昔、「読んでから見るか。見てから読むか」という角川映画のCMがあったが、私としては、当然読んでから見る方が楽しいと思う。
というわけでもないが、映画ならどうなっているのだろうと思い、showtimeで昨日読み終えた本の映画版を見た。
映画は、かなり忠実に本の内容を再現していた。本より70年安保の色彩が強かった。
話は、松山ケンイチ演じるワタナベ君が菊池凛子演じる直子と実らぬ恋をするわけだが、やはり、出だしのキズキの自殺がなぜそうなるのかわからない。
ここが、わからないから、全体としてよくわからない印象を受ける。ストーリーとしては、良くできているし、配役もまあまあの感じだが、必然性がもう一つの印象だ。直子と緑というかなり違うタイプの子を同時に好きになるという展開は、昨日も書いたが、普通なら、「二兎を追う者は一兎をも得ず」で終わるのだが、そうなっていない観がある。
おまけにといっては、大変失礼だが、レイコさんとも寝るなんて反則ではないか。
本もそうであったが、映画においても、泣ける所はなかった。東野圭吾は泣けてくるのに。
映画で一番良かったのは、最後のレイコ役の女優さんがきれいだったこと。霧島れいかさんっていうらしい。覚えておこう。