Blog 81

映画『東京家族』について

写経(笑) 7.「熱力学第2法則」 『岩波理化学辞典 第5版』

2013年05月01日 | 写経(笑)
 続けて、写経2「エントロピー(2013.4.27)」における、記事本文の2行目、「熱力学第2法則」を追います。



「熱力学第2法則」 〔second law of thermodynamics〕


 巨視的な動的現象が一般に不可逆変化であることを主張する法則.互いに同等な種々の表現がある.クラウジウスは“熱が高温度の物体から低温度の物体に他の何らの変化をも残さずに移動する過程は不可逆である”(クラウジウスの原理,Clausius theorem)といい,トムソン(ケルヴィン卿)は“仕事が熱に変わる現象はそれ以外に何の変化もないならば不可逆である”(トムソンの原理,Thomson's principle)と述べた.また“第2種永久機関をつくることはできない”といってもよいし,カラテオドリ(Carathéodory,C)に従って“熱的に一様な系の任意の熱平衡状態の任意の近傍にその状態から断熱変化によっては到達できない他の状態が必ず存在する”(カラテオドリの原理,principle of Carathéodory)といってもよい.これらの主張は互いに同等であり,数学的にはエントロピー関数の存在と,断熱変化ではエントロピーが決して減少しないという形に定式化される.エントロピーの概念を用いれば,熱力学第2法則の内容はまた,“孤立系のエントロピーは不可逆変化によってつねに増大する”(エントロピー増大の原理, principle of increase of entropy)とも表現される.

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

写経(笑) 6.「熱力学の法則」 『広辞苑 第六版』

2013年05月01日 | 写経(笑)
 写経2「エントロピー(2013.4.27)」における、記事本文の2行目、「熱力学第2法則」を追います。




 「熱力学の法則」  第〇法則から第三法則まである。第一・第二法則が中心。


 〔ア〕 第〇法則。物体AとB、AとCとが熱平衡であれば、BとCは熱平衡にある。

 〔イ〕 第一法則。系の内部エネルギーの増加量は、外から加えられた仕事量と熱量の和に等しい。熱量まで含めたエネルギー保存則。

 〔ウ〕 第二法則。低温から高温へ熱を移し、他に何の変化も残さないようにしておくことはできない。エントロピー増大の原理を述べたもの。

 〔エ〕 第三法則。絶対零度ではいかなる物質のエントロピーも〇になる。有限回数の過程によって絶対零度に到達することはできない。ネルンストの熱定理。

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

写経(笑) 5.エントロピー entropy  『岩波数学入門辞典』

2013年05月01日 | 写経(笑)
 エントロピーという用語はクラウジウス(R.J.E.Clausius,1865)に始まり,ギリシア語のτροπη(変化)に由来し,変化容量を意味する造語であり,熱力学において不可逆性を定量的に表す量(エントロピーの増加)として導入された.その後古典統計力学におけるボルツマンの研究(1877)において,巨視的状態に対応する微視的状態の数の対数としてエントロピーが捉えられ,不確定性を定量的に表す量という視点が誕生する.ボルツマン(L.Boltzmann) が導いたエントロピー 


                   




は,1948年に情報量としてシャノンが導入した量と同じ形であり,情報量を,不確定性の減少を表す量として捉える視点が誕生する.さらに,1958年にコルモゴロフは測度論的エントロピーを導入し,力学系の不変量としてのエントロピーはその後の力学系理論・エルゴード理論の発展,また統計力学の数学的理論の展開に大きな寄与をすることとなった.さらに,コルモゴロフは関数空間の大きさを測る量としてε(イ(エ)プシロン)エントロピーを導入し,また,晩年には,有限列に対するコルモゴロフの複雑度の概念も導入した.このように,エントロピーはさまざまな研究の動機付けにおいて大きな役割を果たしてきているが,数学としてはそれぞれ別の概念であり,とくに,熱力学のエントロピーとそれ以外のものはその性格が著しく異なることに留意するべきである.






  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画『東京家族』 (その16) 横尾忠則

2013年05月01日 | 映画『東京家族』
 『東京家族 劇場用プログラム』によると、横尾氏のアトリエで「Y字路」の作品をみた山田監督が、妻夫木聡が演じる「昌次」の家をY字路にしてみたらどうだろう、と直感されたところからはじまったのが、あの「東京」のひとつの場所だという事だ。


 横尾氏の画集『Y字路』には、目眩くような幻想の色彩を帯びながら、静かに記憶に佇むようなY字路の風景が、現出している。
 この画集を経過した私は、いつも通いなれた道に、「Y字路」が幻出する、新鮮な視覚を得た。



 「東京」の「昌次」の家へ行ってみた。               
















“The Y junction has two vanishing points.
Perhaps I was intrigued by the enigma
in the fact that there are those two points.

Y字路って消失点が二つある。
 その二点あることの
 謎めいたところに
 惹かれていったのかな。” 『Y字路』 横尾忠則



 ※ただ、この場所は当然ながら現実の東京であるので、車のナンバーなどは見えないようになってはいるが、洗濯物などが写ってしまったので、お住まいの方にお詫びを申し上げます。


 

 このブログの、2013.3.17 の記事に書いてあるように、“横尾忠則氏の原色が輝かしい鳥と男のポスターを、いつか私も部屋に貼っていた”。
 調べたら、「赤い襲撃」という絵だった。1987年の東京の個展でみたはずだ。もういちど、みたい。



 







「ミラーのY字路(笑)」






 次の記事は、いよいよ『珈琲時光』へ入ろうと思う。
 が、1987年の数年後、私の部屋だった場所には、もう一枚、三島由紀夫の「憂国忌」のポスターが増えた事を思い出した。
 あれはたしか、九段会館、白装束の男たちが、三島と森田を追悼する会に、私も行った。


 Y字路だけに、次の記事を、右に行くか、左に行くか……

 岐路である(笑)。
 
 




 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする