←彼岸花とナガサキアゲハ
3日ほど留守にして帰宅した時、自宅が近付いてきて真っ先に思ったのは
「彼岸花ってこんなに咲いてたっけ?」だった。
3日いない間に満開になっていたのだ。
毎年のことで見慣れている光景なのに、改めて驚くほどそれは鮮やかに映った。
嫁いできた40数年前、我が家の稲刈りはまだ手作業だった。
お天気を見計らって稲を鎌で刈る。
並べて干す。乾いたら引っくり返して又干す。
まんべんなく乾かして、取り込む頃に雨が降ると又やり直し。
農業というのは何と効率の悪い仕事かと、泣きたくなるほどだった。
腰をかがめてばかりだから身体は辛くなる。
アイタタ・・と腰を伸ばすと、畦の、すっかり色褪せた彼岸花が目に入り、
『穫り入れの 畦に褪せたる 彼岸花』などと下手な句を詠んで気を紛らしたものだった。
今や、農作業もすっかり様変わりした。
田植えも稲刈りも機械であっという間に終わってしまう。
我が家は働き手がいなくなり、他人に作ってもらっている。