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マーケティング研究 他社事例 その234 「普段使いが普及のカギ」 ~仮想通貨の今後~

2018-09-26 09:27:45 | ビジネス
マーケティング研究 他社事例 その234 「普段使いが普及のカギ」 ~仮想通貨の今後~


ビットコインをはじめとする仮想通貨は、2017年から価格が高騰しました。

シカゴ・マーカンタイル取引所の先物取引価格は2017年12月中旬に1ビットコイン(BTC)当たり2万ドルに迫りましたが、年が明けて1月中旬になると1万ドルを割り込みました。

すごい乱高下だったと思います。

しかしなぜこんなに乱高下するのでしょうか?

相場が乱高下するのは、投機目的の売買が中心だからです。

その為、規制を強化しようとする声もありますが、このままでは仮想通貨の潜在的な有用性が伝わらない懸念があります。

決済手段として不自由なく使えるようになれば、仮想通貨を持つ人が増える事でしょう。

結果として、短期的な売買による相場の乱高下は起きにくくなり、決済手段としてより利便性が高まるという好循環が生まれます。

キャッシュレス化の動きも仮想通貨の普及に追い風であると考えます。

小売店舗にとって現金は物理的に数を数えたり保管したりと、手間とコストがかかります。

クレジットカードは、カード会社に払う手数料が高いのが難点です。

仮想通貨なら安価にシステムを構築できるという利点があります。

また、仮想通貨を普及させる上で大きな壁となっているのが、税制面での使い勝手の悪さです。

現状では、仮想通貨が値上がりし、円に換金した際に得た売却益に対して累進課税されているのです。

最高税率となる所得4,000万円超の場合、45%の所得税と住民税10%の合計55%を税金として支払わなければなりません。

2017年12月の国税庁通達で、「仮想通貨を円に換金しなくても、仮想通貨で商品を購入した時点で代金分を円に戻したものとみなして課税義務が発生する」という内容が示されました。

最高税率の対象者であれば、仮想通貨で買い物をしたときに1000円の値上がり益があると、代金に加えて550円の税金も払わなければなりません。

これでは決済手段として普及するはずがありません。

課税所得によって税率が変わる事も使い勝手を悪くしています。

現状の累進課税の場合、消費者は「自分の仮想通貨の含み益は、他の所得と合わせていくらなのか」を計算しながら買い物をする必要があります。

そのような決済手段では、普段使いするのは、とても非現実的であると言えます。

改善策は簡単です。

非課税にするのは難しいとしても、せめて税率を株式の売却益などと同様に一律で20%程度にするのが妥当であると考えます。

これができれば、保有者のアカウントを管理している仮想通貨交換事業者が含み益を記録し、一律20%分を徴収して納税を代行すれば済んでしまいます。

こうした条件が整えば、新たな価値も出てくるものです。

つまり、インフレ時の資産防衛手段となる可能性があります。

日本の財政は、日銀が国債を買い増す事で維持されています。

市場に大量のマネーが出回っているので、近い将来、ハイパーインフレのような状況が来ると予想する経済学者も少なくありません。

インフレ時には、預金封鎖が常套手段となっていますが、仮想通貨は良い解決策となりえます。

それはなぜでしょうか?

仮想通貨は口座が誰のものなのかを特定できなくすることが容易だからです。

銀行口座の場合は、暗証番号と保有者の個人情報が紐づけられています。

例えば、ビットコインは秘密鍵と個人情報が紐づけられていない為に、秘密鍵を教えてしまえば誰が保有しているのかは特定できなくなります。

仮想通貨が決済手段として市民権を得るのは、まだ先の事であると思いますが、その先に個人資産を防衛する役割もある事も周知されていくべきであると思います。


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