山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

フキノトウで悪だくみ

2022年04月14日 | 山菜料理

 今回は、ワサビだけでなく、フキノトウも戴いて帰りました。

 ただねえ、山の中でちょっとずるいことを思いついてしまったんですよ。

 雪の消え始めた広場を歩いていると、

       中途半端に背が伸びたフキノトウ

 「ううむ、なんとも中途半端な大きさよのう。これでは、天ぷらには手遅れ、炒め煮には、短かすぎる。どうしたものか。」

「お代官様、わたくしめに妙案がございます。」

「なに?申してみよ。」

「それは、ゴニョゴニョゴニョ。」

「なるほど、それは面白い!それでは、貰って帰ることにするか。」

「それがよろしいかと存じまする。」

「はっはっはっ。それにしても越後屋、いつもながら、ぬしもワルよのう。」

「いやいや、お代官様には、かないません。」

「そうかのう。ま、同じ穴のムジナじゃ、これからもよろしく頼むぞ。」

「ははっ、お任せ下さい。」

ということで連れ帰ったのが、

       フキノトウ1と

       フキノトウ2です

 どちらも20個ずつ持ち帰りました。

 そんでね、『フキノトウ1』は問題ないんですよ。これは、フキ味噌にして補充したり、保存したりするだけです。

 問題は、『フキノトウ2』の方。本当に半端な大きさなんです。ここで、越後屋の悪だくみを明かすと、収穫してきた山菜は、水栽培しておけば成長するから大丈夫というものなんです。

 これは、ワサビでもフキノトウでも同じです。だから、代官マタギは、すっかりその気になって連れ帰ったんです。

 ところが、家に帰ってみたら気付いちゃったんだなあ。

「やっちまった。」

よく見ると、フキノトウが2種類ある。

       雌花と

       雄花です

 そんでね、ほとんどが雄花なんですよ。

 雌花というのは、受粉すると、種を飛ばすためにグングンと茎を伸ばします(タンポポなんかと同じ)。だから、越後屋さんの言うことも間違いではないんです。

 でも、雄花は、花粉を飛ばしたら役割終了。あとは枯れてしまうだけなんですよ。

 つまり、水栽培しても枯れてしまうだけ(ちょっとは伸びるけど)。

 あ~あ、やっちまった。

 どうしましょう。って、みすみす枯らすわけにはいくまい。たとえどんなに少なくても、食べて成仏させてやらなければならない。では、始めます。

   ≪フキノトウ(雄花)の炒め煮≫

 下ごしらえの部

 ・花を外して、葉をこそげ落としたら茹でます

 ※あんまり細いので5分だけ茹でました

 ・水で洗って寸切りに

 ※あんまり少ないので、救助要請!

 調理の部

 ・ちくわ2本を細切りにして合流させました

 ・軽く炒めてから、水1/2カップに、酒醤油みりん各小さじ2を加えて煮詰めていきます

 ・強火⇒弱火で、水分が飛んだら出来上がり

        結構、旨そうでしょ

 まだ細くて柔らかい茎料理、香りまで瑞瑞しい。美味しくて量が少ないから、あっという間に食べ切ってしまうと思うけど、これは仕方がないことですね。

 ああ、枯らしてしまわないでよかった。・・・付け足しておくと、外した葉っぱは妻が天ぷらにしてくれたので、美味しく戴くことができました。

 さて、実はですね、代官様と越後屋さんの悪だくみは、まだ進行中です。

       雌花たちと1本だけの雄花を残しました

 今回調理したのは雄花だけ。雌花が予定通りに成長してくれるかどうかを、もう暫く水栽培しながら観察してみたいと考えております。

 ふっふっふ、ぬしもワルよのう。転んでも、ただではおきぬようじゃの。