今日部屋の片づけをしていると、1998年3月3日の毎日新聞の社説の切り抜きを見つけた。当時感銘を受けて切り抜いておいたものだ。茨木のり子さんという人の詩であるが、ここに掲載しておきたい。
ぱさぱさに乾いてゆく心を ひとのせいにはするな みずから水やりを怠っておいて
気難しくなってきたのを 友人のせいにはするな しなやかさを失ったのはどちらなのか
(中略)
自分の感受性くらい 自分で守れ ばかものよ
そして、社説は訴える。人に合わせるだけの人生で良いのかと。「いま」の自分を濃密に手帳に記してどうなるのかと。「なにげに」「細眉」「ルーズソックス」。みんなと同じ行動。
「夏みかん きらいなものは きらいなり」と自前の「浮力」と「イカリ」を身につけて歩もうではないか。「自分にもっと水やりを」
さきほど、省略した一節はこうだ。
駄目なことの一切を 時代のせいにはするな わずかに光る尊厳の放棄