深山での散策は楽しい。日常では出逢えない動植物、そして、景色が広がる世界で、日常では味わえない空気の旨さをを味わう。おまけに、収穫だ。
ただ、リスクがないわけではない。
動物関係:獣、毒虫は数知れず。
植物関係:毒草(触れるとアウト、食べるとアウトが各種)。棘に引き裂かれることもしばしば。
天候関係:雪崩、豪雨、鉄砲水、落雷、突風、降雪・・・。
ああ~、書き出すだけで、だんだん気持ち悪くなってきた。
地形関係:ルートファインディング、渡渉、へつり、高巻き、トラバース・・・。
終わり!!!
え~とですね。自分の身の丈に合わせて、出来るだけの備えをして、時間にゆとりを持って、”やばい!”と思ったら即時撤退または停滞。
準備(自身と物品)には多少無理をしても、山の中では決して無理しないことが大事ですよね。
で、結局、何を言いたくてこんな話になったかというと、今回、山の中で悲しい出来事に出逢ってしまったんです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/db/f5640c8290a43ce0a77daacc9ff4b264.jpg)
サンカヨウの花を求めて、数本の沢と尾根とを渡り、山中を彷徨った末に辿り着いたのは、なぜだか森でも林でもない、広場だった。この広場は、平坦なうえに周辺の地形が似通っており、一度入り込むと自分がどこに居るのか分からなくなってしまう。何度も通っているはずなのだが分からなくなる。
ただ、そんな未熟なマタギを導き救ってくれるものがある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/46/f9aee959ac12fce51a6d02de86f8e25c.jpg)
この木を見つけると、マタギはホッとする。「この幹が指さす方に歩けば帰れる。」この山中で、いつもマタギの不安をぬぐい去ってくれるのがこの木なのだ。
そうして、この木の幹が指し示す方向にむかい斜面を登っていくと、次の古木がマタギを待ちかまえている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/b2/ee7bd037d272dfbb5a63576761036df6.jpg)
「また、おまえか。」
「はい、また来ました。」
「道を間違えるなよ。」
「はい。気をつけます。」
この木の左側に進むと道を見失い還れなくなる。右側に暫く進むと踏み跡に出会うのだ。
この古木たちが、森や広場から脱出するための『道しるべ』となって久しい。
初めて、この広場を訪れた頃、平坦で変化のない地形のため、方向感覚を失い。踏み跡に戻るまで数時間費やしてしまったことがあった。その後、何度も同じ失敗を繰り返しながら、ようやく、この2本の『道しるべ』の存在がマタギの心に刻み込まれたのだ。
「山の神様、本日もありがとうございました。」
こうして、山の神様に対する感謝というか信仰というか、不思議な思考がマタギの身体の中に染みついてきたのである。
ところが、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/ed/a7b1272c8500b5ebd634b0706a4bbf13.jpg)
今回の山業で出逢ったのは、数百年の命を全うした神の姿。
ああ、遂にこの時が来てしまったか。
私の命を導き、見守ってくれた道しるべよ、ありがとうございました。
これまで、何度も救ってもらった恩を思い出しながら合掌。
ただ、リスクがないわけではない。
動物関係:獣、毒虫は数知れず。
植物関係:毒草(触れるとアウト、食べるとアウトが各種)。棘に引き裂かれることもしばしば。
天候関係:雪崩、豪雨、鉄砲水、落雷、突風、降雪・・・。
ああ~、書き出すだけで、だんだん気持ち悪くなってきた。
地形関係:ルートファインディング、渡渉、へつり、高巻き、トラバース・・・。
終わり!!!
え~とですね。自分の身の丈に合わせて、出来るだけの備えをして、時間にゆとりを持って、”やばい!”と思ったら即時撤退または停滞。
準備(自身と物品)には多少無理をしても、山の中では決して無理しないことが大事ですよね。
で、結局、何を言いたくてこんな話になったかというと、今回、山の中で悲しい出来事に出逢ってしまったんです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/64/db/f5640c8290a43ce0a77daacc9ff4b264.jpg)
H川流域のブナ林
サンカヨウの花を求めて、数本の沢と尾根とを渡り、山中を彷徨った末に辿り着いたのは、なぜだか森でも林でもない、広場だった。この広場は、平坦なうえに周辺の地形が似通っており、一度入り込むと自分がどこに居るのか分からなくなってしまう。何度も通っているはずなのだが分からなくなる。
ただ、そんな未熟なマタギを導き救ってくれるものがある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7f/46/f9aee959ac12fce51a6d02de86f8e25c.jpg)
特徴的な形の古木
この木を見つけると、マタギはホッとする。「この幹が指さす方に歩けば帰れる。」この山中で、いつもマタギの不安をぬぐい去ってくれるのがこの木なのだ。
そうして、この木の幹が指し示す方向にむかい斜面を登っていくと、次の古木がマタギを待ちかまえている。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/17/b2/ee7bd037d272dfbb5a63576761036df6.jpg)
「また、おまえか。」
「はい、また来ました。」
「道を間違えるなよ。」
「はい。気をつけます。」
この木の左側に進むと道を見失い還れなくなる。右側に暫く進むと踏み跡に出会うのだ。
この古木たちが、森や広場から脱出するための『道しるべ』となって久しい。
初めて、この広場を訪れた頃、平坦で変化のない地形のため、方向感覚を失い。踏み跡に戻るまで数時間費やしてしまったことがあった。その後、何度も同じ失敗を繰り返しながら、ようやく、この2本の『道しるべ』の存在がマタギの心に刻み込まれたのだ。
「山の神様、本日もありがとうございました。」
こうして、山の神様に対する感謝というか信仰というか、不思議な思考がマタギの身体の中に染みついてきたのである。
ところが、
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/15/ed/a7b1272c8500b5ebd634b0706a4bbf13.jpg)
根元数mを残して倒れてしまった『道しるべ』
今回の山業で出逢ったのは、数百年の命を全うした神の姿。
ああ、遂にこの時が来てしまったか。
私の命を導き、見守ってくれた道しるべよ、ありがとうございました。
これまで、何度も救ってもらった恩を思い出しながら合掌。