土砂崩れ、震災や大型地震の影響と考えて良いのでしょうね

　新地町の土砂崩れでは、地震も、大雨もないのに・・みたいなタイトルがつけられていたようだ。実際は、どうだったのだろうか。

　遠野町の土砂崩れは、たまたま直後に現場を通りかかった。用事があり、自宅を出ようとしているとき、南方向の滝方面からサイレン音が聞こえていた。自宅を出て北方面に向かい、県道14号線、通称磐城石川線との交差点で信号待ちをしていると、後方からやってきた緊急走行中のパトカーが、注意を促しながら赤信号の交差点に進入し、湯本方面に走り去った。

　事故？　などと思いながら、青信号になってから、後を追うように走行した。沿道で、湯本方面を見ながら、何事か話している人たちもいた。

　信号機を2箇所過ぎ、上遠野字若宮地内にさしかかったところで、車が数台停車していた。その先にパトカーが停車し、土砂が道路に積み上がり、さらにその先、反対車線にも車が渋滞し、何台かは、土砂を被っていない歩道を通行しようとしているように見えた。ややして分遣署らしき消防自動車もやってきた。

　県道北側の高台の法面が崩れたようだが、ここ深山田字和当には団地がある。知人に電話すると、団地の住宅に直接の被害は無かったようだし、巻き込まれた通行車両等もないようだ。私の前には20台程度だろうか、車が停車している。動きそうがないので、方向転換し、別の道を通って、用件地に向かった。

　後の報道で、震災で生じた法面のひび割れが拡大しつつあったという近所の住民の声があったと聞いた。また、この先、法面改修の計画があったとも聞いた。

　震災から10年が過ぎた。津波被災地の区画整理事業や、水道、道路等の改善・補修などが進んできたが、目に付きにくい所では、まだまだ震災時の強烈な揺れの影響が潜んでいることを、今回発生した土砂崩れが示しているように思えてならない。

　そういえば、2年前の8月末、鹿島街道で道路脇の崖が大規模に崩落つうことがあった。もともと泥岩でもろい構造の地質だったところに生じたひび割れに、長年にわたる雨水の浸透があり、崩落したものと考えられていたように思う。この災害で、市有形指定文化財の磨崖仏が破壊され、復元が不可能となった。あの災害だって、震災の影響を無視することはできないと思う。

　去る4月11日には、井戸沢断層、湯ノ岳断層を震源とした東日本大震災の大型余震のちょうど10年目だった。ブログにも書いたが、この日、井戸沢断層由来と思われる地震が続いた。まるで、あの災害を忘れるなと問いかけるように。今回の土砂崩れも、一つの警告なのだろう。

　近年、水害が発生するなど、降雨量が増えているように思う。地震と大雨の相乗効果で、危険箇所が拡大しているのかもしれない。あらためて、生活インフラの安全性チェックが必要になっているのだろうか。

　さて、土砂崩れによる通行止めのために迂回した深山田仲内地内。ここから田人方面を見渡す新緑の美しさ、心地よさを、この季節に通過するたびに
味わっている。小降りの雨の中だったが、この日も新緑が冴え渡っていた。