい指摘だったのだ。

 政治のあり方に対する考え方を異にする方ではあっても、こうして体を心配してわざわざ控室に来てくださった。ありがたいと思う。感謝もしたい。左顔面麻痺は服薬を続けながら経過を見るという対応になっている。このご指摘を大事にして、無理しない範囲で残る審議に臨みたいと思う。


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