ニュースなはなし

気になるニュースをとりあげます

守護神”失脚で安倍官邸崩壊 河井前法相捜査で迫る退陣「Xデー

2020年06月18日 23時07分35秒 | 政治のこと

安倍一強”の政治が、音を立てて崩れ始めた。 【写真】河井夫妻の疑惑で政界ルートのカギを握るのは?

 安倍政権が過去の法解釈を閣議決定で変更してまで定年を延長させた黒川弘務・東京高検検事長が5月21日、辞表を提出した。週刊文春が報じた緊急事態宣言下での「賭け麻雀」を本人が認めたためだ。  

黒川氏が同誌の取材を受けたのは、検察庁法改正案の今国会での成立見送りが決まる前日の17日。永田町では「スキャンダルが出るから強行採決をやめた」との臆測が広がる。自民党幹部がこう語る。 「黒川さんは辞任が遅すぎた。これまで安倍政権に仕えてきたから慢心があったのだろう。安倍首相も菅義偉官房長官も、人を見る目がなかったということだ」  


ただし、黒川氏が辞任しただけで一件落着とはいかない。現職の官僚からもこんな怒りの声が出ている。 「検察は過去には財務省職員などの公務員も容赦なく立件してきた。賭け麻雀は犯罪。黒川氏を立件しないと身内をえこひいきしていることになる」  

影響は他にもある。現在、安倍首相と近い関係にある河井克行前法務相と妻の案里参院議員に関する公職選挙法違反事件の捜査を、広島地検が進めている。東京地検特捜部も応援に入るなど異例の布陣。「官邸の守護神」と言われた黒川氏を失ったことは、安倍政権にとって大きな痛手だ。  


連立政権を組む公明党も無傷ではいられない。  

案里氏は昨年の参院選広島選挙区で、改選2議席を独占するため、当時の現職・溝手顕正氏に次ぐ候補として出馬した。溝手氏は安倍首相との不仲が知られ、案里氏擁立は官邸主導の「溝手おろし」と言われた。  


ただ、溝手氏は公明党との関係が良好で、案里氏の当選は難しいと思われていた。それが、官邸の介入で一変した。溝手氏と親しい元自民党議員はこう言う。 「公明は2人に推薦を出したが、選挙中に創価学会幹部が広島に応援に入り、学会が案里氏支援に動いた。当時、兵庫選挙区で公明党議員が苦戦していたので、自民が兵庫で公明を応援することと“バーター”した。官邸が無茶をやるから、こんな事件が起きるんだ」


結果は案里氏が2番手で当選する一方、溝手氏は僅差で落選。溝手氏の得票数は、前回選挙から半減した。  この異例の選挙戦を舞台に起きたのが、今回問われている選挙違反疑惑。党から支給された案里氏への選挙費用は1億5千万円で、溝手氏への支援である1500万円の10倍だ。元検察幹部は、「党から支出された1億5千万円に検察が切り込むかが次の焦点だ」と捜査の進展に期待する。  

コロナ対策の迷走に加え、側近に迫る捜査、そして今回の“黒川ショック”。毎日新聞の調査では、内閣支持率が前回調査の40%から27%に急落した。自民党議員がこう話す。 「安倍首相は、桜を見る会の問題で刑事告発されている。黒川氏がいなくなり、内心びくびくしているだろう。それでも安倍首相をかばう人はほとんどいない」  

それもそのはず、現在の状況は、2006年に発足した第1次安倍政権末期と似てきた。  当時も、消えた年金問題や“お友達”で固めた閣僚のスキャンダルが相次ぎ、官邸の求心力が低下。「官邸崩壊」と言われ、07年の参院選で敗北した後、安倍首相は辞任に追い込まれた。  

検察庁法改正案を取り下げた経緯からも、政権の弱体化が透けて見える。 「安倍官邸は当初、強気で強行採決も辞さない構えだったが、二階(俊博)さんが公明党と先送りの方向で話をつけ、それを官邸の菅氏に伝えた。外堀を埋められ、安倍首相はあきらめたようだ。もうモチベーションを保てないのでは。石破(茂・元幹事長)氏の周辺なんて、がぜん元気になった。首相周辺でも、新型コロナ対策で顔が売れた西村(康稔・経済再生相)氏を、首相の出身派閥の清和会から次の総裁選に出せばいいという話が平然と聞こえてくる」(前出の自民党幹部)  これまで政権を支えてきた菅氏だが、ここに来て安倍首相との不仲が決定的になったという。自民党ベテラン議員はこう見る。 「安倍首相と菅氏の亀裂はより深まる一方、二階氏と菅氏の近さが明確になった。菅氏が二階氏の後押しで、ポスト安倍を狙うということもあり得る」  


最近では自民党の国会議員が2人寄れば、「安倍さんの次は」という話題になるという。ジャーナリストの田中良紹氏は言う。 「安倍政権はすでに“死に体”。それでも、与党がコロナ危機の中で首相を引きずり下ろすことはないでしょう。第1次政権の時のように、安倍首相が自ら辞めるように手を打つ。それが自民党のやり方です」 (本誌・西岡千史/今西憲之) ※週刊朝日2020年6月5日号


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

河井氏側に1億5000万円 石破元幹事長「説明できぬ使い方は許されない

2020年06月18日 19時25分31秒 | 政治のこと
河井氏側に1億5000万円 石破元幹事長「説明できぬ使い方は許されない

▽10倍の差、一存でできぬ
 自民党の河井克行前法相(広島3区)の妻案里氏(参院広島)が初当選した昨夏の参院選の公示前、党本部から夫妻の党支部に入金された1億5千万円について、関係者は口を閉ざしたままだ。かつて幹事長として選挙実務を担った石破茂氏(鳥取1区)は「納税者や党員に説明できない金の使い方は許されない」と指摘する。事件によってあらわになった問題点や同党の資金支援の仕組みなどを聞いた。(下久保聖司)

 ―参院選広島選挙区を舞台にした公選法違反事件を、どう見ていますか。
 秘書が起訴された段階で断定的なことは言えない。明らかなのは新人の案里氏に対する党本部の応援が、落選した現職の溝手顕正氏に比べて手厚かったことだ。私も多くの選挙を見てきたが、物心ともに今までにない態勢だった。

 昨年の参院選で自民党は秋田や新潟、滋賀などで議席を失った。その中で案里氏にここまで肩入れしたのが正しかったのか。党は検証するべきだろう。
 ―安倍晋三首相(総裁)の下で2012年から2年間、幹事長を務められました。選挙の資金支援で10倍の差をつけたことがありますか。

 ない。10倍の差は幹事長の一存ではできない。「なぜあの人だけ」と党内に不満が充満し、統制が効かなくなる。二階俊博幹事長ほどの老練な政治家がそんな判断をするかな。そうするともっと上か、推測だが。

 ―資金の分配はどのように決めるのですか。
 自民党の選挙調査は非常に精密で年代別や男女別、地域や職業、支持政党別に実施する。候補者の優劣評価はAからDまであり、例えばAなら「Aプラス」「A」「Aマイナス」まで判定する。それに基づき効率的に金を分配し、応援態勢を敷く。
 ―10倍とは言わないまでも差を付けるのですか。

 多少の差は当然つける。当落のボーダーラインの人には特に。ただ倍までにはならない。

 ―安倍首相は党本部からの資金の支出について「全て党執行部に任せている」と国会で述べて関与を否定しました。
 だったら、なぜ案里氏の応援に秘書が山口県から入ったのか。首相の許可なしで秘書がやるのか。それなら、すごい事務所だ。


 ―検察当局は1億5千万円の一部が、買収に使われたと見ています。
 わが党の会計は(税金から支出される)政党交付金と党員からいただく党費で成り立つ。党費は市町村ごとや小学校区の支部長が自分の足で歩いて集める。
 私は鳥取県連会長。党員から「俺たちの金をああいうふうに使っていたのか」「もう払いたくない」と言われる。最前線で党のために尽くしている人々に申し訳ない。納税者や党員に説明できる金の使い方をしないといかんのだ。


 ―河井夫妻は首相と近い一方、溝手氏は首相との確執が伝えられました。
 首相に物申せばポストや金がもらえず、政権に近いと10倍の金が入るとなれば、なびく人もいるでしょう。私に「後ろから弓を引くな」と怒る人もいるが、言いたいことが言えないなら何のために政治家になったのか分からない。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

河井前法相夫妻を逮捕、検察当局 昨夏参院選で買収容疑

2020年06月18日 15時24分49秒 | 事件と事故
河井前法相夫妻を逮捕、検察当局 昨夏参院選で買収容疑

昨年7月の参院選広島選挙区を巡り、票の取りまとめなどを依頼する趣旨で地元県議らに現金を配ったとして、検察当局は18日、公選法違反(買収)の疑いで、前法相の衆院議員河井克行容疑者(57)=広島3区=と妻の参院議員案里容疑者(46)を逮捕した。現職国会議員夫婦の逮捕は初めてとみられる。  

克行容疑者は首相補佐官を務めるなど安倍晋三首相に近く、案里容疑者の参院選出馬は官邸、自民党本部が主導した。夫妻が同時に刑事責任を問われる事態となり、安倍政権への打撃は必至だ。  

参院選では党本部が夫妻側に1億5千万円を提供。検察当局は使途や夫妻間の買収共謀の有無も慎重に調べる。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

刑法 第39条の壁>小説を盗まれた」 京アニ事件、男の供述が捜査や裁判に与える重要な意味とは?

2020年06月18日 13時15分31秒 | 事件と事故
京都アニメーションでの放火殺人などの容疑で逮捕された男。事件直後から一貫して京アニに「小説を盗まれた」と供述しているという。その重要な意味とは――。 
真偽の見極めを要する
 男が実際にこうした供述をしているのであれば、その真偽について、徹底した裏付け捜査を要する。 

 男が犯人であることに争いはなく、あらかじめ大量のガソリンなどを用意し、現場にまいて火をつけるといった犯行態様などから、殺意や計画性は明らかだ。 
 36人死亡、33人重軽傷という重大な結果を踏まえると、検察が起訴した場合、求刑は死刑になるだろう。 

 一方、刑法には次のような規定がある。 

刑法 第39条
「心神喪失者の行為は、罰しない」 
「心神耗弱者の行為は、その刑を減軽する」 
「死刑を減軽するときは、無期の懲役若しくは禁錮又は10年以上の懲役若しくは禁錮とする」 
 心神喪失は精神の障害により善悪の判断能力やその判断にしたがって行動する能力が失われている状態を、心神耗弱はそうした能力が著しく減退している状態をいう。 

 男が心神喪失であれば起訴できないし、起訴しても無罪となる。心神耗弱だと起訴して死刑相当であっても必ず無期懲役どまりとなる。 
 それが法律の定めるルールだ。 

 2015年に熊谷で女児ら6人を次々と殺害したペルー人の男も、控訴審が心神耗弱を認定し、一審の死刑判決を破棄して無期懲役としている。検察側が上告を断念したから、もはや死刑はありえない。 

最大の争点は責任能力
 京アニ事件の男も、次のような話が報じられており、捜査や裁判では責任能力の有無や程度が最大の争点になるはずだ。 
● 茨城県のアパートで生活するようになった2008年ころから、部屋の壁を何度もたたくなど近隣住民とトラブル。 
● そのアパートの壁にはハンマーでたたいてあけたとみられる直径20センチほどの穴が二つあり、室内も画面の割れたノートパソコンなどが散乱。 

● 2012年にコンビニ強盗事件を起こし、実刑判決を受けて服役したが、刑務所で刑務官への暴言や騒音問題を繰り返して懲罰10回超、幻聴や自殺未遂もあり、精神疾患と診断。 

● 2016年に出所後、さいたま市のアパートに移り住み、訪問看護などの支援を受けつつ精神科クリニックに通っていたが、事件の2か月前ころから通院・服薬を中断。 
● 大音量で音楽を流し、警察がしばしば駆けつけるようになる。 
● 事件の4日前には大きな叫び声を出し、隣室の玄関をたたき、不審に思って部屋を訪ねてきた隣人の胸ぐらをつかみ、髪を引っ張り、「黙れ、殺すぞ」「余裕ねえんだ」とすごむ。 
● その翌日、男は新幹線で京都に向かった。 
● 室内には物が散乱し、1メートル超の大型スピーカーもたたき壊されていた。 

妄想か否か

 この点、動機が了解可能なものか否かは、責任能力の有無や程度を判断するうえで重要な要素の一つとなっている。 

 事件直後には、男が京アニの小説コンテストに応募した事実などないといった報道もみられた。 
 これでは、男の「完全なる妄想」に基づく犯行ということになるから、責任能力が危うくなってくる。 

 その後の捜査により、男と同姓同名の人物がいくつかのコンテストに応募しており、ことごとく落選したといった事実が判明した。 
 京アニ側の説明によると、応募作品には形式面に不備があり、1次審査を通過していないため、内容を審査する以前にふるい落とされており、そもそも京アニ関係者の目に触れていないとのことだ。 

 応募した作品が男のもので間違いないのであれば、妄想ではなく、何らかの事情によって強い思い込みを抱き、京アニへの恨みにつながったという可能性が出てくる。 
 男としては、どの作品が京アニのどの作品にどのような形で盗作されたと言いたいのか、また、それに対して事件前に京アニ側にいかなる行動をし、関係者のだれからどのような対応をされたのか、このあたりが事件の鍵となるだろう。 
精神鑑定の基礎資料となる

 男は逮捕を経て大阪拘置所に勾留中だ。勾留の延長も見込まれる。 
 検察側は起訴前のいずれかの段階で裁判所に鑑定留置を求め、少なくとも数か月程度の時間をかけ、精神科医ら専門家による精神鑑定を実施するのではないか。 
 刑法犯で検挙された者のうち精神障害やその疑いがある者が占める比率はわずか1.4~1.8%ほどだが、殺人だと12~13%、放火になると17~20%と比較的高いことから、これらの事件では特に注意を要する。 

 そうなると、鑑定を依頼された精神科医らは、男と面会し、問診や検査、心理テストなどを実施することになる。 
 それとともに、男やその家族、友人、知人、隣人らの供述調書、通院していた精神科主治医らの供述調書やカルテ、前の強盗事件における供述調書、受刑中の生活記録などを分析し、生育歴、日ごろの生活態度や言動、犯行に至った経緯・状況、犯行後の行動などを踏まえ、鑑定を下すことになる。 

 起訴された場合、改めて弁護側からも再鑑定の請求があるだろう。 
 正確な精神鑑定を行うためにも、捜査段階における男の供述の見極めが重要な意味をもつというわけだ。(了)


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

WHO、抗マラリア薬クロロキンの治験停止 死亡率下がらず

2020年06月18日 12時07分31秒 | 医学と生物学の研究のこと
【ジュネーブ共同】世界保健機関(WHO)は17日、新型コロナウイルス感染症の治療に効果があるかどうかを調べる臨床試験(治験)で、抗マラリア薬のヒドロキシクロロキンを今後は使用しないと発表した。入院患者に投与しても死亡率が下がらなかったためとしている。  


抗マラリア薬を巡っては、米食品医薬品局(FDA)も15日、死亡率の低下や早期回復につながる証拠は得られなかったとして、新型コロナ治療に使えるよう出していた緊急使用許可を撤回していた。  WHOは、死亡率や不整脈が増加する可能性が高いと報告する論文が英医学誌に掲載されたことを受け、5月25日に治験を中断した。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする