山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

歳末大売り出し1

2019年12月13日 | 山菜料理
 久しぶりに仕事が休みである。はああ、追い立てられた気分から解放される喜びよ。つかの間とは言え、これは、いくつになっても同じ感情だ。
 そうは言っても、この休日、我が身を急き立てるような情動は全然なし。マタギは冬眠中だからね。

今朝もうっすらと雪化粧

「で、どうするの?まさか、そのまま本当に何もしないわけじゃないでしょう?」
 心の中から声が響いてくる。
 何ができる?たまの休みに・・・。

 ポクポクポクポク チ~ン

 保存しておいた山菜の点検作業に取りかかりましょう。アウトドアが休みならば、インドアです。
 今年の春から収穫し、その時に食べきれずに保存した山菜の大方のものは台所周辺に保管してある。何が、どこにあって、何時食べればよいか考えてみましょう。
 まずは、冷凍庫。モダシとムキタケとマイタケとトビタケとが、それぞれフリーザパックにまとまってます。あれ?わさび漬けも残ってる。こっちの方が先かも。解凍モードに配置換え。
 塩漬けは、ワラビとウドとミズ、そして、ヌキウチ(エゾハリタケ)。乾燥品は、ゼンマイとアカコゴミとマイタケ。瓶詰めは、先日のナメコとタケノコとトビタケ。
 うーん。ワサビは確定として、あとはどこから調理すべきか、迷いが深まるばかり。
「一番食べたいのは何?それを選びなさい。」
 また、心の声が聞こえてくる。
 そうですね。まずは食べたい物から食べましょう。歳末大売り出しだ!と言いつつ、まだ迷いあり。食べたいものを選べないという思いもある。だけど、実は、自信がないものもあるんですよ。特に、瓶詰め。自分としては、最善を尽くして作ったつもりなんです。だけど、開けてみなければ分からないという怖さが常につきまといます。

開かずの瓶詰めその一

 それでも、思い切って開けてみましょう。大売り出しの初日は、月山筍の瓶詰めを開封してみることにしました。
 真空状態なので、力ずくで蓋を開けることはできない。錐の先で蓋に穴を開けると、シューという音がしてへこんだ蓋が元に戻る。
 蓋を開けると、ああっ、懐かしい6月の月山(本当は湯殿山)の景色が蘇ってくる。 今回の瓶詰めは、成功だったようだ。この香りだけで嬉しくなってしまう。
 保存食の魅力は、食材の旨みを長く保ってくれるところにある。だけど、こんな風に、採り場に辿り着くまでの苦労や、収穫したときの感動を再体験できること。その回想に浸れることの方が、もっと大きな魅力なのではないのかな。冬眠中のマタギは、そんな風に考えてしまう。
 さて、いよいよ調理だけど、全部は無理。まずは、1/3ぐらいを味わってみましょう。

  ≪タケノコとこんにゃくの炒め煮≫

 材料の部
 ・水煮タケノコ10本ほど

意外と多いです

 ・糸こんにゃく:一袋
 ・竹輪:2本
 調味料
 ・酒、みりん、醤油:各大さじ2
 ・顆粒だし:適量
 ※呆れるほど同じなんですけど、良いものはいい!
 ?今回は最後に**ソースを加えてみたんですけど、まあ文句は出ませんでした。

 下ごしらえ・調理の部
 ・糸コンは食べやすい長さに切り下茹でする
 ・タケノコは、斜め切り(下記参照)

いい案配に切ります

 ・竹輪は拍子木切り
 ※タケノコよりも目立たないようにね

 ・分量外のサラダ油をフライパンに敷いて熱する
 ・糸コンを縮れるまで炒める
 ・続いて竹輪、そしてタケノコを投入
 ・一通り熱が通ったら、上記の調味料を加えて和える(強火)
 ※水分がほぼ飛んだと思った所で**ソースを回しかけて、ひと混ぜしたら火を消す

はい、出来上がり


 盛り付けてしばらくすると、減ってる。通りすがりの誰かがつまんでいるんですね。よしよし。

 歳末大売り出し、開始です。みんな、つきあってね。そして、今年1年の思い出を確かめ合いましょう。