伊藤浩之の春夏秋冬

いわき市遠野町に住む元市議会議員。1960年生まれ。最近は遠野和紙に関わる話題が多し。気ままに更新中。

地震後、取材ヘリ

2022年02月26日 | 災害
 地震は午前8時32分頃。突然、ガタッと家鳴りがした。
 突然の予兆に一瞬身構えた。大きな揺れが来るかもしれないと思った。しかし、ごく小さな揺れがきただけで、ほっと一息ついた。



 それから1時間半後の午前10時、へりらしいエンジンが響いた。近づいてくる。
 たぶん、上滝から深山口の上空辺りを飛行しているのではないだろうか。比較的近く、赤い機体も大きめに見え、メインローターというのだろうか、羽が5本見える。
 あまり見たことがない機体だ。

 NikonのクールピクスP950で撮影した。スマホアプリのフライトレコーダー24で確認したが、どこに所属する機体か分からない。機体番号が見えればすぐ調べられるのだが、残念ながら見えない。ただ、目をこらしてみると機体側面に白文字が見える。ぼやけているが、日テレと読み解いた。

 日テレのへりを検索すると、同型で同じカラーリングの機体を所有していることが分かった。取材機だったのだ。どこに行くのだろう。



 アプリは機体を追い続け、東京電力福島第一原発原子力発電所周辺を旋回する同機の航跡を示した。取材は第一原発のようだ。

 東日本大震災時に水素爆発の事故を起こし、大量の放射性物質を放出した。不幸中の幸いだったのが、県内広範囲に居住ができない状況になるほどの放射生物資の量ではなかったことだった。しかし、多くの人の心に傷を残し、未だに風評などの被害を産業に与えている。放射性物質を溶かし込んだ汚染水から、除去できない放射性物質・トリチウムを含む処理水を、基準値内まで薄めて海洋放出する方針をめぐっては、関係者など県民の反対の声を脇に置いて放出開始時期ありきが見え見えの国・東電に反発の声が上がるなど、事故から10年が過ぎても、住民の心は落ち着くことがない状況を作っている。

 私は、ここには、放射性物質や原発事故・処理水に関する知識の普及と安全に関する説明を、国や東電が国民に向けて広く行ってこなかってきたつけが、いま噴出していると思っているが、こうした問題を未だに引き起こしている。

 そして事故原発の構内では、事故を起こした原発の撤去に向けた作業が進められており、同時に、津波等への安全対策の公示も進められている。
 
 取材へりは、第一原発近くの海底を震源とする今朝の地震をきっかけに、こうした第一原発をめぐる状況を報道する目的をもって、「絵」を撮るために飛んできたのではないだろうか。
 1時間余もかけて原発周辺を周回している航跡をみて、そう思った。

 へりはお昼近くになって、南西方向に進路をとり、帰京するための飛行に移行したようだ。11時40分過ぎ、自宅西側の杉林の陰の方からそのヘリのエンジン音が聞こえた。
 ヘリのはるか上空を、札幌発で羽田行きだったと思うが、ジェットスターの航空機が並走するように飛びすぎていった。並んで進むように見える画像が面白い。



 さて、日テレはどんな報道をしたのだろうか。
 気にはしていた。しかし、うっかり忘れてしまい報道は見なかった。気になる。


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