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映画『東京家族』について

 『ニーチェの馬』 

2013年12月20日 | 映画『東京家族』

  【登場人物】 老境にある馬引(うまひき)の男と、その娘。

  【時】    六日間




 まず、第三日目の言葉を追ってみる。
 この日は、第二日目に来た男の「警告」を受けた翌日、来訪者たちが現われる。
 その意味を理解しようとして、娘がたどたどしく聖書を読む。しかしその本文ではなく、冒頭に置かれた、その地の教会の前文のようだ。
 
 このシーンの言葉を、写してみる。
 例によって、対訳にしようと思ったが、ハンガリー語は少々難しい(笑)。

 その字幕部分である。




 ひとつ
 教会という聖なる場所で
 ただひとつ
 許されるのは
 神に対する
 畏敬の念を
 表す行為
 それだけである

 教会という場所の
 神聖さに
 そぐわない事柄は
 ことごとく
 禁じられている

 しかしながら
 聖なる教会の
 内部において
 間違ったことが
 行われた

 聖なる教会は
 踏みにじられ
 毎週こうして教会に集う信徒の名誉を
 著しく傷つけた

 そうした理由から
 教会では
 礼拝を行うことが
 できない
 
 いつの日かまた
 懺悔の儀式を経て
 これまで行われた
 いくつもの間違いが
 改められ
 正される時が
 来るまでは

 (音楽in)

 そうしてミサの執行司祭は
 集まった信徒らに
 こう告げた

 主はみなさんと
 共におられます
 朝はやがて
 夜に変わり
 夜はいつか終わりが来る





 ここで、ナレーションになるが、一日戻って、「警告」の言葉を追ってみよう。 (続く)
   

 





  

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速報!(笑) 山田監督の新作。 「久米宏 ラジオなんですけど」インタビューと、『ニーチェの馬』。

2013年12月20日 | 映画『東京家族』

 山田洋次監督の新作映画『小さいおうち』が、2014年1月25日に公開されるようである。


 映画などを観る前に私は、できるだけその情報を知らないようにしているのだが、上記のインタビューは聞いてしまった(笑)。
 「世界史」の大きな視点から立てられた問いは、素晴らしい。この番組を、原始的な方法で録音してあるので、これから紹介していく。



 なお、新作の公開日が決まった以上、当ブログの懸案である『ニーチェの馬』の記事も、大車輪で進めていく(笑)。




















 ―― あの日、雪は降らなかった


 ―― 降ったよ!

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 「田中秀征(3)」 

2013年12月14日 | 映画『東京家族』

 ※ 私はテレビを持っていないので知らなかったが、今年は、こんな奇妙な人形が流行ったそうである。



















 〔撮影場所〕 空港内レストラン そば処 船橋三番亭 (2013.12.13)




 お店の方に名前も聞いたが、覚えにくいので忘れてしまった(笑)。














 (青い表記が、今日、追加した記事である。)

 




 近い過去と、すこし遠い過去、現在の政治の惨状を理解するために。


①「田中秀征(序)」 (2013.12.6記, (映画『東京家族』18)へ転記)



 直接の始まりは、「政治改革」と「選挙制度改革」を混同した言葉のゆるさに起因するのではないか?


“政治改革法の成立とともに、細川政権の「政治改革政権」としての一義的使命は終わり、それによる求心力はほぼ消滅した。(中略)
 また、細川政権は、会期末の土壇場で、自民党と妥協して政治改革法案の成立を図った。これは瞬間的にせよ、反自民の枠を越え、大連立、挙国一致体制が現出したことを意味している。それまでかたくなに自民党に背を向けていた連立与党も、ここで初めて自民党と向き合い固い握手をかわすことになる。かくして細川政権の非自民、反自民の性格が一気に薄められ、それによる求心力も急速に弱まることになった。”


                『さきがけと政権交代』 田中秀征 (東洋経済新報社 1994年4月14日 発行)


 ここでまず、政治的課題がある度に言及される、「公債残高の累増」の表を見ると、


 http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/004.htm


 平成5年(1993年)の細川政権の後に、グラフの性格が一変している。


                                    

② 「田中秀征(1)」  (2013.12.8記,転記)



 細川非自民連立政権に参加しなかった共産党を一旦除いて考えると、これ以後の20年は、“大連立、挙国一致体制が現出した”時代であったとも言え、実質的な野党の消滅が、行政の暴走を招き、行きついたひとつの場所が、「2013.12.6」だった。

 後述するが、「さきがけの志」の大枠は正しかったと、今も私は考えているが、実際に現出したものは、立法機関の“死”であった。それは何故か?


 ここで、最近の田中氏の発言が、あるサイトで紹介されていたので、URLを貼っておく。



 
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201312/2013120400767  (時事ドットコム)





“衆院が小選挙区制になって、公認を得たい候補者が自由に物が言えなくなり、(自民)党の幅が狭まった。小選挙区制の行き着いた先と言える” 田中秀征



 「小選挙区制」とは何か? 何故導入されるに事に至ったのか?       (2013.12.8)




 
③ 「田中秀征(2)」  (2013.12.12記)


 “私(田中秀征)はどちらかと言えば、政治改革は、器より中身の問題、制度より人の問題と捉え、小選挙区制の導入には不熱心な方であった。小選挙区制より、中選挙区連記制とか衆議院全国区制の方が、政界により良い人材を集めることができると信じていた。
 この点については、宮沢さんも細川さんも同じような考えだったと私は思う。”


        『さきがけと政権交代』 田中秀征 (東洋経済新報社 1994年4月14日 発行)


 この本は、細川政権の直中、総理大臣特別補佐だった田中氏が、年末年始の4日間、南太平洋の船上で一気に書いたと言う。細川氏との出会い、宮沢政権末期から急転する政治状況と、政権交代に至る過程を、さきがけの視点から、率直に、嘘はなく書かれた本だと、私には読めた。
 「政治改革関連法」が成立した1994年1月、本書の後半では、

 “新しい選挙制度も、運用に気をつけなければ、それで政治が良くなる保証は何もない。まかり間違うと、さらに悪くなることもあり得るのだ。(中略)今回の新制度は、現在の国会で成立し得る最善の妥協案ということだろう。欠陥があれば、迷わずどんどん改正すれば良い。”


 とも書かれている。ここまで見えていたのに、何故さきがけは小選挙区制導入を主張したのか。
 その理由の前に、さきがけの政治理念と、田中氏の「大連立」の考え方を、まず、本書で確認しておきたい。     

                                      (2013.12.12)





④ 「田中秀征(3)」  (2013.12.13記) 


 前提として、1955年(昭和30年)の状況を、確認しておく。


 2/27 第27回総選挙 (民主185, 自由112, 左社89, 右社67)

 10/13 社会党統一

 11/15 自由民主党結成(保守合同、いわゆる55年体制の始まり)




 この時代を知らない若い世代の方の中には、何故自民党は、「自主独立」と「対米追従」という、正反対の相矛盾する基本政策を持つのかと、疑問に思う方もいるかもしれないが、その答えは、この年に、違うふたつの党が合同したからである。





 “いわゆる保守本流を自負する旧自由党系の戦争総括は正しい。それは現在(1994年)、宮沢喜一さんに代表されるものだ。冷戦の激化によって世界がまっ二つに分割され、それが昭和三十年の自社両党主軸の五五年体制の枠組となった。追放解除組が主導する旧民主党系が、冷戦の勢いを背景に自民党の路線を規定することになったため、以来、自民党内では戦争の明確な総括が困難となったのである。”
 
                   『さきがけと政権交代』 田中秀征 (東洋経済新報社 1994年4月14日 発行)
 

 そして、自民党の「政治」と「経済」の構造は、こう言える。


 “保守合同の際、旧自由党は経済、旧民主党系は政治に比重を置き、冷戦時代の経済発展下においては、標札と党是は旧民主党の主張を掲げ、それに触れずに成長路線の主役を演じてきたのが、池田勇人首相に代表される旧自由党系であった。”

                    『同上』




 では、1993年時点の宮沢政権は、何が問題であって、それをどう突破しようと、「理念」を掲げたのか? (続く)   (2013.12.13記)















 ※ 言い忘れたが、御蔭様で、無事飛行機のチケットは入手できた(笑)。 

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 「田中秀征(2)」 , 『イン・レイト・スタイル』

2013年12月12日 | 映画『東京家族』

※ 歳末である。飛行機のチケットが取れない(笑)。

 明日は、船橋三番瀬国際空港へ行って、キャンセル待ちの行列である(笑)。




 
 そこで今日は、前回の文章の続きを書く。③「田中秀征(2)」が、新しい部分である。



 近い過去と、すこし遠い過去、現在の政治の惨状を理解するために。

①「田中秀征(序)」 (2013.12.6記, (映画『東京家族』18)へ転記)



 直接の始まりは、「政治改革」と「選挙制度改革」を混同した言葉のゆるさに起因するのではないか?


“政治改革法の成立とともに、細川政権の「政治改革政権」としての一義的使命は終わり、それによる求心力はほぼ消滅した。(中略)
 また、細川政権は、会期末の土壇場で、自民党と妥協して政治改革法案の成立を図った。これは瞬間的にせよ、反自民の枠を越え、大連立、挙国一致体制が現出したことを意味している。それまでかたくなに自民党に背を向けていた連立与党も、ここで初めて自民党と向き合い固い握手をかわすことになる。かくして細川政権の非自民、反自民の性格が一気に薄められ、それによる求心力も急速に弱まることになった。”


                『さきがけと政権交代』 田中秀征 (東洋経済新報社 1994年4月14日 発行)


 ここでまず、政治的課題がある度に言及される、「公債残高の累増」の表を見ると、


 http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/004.htm


 平成5年(1993年)の細川政権の後に、グラフの性格が一変している。


                                    

② 「田中秀征(1)」  (2013.12.8記,転記)



 細川非自民連立政権に参加しなかった共産党を一旦除いて考えると、これ以後の20年は、“大連立、挙国一致体制が現出した”時代であったとも言え、実質的な野党の消滅が、行政の暴走を招き、行きついたひとつの場所が、「2013.12.6」だった。

 後述するが、「さきがけの志」の大枠は正しかったと、今も私は考えているが、実際に現出したものは、立法機関の“死”であった。それは何故か?


 ここで、最近の田中氏の発言が、あるサイトで紹介されていたので、URLを貼っておく。



 
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201312/2013120400767  (時事ドットコム)





“衆院が小選挙区制になって、公認を得たい候補者が自由に物が言えなくなり、(自民)党の幅が狭まった。小選挙区制の行き着いた先と言える” 田中秀征



 「小選挙区制」とは何か? 何故導入されるに事に至ったのか?       (2013.12.8)




 
③ 「田中秀征(2)」  (2013.12.12記)


 “私(田中秀征)はどちらかと言えば、政治改革は、器より中身の問題、制度より人の問題と捉え、小選挙区制の導入には不熱心な方であった。小選挙区制より、中選挙区連記制とか衆議院全国区制の方が、政界により良い人材を集めることができると信じていた。
 この点については、宮沢さんも細川さんも同じような考えだったと私は思う。”


        『さきがけと政権交代』 田中秀征 (東洋経済新報社 1994年4月14日 発行)


 この本は、細川政権の直中、総理大臣特別補佐だった田中氏が、年末年始の4日間、南太平洋の船上で一気に書いたと言う。細川氏との出会い、宮沢政権末期から急転する政治状況と、政権交代に至る過程を、さきがけの視点から、率直に、嘘はなく書かれた本だと、私には読めた。
 「政治改革関連法」が成立した1994年1月、本書の後半では、

 “新しい選挙制度も、運用に気をつけなければ、それで政治が良くなる保証は何もない。まかり間違うと、さらに悪くなることもあり得るのだ。(中略)今回の新制度は、現在の国会で成立し得る最善の妥協案ということだろう。欠陥があれば、迷わずどんどん改正すれば良い。”


 とも書かれている。ここまで見えていたのに、何故さきがけは小選挙区制導入を主張したのか。
 その理由の前に、さきがけの政治理念と、田中氏の「大連立」の考え方を、まず、本書で確認しておきたい。     

                                      (2013.12.12)

























  『晩年様式集 イン・レイト・スタイル p.332』 大江健三郎 「渡邊一夫画 ドン・キホーテ」





 “私は判型こそ違え、そのオリジナルはひとしくする(ギュスターヴ・ドレの挿画)、精巧な印刷の岩波文庫版『ドン・キホーテ』新訳を見付けていた。”   『同上 pp.109-114』











“――親爺さんがユダヤ系アメリカ人で母親が日本人、戸籍上は日本の名前に通じるNaomiなんだよ。”   『さようなら、私の本よ!』 大江健三郎 「第六章 ミシマ=フォン・ゾーン計画」

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 「近い過去と、すこし遠い過去、」

2013年12月08日 | 映画『東京家族』

 近い過去と、すこし遠い過去、現在の政治の惨状を理解するために。



①「田中秀征(序)」 (2013.12.6記, (映画『東京家族』18)へ転記)



 直接の始まりは、「政治改革」と「選挙制度改革」を混同した言葉のゆるさに起因するのではないか?


“政治改革法の成立とともに、細川政権の「政治改革政権」としての一義的使命は終わり、それによる求心力はほぼ消滅した。(中略)
 また、細川政権は、会期末の土壇場で、自民党と妥協して政治改革法案の成立を図った。これは瞬間的にせよ、反自民の枠を越え、大連立、挙国一致体制が現出したことを意味している。それまでかたくなに自民党に背を向けていた連立与党も、ここで初めて自民党と向き合い固い握手をかわすことになる。かくして細川政権の非自民、反自民の性格が一気に薄められ、それによる求心力も急速に弱まることになった。”


                『さきがけと政権交代』 田中秀征 (東洋経済新報社 1994年4月14日 発行)


 ここでまず、政治的課題がある度に言及される、「公債残高の累増」の表を見ると、


 http://www.mof.go.jp/tax_policy/summary/condition/004.htm


 平成5年(1993年)の細川政権の後に、グラフの性格が一変している。


                                    







② 「田中秀征(1)」  (2013.12.8記,転記)



 細川非自民連立政権に参加しなかった共産党を一旦除いて考えると、これ以後の20年は、“大連立、挙国一致体制が現出した”時代であったとも言え、実質的な野党の消滅が、行政の暴走を招き、行きついたひとつの場所が、「2013.12.6」だった。

 後述するが、「さきがけの志」の大枠は正しかったと、今も私は考えているが、実際に現出したものは、立法機関の“死”であった。それは何故か?


 ここで、最近の田中氏の発言が、あるサイトで紹介されていたので、URLを貼っておく。



 
 http://www.jiji.com/jc/zc?k=201312/2013120400767  (時事ドットコム)





“衆院が小選挙区制になって、公認を得たい候補者が自由に物が言えなくなり、(自民)党の幅が狭まった。小選挙区制の行き着いた先と言える” 田中秀征



 「小選挙区制」とは何か? 何故導入されるに事に至ったのか?       (2013.12.8) 


















 ここまで書いたところで、再びエチオピアへ行くことになった。

 その目的を以下に引用しておくが、今日本を離れるのは、後ろ髪を引かれる思いでもある。












   Over hill,over dale,
    Thorough bush,thorough brier,
   Over park,over pale,
    Thorough flood,thorough fire,
   I do wander every where,
   Swifter than the moonës sphere;
   And I serve the fairy queen,
   To dew her orbs upon the green.
   The cowslips tall her pensioners be,
   In their gold coats spots you see;
   Those be rubies,fairy favours,
   In their freckles live their savours.
I must go seek some dewdrops here,
And hang a pearl in every cowslip's ear.





                                           『研究社 シェイクスピア選集(2) 真夏の夜の夢』 大場建治
    
 




 





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