今日、本当は結構忙しいのだが、前から気になっていた「小さいおうち」が明日で終了するらしいので、12:10~の上映を見ることにした。
映画館は、私を含めて約20名。それでも、いつも、私が見ている映画のときよりは多かった。
あらすじを、松竹のHPから引用すると、
健史(妻夫木聡)の親類であった、タキ(倍賞千恵子)が残した大学ノート。それは晩年の彼女がつづっていた自叙伝であった。昭和11年、田舎から出てきた若き日のタキ(黒木華)は、東京の外れに赤い三角屋根の小さくてモダンな屋敷を構える平井家のお手伝いさんとして働く。そこには、主人である雅樹(片岡孝太郎)と美しい年下の妻・時子(松たか子)、二人の間に生まれた男の子が暮らしていた。穏やかな彼らの生活を見つめていたタキだが、板倉(吉岡秀隆)という青年に時子の心が揺れていることに気付く。
ということになっている。
ここからは、見てのお楽しみなのだが、昭和11年~20年(南京事件から終戦)にかけての社会情勢をバックに(戦争にどのようにして突入していったのかの流れまでが描かれている)、男(吉岡)と女(松)が惹かれていく様を女中という目を通して、名監督山田洋次氏によりリアルに描かれている。
そこには、全くいやらしさはない。しかし、なんだろう?あの、松たか子の持つ色気は。
良家の才女が持つ、知性とでも言おうか?単に「抱きしめる」(それも弱く)だけで、足を写すだけで、そこから先を想像の世界へ導くのである。
また、女中役の黒木華(くろき はると読みらしい。大阪府出身23歳)さんも素晴らしい。この映画でベルリン国際映画祭で最優秀女優賞をもらっただけあって絶妙な演技であった。
こうした女性陣が強いだけに片岡と吉岡は少し線が細いように描かれていたが、2人共良く演技していたと思う。
最後に、タキが60年間秘密にしてきたことが明かされる。
それは、東野圭吾ほどのサスペンスではないが、吉岡、松、黒木の間に何かがあったのではないか?と思わせる絶妙なトリッックになっている。
人間、生きている限り1つか2つの「秘密」を必ず持っているものだ。それは、言わないでおくことに意義があるのだろう。
最後に登場した妻夫木の恋人役の女性(木村文乃さん?)も、かわいかったね。