山形のホリデイマタギ日記

山菜とキノコと魚を採って遊ぶ年寄りの冷や水日記

山菜の聖地へ(前編)

2022年05月11日 | 山菜採り

 「そろそろ行きたいな。」と思っていたところに連絡が入った。

「 I 川、○×日、行ってみないか。」

もう二つ返事でOK!

「例のトンネル口集合ね。今度は、俺の運転な。」

何てったって、我々山菜仲間にとっては『聖地』と言ってもいい場所だ。

 山菜の質・量ともにピカイチ。しかも、流域は、知る人ぞ知る風光明媚な景観。素晴らしい山域なのだ。加えて、昨年は、負傷のためにこの地を訪れることが叶わなかったのだから、元気な今年は、何としてでも訪れたいと思っていたのだ。

 約束の期日が直前まで近づいた日に、A氏から連絡が入る。

「やっぱり、今回は、・・・。」

何!どうしたの!? まさか、中止じゃないよね。

「・・・俺の車で行こう。」

ああ、そういうことね。

「あの道を、マタギの乗用車で行くのは無理だと思うんだ。」

なるほど、ごもっとも。ありがたい提案です。

「分かった。なんだか申し訳ないけど、よろしくお願いします。」

ということで、2回連続でA氏に運転をして貰うことになった(普段は交代制です)。

 そして当日朝。A氏の運転のもと、峠越え。待ち合わせの地点に予定よりもかなり早く着いたのだが、同行のT氏もかなり早く着いたので、暗がりの中で身支度を整えて出発。

 I川への道は、やっぱり、悪路だった。マタギの乗用車でなくて正解だった。

 それでも、かつての車止めの遙か手前で立ち往生。車を置いて歩きに切り替える。

 更に最終堰堤からは、川通しでの遡行になる。

 かつては、川沿いを歩ける踏み跡もあったのだが、今は藪に覆われたり、崩落したりで通行不能だ。自力でルートファインディングしながら進むしかない。

 途中の淵で、T氏が竿を出す。

       いいポイントです

 でも、本日は反応なし。若干水色に濁りが入っているから、まだ雪代が出ているのかもしれない。だとすると、イワナは、もっと流れが緩い場所に、ついているかもしれない。

 案の定、進むに従って雪渓が多くなり、

       大きめのデブリが残っていた

 一方、斜面の上方では、

     ヤマザクラが満開で新緑の世界

 「今年は雪が多かったから残ってるけど、消えたところから(山菜が)出始めっだべな。」

 こんな会話を交わしながら、渡渉と巻きを繰り返していく。そのうちに、見覚えのある広場。

       かなりいい時期に当たったかも

       コゴミを見てるんだけど採らない2人

 はっきり言って、今シーズン最高品質です。マタギは、採りますよ。何てったって、毎日のお浸し用が丁度なくなった所なんですから。

 でも、2人は採りません。採りたそうな気持ちは、ヒシヒシと伝わってくるんですけどね。

 聞いてみたら、3日前にT川でたっぷり採ったばかりだから、「今回は採らない。」と決めていたそうです。おかげでマタギは、高品質コゴミを独占的に戴くことができました(それでも大人の採り方よ)。

 さて、向こう岸に渡ってみます。

       赤コゴミ畑

 案の定、今年もパラダイスでした。

 でも、ちょっと気になる。

「なんだか、今までよりも細ぐなってねえが?」

「うん、俺も思う。」

「(去年まで)採りすぎたかな。」

「じゃあ、今年は、太いのだけ選んで採るベ。」

こんな約束というか規則みたいなものを決めて、各自、採集開始。

       記録写真撮影(大事な作業です)。その後、採集

 A氏もT氏も、赤コゴミは欲しいそうで、品質を選びながら、採集を楽しんでいた。マタギも、それなりに戴いたので満足です。

 さあ、ここから先は、いよいよ深山幽谷の世界に突入します。けど、話がだいぶ長くなってきたので、続きは、また明日とさせていただきます。悪しからず。

 

  To be continued!