「一たび死ねば、もう死なん」（ｂｙ臨済宗中興の祖 白隠禅師）

今日、部屋の片付けをしていたら、「心が折れない人の習慣」（ＰＨＰ研究所）を見つけた。
その中の記事に、臨済宗相国寺派管長の有馬底氏の文章が載っていた。
その中で、特に印象に残ったのがタイトルの言葉だ。

この言葉の意味は、
人生で失敗して落ち込んだとき、落ちるところまで落ちた方が良い。
とにかく、我とか欲とかすべての執着を消し去ること。（それが一たび死ねばという意味）
そうすれば、見る物、聞く物すべてが新鮮で全てが自分の中に入ってくる。（それが、もう死なんという意味）

でも、その執着心を捨て去るというのがかなり難しい。
生まれた時も、死んでいく時も「本来無一物」ではあるが、われわれは、既に相当なものを手に入れている。
ある程度のレベルで自分を見てしまっている。
それを、「なくせ」というのだ。

人間は生まれた瞬間から「唯一無二な存在」であり、また、自然界のあらゆるものは全て輝く命を持っている。

だから、「人生には山あり谷あり　こういうもの」と割り切れば、もっと穏やかに生きられるとの尊い教えだった。