朝日新聞への投稿短歌・俳句で「原発」、「原爆」に関連して詠まれたものを抜き書きした。
防衛はまず原発を無くすこと敵の着弾廃墟の日本
(福岡市)南川光司 (9/22 佐佐木幸綱選)
原発の事故原爆と思いこむ認知症の母のおびえ止まらず
(横須賀市)池田卓爾 (9/22 佐佐木幸綱選)
広島は欲する時に水がなく欲せざる時神は与える
(豊川市)河合正秀 (9/29 野公彦選)
鳴り止まぬ線量計そそくさと済ます墓参り大熊町の彼岸
(狭山市)黒後輝夫 (10/20 馬場あき子、永田和宏選)
事故処理もままならぬのに再稼働不思議な国とアリスが笑う
(神戸市)川村充 (10/20 野公彦選)
汚染土を埋めし地よりふつふつと曼珠沙華炎(も)ゆ地の底いより
(福島市)美原凍子 (10/20 野公彦選)
枝道も家も鎖(さ)されて直(ひた)走る真葛国原月もどかしく
(福島市)青木崇郎 (10/27永田和宏選)
原発に追われたる無人の葛尾村信号青の一つ点もれる
(蓮田市)斉藤哲哉 (10/27 馬場あき子選)
枝道を鎖(さ)して入れぬ区間あり長い六号線息止め走る
(福島市)青木崇郎 (10/27 馬場あき子選)
被曝量検査の通知送られて台風近づく日本列島
(さいたま市)箱石敏子 (11/3 馬場あき子選)
蚯蚓(みみず)鳴くところへ核の廃棄物
(京都市)山口秋野 (10/20 金子兜太選)
福島に花野はあるか青空は
(和歌山県上富田町)森京子 (10/20 金子兜太選)
沈黙の原子炉の上雁渡る
(船橋市)高橋清徳 (11/3 大串章選)
この辺は線量高いぞ穴惑
(いわき市)馬目空 (11/9 金子兜太選)