イレッサ訴訟、国が和解勧告拒否の方針
読売新聞 1月25日(火)
肺がん治療薬イレッサ(一般名・ゲフィチニブ)を
めぐる訴訟で、
政府は24日、国の責任を認めた東京・大阪両地裁の和解勧告に
応じない方針を固めた。
「イレッサの承認過程に問題はなく、
副作用の危険性については適切な注意喚起を行った」
との理由からだ。
和解は、新薬導入をめぐる日本国内での承認体制の在り方など、
薬事行政への影響が大きすぎると判断したものだ。政府はこの方針を、両地裁に対する回答期限前日の27日をメドに正式表明する。
この問題で、政府内では枝野官房長官と細川厚生労働相、江田法相が協議を重ねてきた。その結果、政府内では、「副作用に関する情報提供は適切だった。
和解を受け入れれば、新薬の承認の期間を短縮する流れにある今後の承認体制に大きな影響がある」(厚労省幹部)との意見が強まった。細川厚労相も「医薬品行政の根幹の問題であり、慎重に検討する必要がある」と述べていた。
両地裁は今月7日に示した和解へ向けた基本的な考え方(所見)で、厚労省が輸入販売元の製薬会社「アストラゼネカ」(大阪市)に対し、緊急安全性情報を出すよう指示した2002年10月15日までにイレッサを投与され、副作用の間質性肺炎を発症した患者5人について、「国と同社に救済する責任がある」と結論づけた。
その理由として、イレッサは承認以前から「副作用が少ない薬」という認識が一般に広まっていた一方で、間質性肺炎による重篤な副作用を引き起こす可能性を示した試験結果があったことを指摘。イレッサの添付文書では、間質性肺炎が「重大な副作用」の4番目に記載されていたことなどについて、情報提供が不十分だったとした。和解協議に応じるかどうかに対する回答は28日までに求めており、原告側は10日に受け入れを表明した。
ただ、政府・民主党内には「死亡患者やその遺族に対しては、何らかの救済策を検討すべきだ」との意見もあり、今後、調整を進める。
***************
副作用の情報、リスクの情報提供、ここに
問題があったからこのような問題になったのではなかったのか。
「副作用に関する情報提供は適切だった。」と突っぱねて
国や製薬会社には責任は無いと言っているわけだが
国は話しが通じない相手だと印象づく。
さらに
和解に応じれば「新薬の承認の期間を短縮する流れにある今後の
承認体制に大きな影響がある」という意見にはあきれる。
これはまた同じようなことがおきても
国には責任は無いと言いたいわけか?
そんな理不尽なことを本当に言っているのだろうか。
このニュース記事だけで判断は出来ないが、
****************
28日追記
この件について
江田五月法相は記者団に
「副作用があっても、
あえて新薬1 件を承認することはみんなの利益のためだ」と語り、
当時の国の判断と対応に誤りはなかったことをあらためて強調。
さらに「(副作用を)説明して投与したとカルテに記載している
医師も何人かおり、国に過失があるというのはつらい」と述べた。
***************
回答期限が1月28日に迫っているイレッサ訴訟の和解勧告について、
関係学会や医療機関は1月24日、
国や製薬企業の責任を問うべきでないなどとする見解を相次いで発表した。
日本臨床腫瘍学会は、
「承認前に得られる情報には限りがあり、
承認後に行われた医療行為の結果について、
承認時の医学的・科学的判断がそのまま常に当てはまるわけではない」と主張。
日本肺癌学会も、
ゲフィチニブ(商品名イレッサ)の効果や副作用については承認後、
多くの患者に使用された結果明らかになったものであり、
「重篤な間質性肺炎発生の可能性を承認前や、
承認後ごく早期に予見することは極めて困難であったと思われる」
との見解を示した上で、承認後に蓄積された知見に基づいて、
承認前や承認直後の国や製薬企業の判断や対応に
責任を問うことについて、「極めて慎重であるべき」などとした。
このほか、国立がん研究センターも
同日、同様の見解を発表。
センター理事長は緊急会見で、
「イレッサ訴訟は過去の薬害などとは異なる。
間質性肺炎はゲフィチニブの副作用であり、
その副作用について誰かの責任を問うと、
医療そのものが成り立たなくなる。
また、和解勧告に応じることは、
国や製薬企業の違法性を認めることであり、
今後の薬事行政の萎縮をもたらす」などと訴えた。
その上で、抗癌剤が現在、
医薬品副作用被害救済制度の対象外となっていることに触れ、
「不幸にも抗癌剤の副作用で死亡した患者などについては
救済制度などで補償すべきであり、
そのための国民的な議論を行うべきだ」と話した。
******************
つまり、どこも責任は無く、
今後もこのようなことがあっても
同様に製薬会社も医師も国も責任は取らないということか、、。
確かに「多くの患者に使用された」結果判明するということも
あるかと思う。
しかし、その可能性についての説明があったのか?
「多くの患者に使用される」前から副作用が少ないと宣伝していた
製薬会社のやり方は問題にならないのか。
今回の問題を今後に生かして改善する考えは日本の医療関係から
出てこない。
読売新聞 1月25日(火)
肺がん治療薬イレッサ(一般名・ゲフィチニブ)を
めぐる訴訟で、
政府は24日、国の責任を認めた東京・大阪両地裁の和解勧告に
応じない方針を固めた。
「イレッサの承認過程に問題はなく、
副作用の危険性については適切な注意喚起を行った」
との理由からだ。
和解は、新薬導入をめぐる日本国内での承認体制の在り方など、
薬事行政への影響が大きすぎると判断したものだ。政府はこの方針を、両地裁に対する回答期限前日の27日をメドに正式表明する。
この問題で、政府内では枝野官房長官と細川厚生労働相、江田法相が協議を重ねてきた。その結果、政府内では、「副作用に関する情報提供は適切だった。
和解を受け入れれば、新薬の承認の期間を短縮する流れにある今後の承認体制に大きな影響がある」(厚労省幹部)との意見が強まった。細川厚労相も「医薬品行政の根幹の問題であり、慎重に検討する必要がある」と述べていた。
両地裁は今月7日に示した和解へ向けた基本的な考え方(所見)で、厚労省が輸入販売元の製薬会社「アストラゼネカ」(大阪市)に対し、緊急安全性情報を出すよう指示した2002年10月15日までにイレッサを投与され、副作用の間質性肺炎を発症した患者5人について、「国と同社に救済する責任がある」と結論づけた。
その理由として、イレッサは承認以前から「副作用が少ない薬」という認識が一般に広まっていた一方で、間質性肺炎による重篤な副作用を引き起こす可能性を示した試験結果があったことを指摘。イレッサの添付文書では、間質性肺炎が「重大な副作用」の4番目に記載されていたことなどについて、情報提供が不十分だったとした。和解協議に応じるかどうかに対する回答は28日までに求めており、原告側は10日に受け入れを表明した。
ただ、政府・民主党内には「死亡患者やその遺族に対しては、何らかの救済策を検討すべきだ」との意見もあり、今後、調整を進める。
***************
副作用の情報、リスクの情報提供、ここに
問題があったからこのような問題になったのではなかったのか。
「副作用に関する情報提供は適切だった。」と突っぱねて
国や製薬会社には責任は無いと言っているわけだが
国は話しが通じない相手だと印象づく。
さらに
和解に応じれば「新薬の承認の期間を短縮する流れにある今後の
承認体制に大きな影響がある」という意見にはあきれる。
これはまた同じようなことがおきても
国には責任は無いと言いたいわけか?
そんな理不尽なことを本当に言っているのだろうか。
このニュース記事だけで判断は出来ないが、
****************
28日追記
この件について
江田五月法相は記者団に
「副作用があっても、
あえて新薬1 件を承認することはみんなの利益のためだ」と語り、
当時の国の判断と対応に誤りはなかったことをあらためて強調。
さらに「(副作用を)説明して投与したとカルテに記載している
医師も何人かおり、国に過失があるというのはつらい」と述べた。
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回答期限が1月28日に迫っているイレッサ訴訟の和解勧告について、
関係学会や医療機関は1月24日、
国や製薬企業の責任を問うべきでないなどとする見解を相次いで発表した。
日本臨床腫瘍学会は、
「承認前に得られる情報には限りがあり、
承認後に行われた医療行為の結果について、
承認時の医学的・科学的判断がそのまま常に当てはまるわけではない」と主張。
日本肺癌学会も、
ゲフィチニブ(商品名イレッサ)の効果や副作用については承認後、
多くの患者に使用された結果明らかになったものであり、
「重篤な間質性肺炎発生の可能性を承認前や、
承認後ごく早期に予見することは極めて困難であったと思われる」
との見解を示した上で、承認後に蓄積された知見に基づいて、
承認前や承認直後の国や製薬企業の判断や対応に
責任を問うことについて、「極めて慎重であるべき」などとした。
このほか、国立がん研究センターも
同日、同様の見解を発表。
センター理事長は緊急会見で、
「イレッサ訴訟は過去の薬害などとは異なる。
間質性肺炎はゲフィチニブの副作用であり、
その副作用について誰かの責任を問うと、
医療そのものが成り立たなくなる。
また、和解勧告に応じることは、
国や製薬企業の違法性を認めることであり、
今後の薬事行政の萎縮をもたらす」などと訴えた。
その上で、抗癌剤が現在、
医薬品副作用被害救済制度の対象外となっていることに触れ、
「不幸にも抗癌剤の副作用で死亡した患者などについては
救済制度などで補償すべきであり、
そのための国民的な議論を行うべきだ」と話した。
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つまり、どこも責任は無く、
今後もこのようなことがあっても
同様に製薬会社も医師も国も責任は取らないということか、、。
確かに「多くの患者に使用された」結果判明するということも
あるかと思う。
しかし、その可能性についての説明があったのか?
「多くの患者に使用される」前から副作用が少ないと宣伝していた
製薬会社のやり方は問題にならないのか。
今回の問題を今後に生かして改善する考えは日本の医療関係から
出てこない。