山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

逢いたくて

2020年06月06日 | いきもの
  逢いたくて

 あなたに逢いたい
 ただ それだけのために
 こんなところまで
 私は 来てしまった

 逢えればよい
 それ以上 何も求めない

 多分あなたは 
 別の誰かを想って
 その佇まいを整えているのだろう

 それで構わない

 ここに 私の居場所はない
 そんなこと 分かっている

 それで構わない

 私は
 ただ
 あなたに一目逢いたくて
 ここに辿りついたのだ

 願いは一つ
 それ以上 何も求めない

 あなたに逢いたい

         ストーカーマタギ


 ストーカーマタギが天気予報を見ると、せっかくの休みなのに朝から雨だと。どうする?
 先週までの山菜採り場であるS川と別れた後、次の採り場はH川になるのが通常の行動パターンである。しかしですねえ、H川の採り場は海抜700m台。山菜シーズンには、まだ早いと思うんだよなあ。
 それでも、ちょっと待てよ。去年はS川の後、2週間空けてH川に入って、悔しい思いをしたんだっけ。
 1年前の記憶が蘇ってきた。「行ってみましょう。この場合、雨降りの方が好都合かもしれないね。」普通ならトランクに詰め込む雨具を助手席に並べて出発(雨の中での着替えは辛いから)。
 案の定、結構な雨降りだが、森に入ると、そこは巨大な雨傘。雨音はするけれど、殆ど全てを木の葉が受け止めてくれているらしい。さすがは深山。緑のダムだ。

ブナの森が風雨を遮ってくれる


豊かな森では、この程度の雨では増水しません

 奥に進んでいくと、春の花が咲いてます。そう、ここはまだ春です。

ニリンソウ


オオバキスミレ

どちらも、春の初めの野草(兼山菜)です。
 でも、私が逢いたいのは、別の花です。辺りの景色を見回すと、まだ雪が消えたばかり。
 今年もダメかな?と思い始めた頃に見つけました。咲き始めだけれど、間違いありません。

咲き始めのサンカヨウ


 2年ぶりです。この花に、どうしても逢いたくて訪ねてきたのであります。
 先に進むと、




ああ~。癒やし!
ここは森の外れなので、頭の上から雨粒が落ちてくるんですけど、構いません。サンカヨウの美しさに、ただただ満足。
  (写真がへたくそで、うまく再現できないのが少々残念)
 サンカヨウの花弁は、濡れるとガラス細工のように透明になります。今回は、本当に良いタイミングで出逢えたと思います。

 それにしても、サンカヨウの花の1つ1つを見ていると、美しいだけでなく、それぞれが別々の想いを持って咲いているように感じられるのですよ。
 目覚め・夢・冒険・安寧・休息・慈養・・・、あたかも人の一生のような花の表情に惹かれ、ストーカーマタギは、君に逢いたくなるんだなあ。
 きっと、これからも逢いに来るから、咲いていてほしい。それ以上、何も求めないから。