土砂降りの合間を縫って、前の田んぼで代掻きが行われています。
降りが酷くなる前に終わってサッサと帰っていきました。
早いものです。
私が嫁に来た頃はまだ牛で耕していたな~と、フッと思い出しました。
我が家には牛が一頭いました。
私は怖いので近付くことはありませんでしたが、ある日舅から、
今日は誰もいないので、お昼になったらエサをやるようにと言われました。
牛小屋の片隅に竹篭があって、干し草が入ってます。
牛は繋がれてはいるけれど、近付くのが怖くてたまりません。
恐々牛小屋に足を踏み入れ遠くから草を投げますが、干し草は軽いので届きません。
牛は、早く呉れとばかりに騒ぎ出します。
で、どうしてそうなったかよく覚えてないんだけど、待ちきれなくなった牛が、
竹篭にガッと頭を突っ込んでしまったんです。アッという間でした。
牛は篭を被って虚無僧状態。
牛もビックリしたろうけど、私もパニックです。
へっぴり腰で篭を外そうとしますが、牛のツノが篭に刺さって抜けません。
無我夢中でどうにか引き抜いたときは、心底ホッとしました。
そして、このことは誰にも言いませんでした。(笑)
私が牛にエサをやったのは後にも先にもこの一回だけです。
この年、我が家は耕運機を買い、牛は売られていきました。