今回は、ワサビだけでなく、フキノトウも戴いて帰りました。
ただねえ、山の中でちょっとずるいことを思いついてしまったんですよ。
雪の消え始めた広場を歩いていると、
中途半端に背が伸びたフキノトウ
「ううむ、なんとも中途半端な大きさよのう。これでは、天ぷらには手遅れ、炒め煮には、短かすぎる。どうしたものか。」
「お代官様、わたくしめに妙案がございます。」
「なに?申してみよ。」
「それは、ゴニョゴニョゴニョ。」
「なるほど、それは面白い!それでは、貰って帰ることにするか。」
「それがよろしいかと存じまする。」
「はっはっはっ。それにしても越後屋、いつもながら、ぬしもワルよのう。」
「いやいや、お代官様には、かないません。」
「そうかのう。ま、同じ穴のムジナじゃ、これからもよろしく頼むぞ。」
「ははっ、お任せ下さい。」
ということで連れ帰ったのが、
フキノトウ1と
フキノトウ2です
どちらも20個ずつ持ち帰りました。
そんでね、『フキノトウ1』は問題ないんですよ。これは、フキ味噌にして補充したり、保存したりするだけです。
問題は、『フキノトウ2』の方。本当に半端な大きさなんです。ここで、越後屋の悪だくみを明かすと、収穫してきた山菜は、水栽培しておけば成長するから大丈夫というものなんです。
これは、ワサビでもフキノトウでも同じです。だから、代官マタギは、すっかりその気になって連れ帰ったんです。
ところが、家に帰ってみたら気付いちゃったんだなあ。
「やっちまった。」
よく見ると、フキノトウが2種類ある。
雌花と
雄花です
そんでね、ほとんどが雄花なんですよ。
雌花というのは、受粉すると、種を飛ばすためにグングンと茎を伸ばします(タンポポなんかと同じ)。だから、越後屋さんの言うことも間違いではないんです。
でも、雄花は、花粉を飛ばしたら役割終了。あとは枯れてしまうだけなんですよ。
つまり、水栽培しても枯れてしまうだけ(ちょっとは伸びるけど)。
あ~あ、やっちまった。
どうしましょう。って、みすみす枯らすわけにはいくまい。たとえどんなに少なくても、食べて成仏させてやらなければならない。では、始めます。
≪フキノトウ(雄花)の炒め煮≫
下ごしらえの部
・花を外して、葉をこそげ落としたら茹でます
※あんまり細いので5分だけ茹でました
・水で洗って寸切りに
※あんまり少ないので、救助要請!
調理の部
・ちくわ2本を細切りにして合流させました
・軽く炒めてから、水1/2カップに、酒醤油みりん各小さじ2を加えて煮詰めていきます
・強火⇒弱火で、水分が飛んだら出来上がり
結構、旨そうでしょ
まだ細くて柔らかい茎料理、香りまで瑞瑞しい。美味しくて量が少ないから、あっという間に食べ切ってしまうと思うけど、これは仕方がないことですね。
ああ、枯らしてしまわないでよかった。・・・付け足しておくと、外した葉っぱは妻が天ぷらにしてくれたので、美味しく戴くことができました。
さて、実はですね、代官様と越後屋さんの悪だくみは、まだ進行中です。
雌花たちと1本だけの雄花を残しました
今回調理したのは雄花だけ。雌花が予定通りに成長してくれるかどうかを、もう暫く水栽培しながら観察してみたいと考えております。
ふっふっふ、ぬしもワルよのう。転んでも、ただではおきぬようじゃの。