STAP細胞の論文を巡って、小保方晴子さんについて色々と取りざたされているが、今日毎日新聞の「くらしナビ」のコーナーに精神科医の香山リカ氏がコラムを載せていたので、触れておきたい。
香山氏によると、小保方氏の(人の)「役に立ちたい」という言葉が気になるという。
この言葉は、一見自己中心的でない言い方だが、「誰かの役に立たなければ、私が生きていることにも気づいてもらえない」(ということが隠れていて、)「認めてもらいたい」という欲求と裏表の関係にあるのではないか?そういう人は時として、なんとか認めてもらおうと夢中になり、いつの間にか「役に立つ」という、はじめの目的を忘れてしまうこともある。
そう言われれば、今回の件はなんとなくつじつまが合う気ががする。
香山氏は言う。「自分がまずその日、その日をしっかり生きて、大勢に知られなくても手ごたえのある暮らしを送る。季節の移り変わりを楽しみ、身近な家族や友人と笑いあう。人生はそれで十分という気もする」と。
人の役に立つことはすばらしい。でも、それが、できなくても、生きる意味は十分ある。自己中心的というと響きがよくないが、誰でも当たり前のことなのだ。
功はあせらず、じっくりと地道に研究したいものだ。