■おもいでばなし 2015.11.1
朝の陽の明るい、夏休み明けの教室
過ぎさった夏の日の、ぼくは友人Yが語る話に耳を傾けていた
俺さ、夏休みずっと、夕方の海を女と散歩してたの
別荘の娘、東京から来た大学生
振り返ると、浜のはしから、ふたりの足跡だけが、ずっと足元までつながっていた
あした、東京へ帰る
Y君、ふたりの思い出を何かプレゼントしたい
早朝の教室には、ぼくと高校生のY、ふたりだけだった
ぼくは、どす黒嫉妬に胸を噛まれた
なぜ、俺でなく、Yなんだ
ぼくの机の前には、中也の詩集がおかれていた
かえす波音を聞きながら、ながいながい時はながれ
ぼくの手には、一冊の詩集が残されている
【渚百選弓ヶ浜の夕日/撮影:横山辰雄氏】
小説・汚れちまった道を読んで思い出した、あの日の青春
朝の陽の明るい、夏休み明けの教室
過ぎさった夏の日の、ぼくは友人Yが語る話に耳を傾けていた
俺さ、夏休みずっと、夕方の海を女と散歩してたの
別荘の娘、東京から来た大学生
振り返ると、浜のはしから、ふたりの足跡だけが、ずっと足元までつながっていた
あした、東京へ帰る
Y君、ふたりの思い出を何かプレゼントしたい
早朝の教室には、ぼくと高校生のY、ふたりだけだった
ぼくは、どす黒嫉妬に胸を噛まれた
なぜ、俺でなく、Yなんだ
ぼくの机の前には、中也の詩集がおかれていた
かえす波音を聞きながら、ながいながい時はながれ
ぼくの手には、一冊の詩集が残されている
【渚百選弓ヶ浜の夕日/撮影:横山辰雄氏】
小説・汚れちまった道を読んで思い出した、あの日の青春