秋色濃い金華山と長良川 そして当館
ホテルパークの周辺にも、そして長良川の水面にも、日に日に秋色が濃くなってきました。
川の水の色すら違って見えるのは、清冽な流れが秋の空を忠実に写し取っているからでしょうか。
「あ、秋か、じゃあ鵜飼もお終いだな」と思ったあなた、とんでもはっぷん、歩いて5分(あ、これは当館のバス停からの時間でした)、10月15日のフィナーレを迎えるまで、これからがシンフォニーでいったら第四楽章、もっとも味わい深い期間なのです。
川面を行く孤舟
夏の鵜飼が、昼の華やかな太陽の余韻を受けて、そのあでやかさを競うとしたら、秋のそれはつるべ落としの夕陽の後にしっとりとした「通好み」の風情をかもし出すものです。
当館にもっとも近い芭蕉の句碑(湊町・ポケットパーク名水内 )の「おもしろうてやがて悲しき鵜舟かな」は、鵜舟が来て去ったあとの感情の落差をみごとに詠んだ句ですが、この情緒は秋の鵜飼にこそいっそう色濃いものだと思います。
夕陽を浴びて出番を待つ船たち
この時期、鮎たちは川上へと遡上する旅を終えて、故郷を目指して下りつつあります。
鮎は別名「年魚」ともいい、その寿命は一年です。下り終えた地点で卵に次代の命を託し、自然へと還ります。
ですから秋の鵜飼は、鵜飼そのものにとっても、そして鮎たちの命にとっても、終章を迎えるセレモニーともいえるものです。それだけに、夏とはまた違った深い味わいと趣があるのです。
私たちは、秋の鵜飼にある色濃い叙情、そして「わび」や「さび」を堪能しようとする方を歓迎し、サポートさせていただきます。