食欲の秋が近づいて来ました。美味しいものが多くて困りますね(笑) ところが、昨今よくニュースに出てくる「アニサキス」中毒症が気になります。寄生虫による食中毒ですが、生魚を食する機会があれば注意が必要と言われています。
【アニサキス症】食中毒激増!背景に2つの理由 サンマの季節も到来、気を付けておきたいこと
gooニュース
https://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/life/toyokeizai-612134
※以下、引用です。
最近、アニサキス症という言葉を聞くことが急増している。アニサキスという寄生虫が付着した食べものを摂ることで発症する食中毒の一種だが、いったいなぜ増えているのか。
アニサキス症について長年にわたり研究を続ける、国立感染症研究所(東京・新宿区)寄生動物部客員研究員で農学博士の杉山広さんに話を聞いた。
アニサキスはクジラやアザラシを終宿主(成体が寄生する宿主)とする。魚に寄生しているのは体長2〜3cmほどの細長い幼虫だ。
このアニサキスを原因とする食中毒、アニサキス症が厚生労働省の食中毒統計の病因物質に追加されたのが2012年末。2013年から2016年までの患者数(医療機関から保健所に届け出があった患者の数)は100人程度だったが、2018年以降は400人前後になっている。
ただ、「この患者数は氷山の一角で、実際はもっと多い」と杉山さんは言う。同氏が2005年から2011年のレセプト(医療機関の診療報酬明細書)をもとに患者数を調べたところ、その当時でも患者数は毎年7000人以上いたという。
(グラフ:杉山さん提供)
「今はおそらく1.5万〜2万人ほどになるのではないでしょうか」と杉山さんは推測する。
日本では、もともと生で魚を食べる文化がある。なぜ急にアニサキス食中毒が増えたのか。杉山さんによると、その要因は大きく2つあるそうだ。
新鮮なサンマを日本各地で食べられるように
その1つは高速道路網など輸送の整備だ。
「例えばサンマ。多くは釧路や厚岸で漁獲された後、トラックで運ばれ、苫小牧の港からフェリーで関東に届きます。高速道路ができて北海道内の運送時間が早まった結果、遠隔地でも鮮度の高いサンマが生で食べられるようになった。結果的にサンマを原因とするアニサキス症が増えたのです」
もう1つは、アニサキス症にかかったタレントがSNSで自身の症状などを発信するようになった点だ。
これにより多くの人にアニサキス症という病気の存在が知られるようになり、医療機関を受診する人たちが増えたという。もちろん、ガマンせずに医療機関を受診するのは悪いことではない。
このほかにも、気候変動の影響などでアニサキスが宿主となる魚が日本近海で増えているという説もあるが、まだこれについては明確なデータがないため、はっきりしていないそうだ。
では、アニサキス症にかかると、どんな症状が出るのだろうか。今回は患者数が圧倒的に多い胃に寄生したケース(胃アニサキス症)について解説してもらった。
「まず、原因となる魚介類を生で食べた1時間〜2日後に激しいみぞおちの痛み、吐き気、嘔吐が現れます。そのタイミングで病院を受診して胃カメラで胃の中を観察すると、粘膜に白い糸くずのような幼虫が突き刺さっているのが確認されます」(杉山さん)
この検査は治療も兼ねていて、そこでアニサキスの幼虫が見つかれば、胃カメラの先についているピンセットのような道具でつまんで取り出す。これにより多くは症状が改善する。
一方、医療機関を受診しない場合でも数日でアニサキスは抜け落ちて死滅するため、痛みは徐々に治まっていくそうだ。
アニサキスに対するアレルギーも
「さらに最近になって、胃痛などの症状はアニサキスに対するアレルギーで生じることもわかってきました。この場合アニサキスを除去してもしばらくアレルギー反応が残るので、痛みが続くことがあります」(杉山さん)
いずれにせよ、アニサキス症もほかの食中毒と同様、予防が大事だ。アニサキスの卵はクジラやアザラシなどの終宿主から排出され、その卵を食べた中間宿主であるオキアミで孵化して幼虫に発育し、そのオキアミを食べた待機宿主に幼虫が蓄積する。
「この待機宿主となっているのが、サバやアジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどです。アニサキスはこれらの内臓や筋肉に棲んでいます。漁獲後に内臓から筋肉へと侵入する幼虫もいます」
こうした基礎知識を踏まえて、杉山さんは以下の予防策を挙げる(なお、これらの対策は食中毒のアニサキス症を防ぐ方法になる。アニサキスアレルギーは接触を防ぐなど、より厳密な注意をしないと、完全には予防できない)。
①内臓は生で食べない
先に挙げた魚介類の内臓にはアニサキスがいる。時間とともに筋肉に侵入することがあるため、内臓に寄生がある魚を購入したときは、できるだけ早く内臓を取り除く。
内臓という意味では、生のたらこや白子もリスクがある。食べる場合は、必ず生食用のものを購入して早めに食べ切る。明太子や塩辛、いくら、筋子などは加工品なのでアニサキス症のリスクは低い。
「意外と問題になるのは、ご自身で釣った魚です。釣った魚はすぐに内臓を取り除いて水洗いし、アイスボックスに入れて保管しましょう」(杉山さん)
②加熱する
加熱して食べる場合は、70℃以上、または60℃で1分が目安。生焼けだとリスクがあるので、中心までしっかり火を通す。
③冷凍する
マイナス20℃で24時間以上冷凍する。大事なのは中心までしっかり凍らせること。日本産業規格(JIS)では冷蔵庫の冷凍室の温度はマイナス18℃と定められている。アニサキス対策をする場合は、設定温度を下げて、しっかり冷凍させよう。
よく噛むことでリスクの軽減も
④包丁で細かく刻む・しっかり噛む
万が一、アニサキスが混ざっていても、なめろう(魚をみそや香味野菜と一緒に叩いた料理)のように包丁で細かくしたり、よく噛んだりすれば、リスクは軽減できるようだ。
「アニサキスは切断されても、ある程度は生きていることがわかっています。ただし動きは鈍るので、対策にはなると思います。しっかり噛むといった場合、“何回噛めばいいか”とよく聞かれますが、検証されていないので答えようがありません」(杉山さん)
⑤養殖魚を選ぶ
昨今、サバなどでは養殖ものが増えている。養殖の場合、基本的にはエサや生息環境がコントロールされているので、アニサキスに感染しにくい。ただ、これも注意が必要だ。
「海洋で養殖されている魚の場合、小さなオキアミなどは外から入ってくる可能性があり、魚に感染するリスクはゼロではありません。養殖魚を選ぶ場合は、滅菌海水やろ過海水を用いた陸上養殖で、かつエサは人工種苗を用いたものが万全です」(杉山さん)
⑥よく見て食べる
アニサキスは幼虫でも体長2〜3cm、太さ0.5mmほどのサイズなので、表面にいれば肉眼でも確認が可能だ。青魚の刺身などを食べるときは周りに白い糸状のものがついていないか(とぐろを巻いていることもある!)、よく見てから食べるようにしよう。
酢やワサビなどの調味料や香辛料などではアニサキスは死なないので、酢締め(しめサバなど)だからといって安心はできない。実際、冒頭の食中毒統計の速報(2022年)を見ると、刺身だけでなく、サバの押し寿司やしめサバでも感染していた。
アニサキス症が増える秋は要注意
秋はサンマが美味しい季節だ。アニサキス症が増える時期として、これからのシーズン(9〜10月以降)も注意したほうがいい。
最後に杉山さんはこうアドバイスする。
「アニサキスはほかの食中毒と違い、鮮度はあまり関係ありませんし、地産地消だから安心というわけではありません。ただ、最近はスーパーや鮮魚店、生魚を扱う飲食店はアニサキスにものすごく注意を払っています。気を付けながらも、旬の魚介類の刺身や寿司を楽しんでいただければと思います。注意して食べているので、私は感染したことはありません」
(執筆:編集部・山内リカ)
予防法は色々言われてきた通りで、肉眼で見える大きさなのでよく見るというのが最も大事と言えそうです。
ところで、昨今アニサキス中毒症が増加している最も重要な理由が書かれていません。それほど世界に忖度する必要はないと思うのですが(苦笑)
「アニサキスはクジラやアザラシを終宿主」とすると書かれているように、終宿主の体内で成虫となり産卵します。この終宿主、特にクジラが増え過ぎていることが、アニサキス症急造の一番の原因とされています。その増え過ぎるクジラの根本的な要因が、世界的な捕鯨禁止の流れにあるのも、皆さんのご承知の通りです。海洋生物の生態系を破壊してしまうほどのクジラの増加に関しては、ニュースにもなりません。捕鯨に反対する人々は、捕鯨そのものに反対するのであって、生態系の破壊に関しては何も言及しません。
<アニサキスの生活環>
出典:https://office-purej.com/info/anisakis-food-poisoning/
アニサキスはヒトの体内では成長しませんし、長く生きることもできません。その為、時間が経過すると死滅して排出されます。アニサキス症があまり表面化しなかった理由がそこにあります。
ただ、現状の増加傾向はアニサキスそのものが増えているからに他なりません。
大洋漁業所有の捕鯨船(第十七文丸:647トン)の模型 (1970年まで操業) 海事記念館所蔵
出典:http://edu.town.akkeshi.hokkaido.jp/kaiji/m_list/1093/
そこで、根本的な対策として捕鯨復活をあげたいと思うのですが、はたして賛同を得られるでしょうか? 今の若い方は鯨を食する文化がありませんからね。
我々の小学生の頃は、捕鯨そのものが奨励され、捕鯨に関する開発などは美談として教科書にも載っていました。捕鯨そのものが日本の文化でもあったのですが、グローバリストたちが幅を利かせてしまった今では、口にすることすら憚られるという寂しい実態です。
鯨は給食でもご馳走だったのにね。これだけ増えたのなら資源を有効に活用しても問題ないだろう。昨今は、それがマグロに飛び火して、日本人には寂しい現実が増えつつあります。
話が、大きく横道で迷子状態ですので、結論を申します。皆さん、アニサキスは肉眼で見て、食べないように排除しましょう。何だか動いている白い糸を見たら、それを排除して食べるようにしましょうね。
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