タイヤを製造するための原材料の確保が
コロナ禍や戦争による資源の争奪戦によって難しくなっている。
このことは 「タイヤメーカーの危機感」と題名で 昨日のブログで少し書き込みました。
今日は 私たちタイヤ小売業者が抱く危機感について考査してみます。
タイヤ屋稼業33年の原始的タイヤ屋オヤジが
コロナ禍や戦争といった急性的なリスクと
高齢化・後継者難といった慢性的なリスクに どのように考えているのかしょう
病気でも同じように
1 急性症状には対処療法、
2 慢性症状には体質改善で臨むように考えていきましょう。
1について
タイヤ小売業は
基本的に受け身のスタンスであり
価格上昇に対してはメーカーの施策に対して対策対抗策はありません。
なるべく取引先を絞り 大きなロッドで仕入れコストを下げることを第一にすべきです。
仕入れ先を分散するのはその面からあまり感心しません。
また 値上げの影響は競合他社様も同様に受けられますので その動向を注視します。
そしてお客様には 後出しじゃんけんで対応します。
タイヤ需要は 冬と春の4か月短期に集中するのでしっかり対処するように構成します。
メーカーの施策には 仕入れの時期をずらしたり数量を集中したりの駆け引きを駆使します。
このようなことは どの小売店もやっていることですが
タイヤ専門店イマージンの強みは
代表も責任者もみんな現場にいて皮膚感覚で感じ取っているので
机上の空論にならず 素早い対策が取れます。
2については
これまでタイヤ小売店成長路線は
「店を増やすことで。」という考え方で
タイヤ販売店を3店舗まで増やしました。そして その考え方を捨て去りました。
若いやり手を 「店長に指名して俺と同じようにやれ」と言っても それは無理筋でした。
やらせた私が悪いのです。
経営者の意識と社員の意識では月とスッポンの違いがあるようです。
もし 社員にやってもらうなら
仕組みやマニュアルなど社員が順守できるシステム化が不可欠なのです。
ですから多店舗展開に向かうタイヤ屋さんは
販売をWEBで行い社員の裁量が入らないネット販売に活路を向けるのは当然です。
それが出来ないなら多店舗の展開に行ってはいけないのです、
3店舗を開いて また1店舗に戻す過程で思い知りました。
私には そうした能力は無いようです。
任せるなら任せれるシステムを整えなければ失敗は当然でした。
1店舗に戻せば そこは弱者の独断場です猟師の感覚です。
ヒマ時期には死んだふりしていればよくて 繁忙期には馬車馬のごとく働く。
そして雪が降れば 宣伝も必要ありません!
ただタイヤ屋をやっているだけでお客様は来てくださいます。
これを私は「シーラカンス商売」と呼んでいます。
じっとしてエネルギーを無駄に使わない 売れるまでじっと待っている。
成長を外に求めず ひたすら微成長路線がリアルなタイヤ屋の現実です。
私だけではありません 多くの個人店タイヤ屋さんはそうしているはずです。
しかし ここに慢性病が進行しています。
新陳代謝はどうするの? 経営の継承は? 一代限りで止めちゃうの?
老化をアンチエイジングで進行を遅らせることはできますが いずれ・・・・・・・。
急性症状にはそれなりに対処できますが
慢性的な老化は 先送りしているうちに対処不能になり廃業へ進みます。
でもこれは 小さなタイヤ屋ばかりの問題ではありません、
日本中の中小零細か抱える問題です。
それで 私はどう考えているのでしょうか?
タイヤ専門店イマージンは
「タイヤ屋の経営者になってみたい」という若者がいれば
その人を正社員として採用し伴に働きながら
全てノウハウを以心伝心で伝授出来れば譲り渡すことも考えます。
マニュアルはありません 伝授は以心伝心しか出来ません。
これが無理なら あと16年の営業で廃業します。
今のオヤジ三人衆で いっちょ上がりが2039年です。
その時 創業からちょうど半世紀 小さな店を開かせてもらって50年
ここに照準を当てているだけです。
後継者がいなければ廃業
そんなことは忘れ去ってその時が来れば考えれば良くて 流されて行けば何とかなるでしょう!
天にお任せしましょう。
リアルで小さなタイヤ専門店の目標は
目の前のお客様にタイヤ小売でお役に立つことでしょうね。
過去を悔やまず 未来に焦らず
「今」来てくださったお客様に感謝しその期待に応えるだけです。
中国古典「孫子・相手を知り己を知れば百戦危うからず」
ありがたいことです。