感染拡大でエコバッグ禁止?これまでの習慣が見直される可能性も
コロナウイルスの感染拡大によって、これまで当たり前だった慣習がリスク要因になるケースが増えています。今回の感染が終息した後も、同じような事態が発生する可能性が高いと指摘する専門家は少なくありません。コロナ終息後は一部の習慣には見直しの動きが出てくるかもしれません。
エコバッグのイメージ(写真:GYRO PHOTOGRAPHY/アフロイメージマート)
4・1・2020
繰り返し使うエコバッグ、ウイルス付着か
今回の感染拡大を受けて、米国の食品スーパーではエコバッグを禁止し、ペーパーバッグに切り替えるところが出てきました。繰り返し使用するエコバッグの表面にウイルスが付着し、感染を拡大させるというのがその理由です。
これまで地球環境問題を重視するという観点からプラスチック製の袋を禁止する動きが全世界に拡大しており、日本でも一部の小売店ではレジ袋を有料化する試みが行われています。米国では環境問題への関心が高く、多くの人がスーパーでの買い物にエコバッグを使っていました。ところが、今回のような危機が発生した場合には、何度も繰り返し使用するエコバッグが逆にリスク要因になってしまったわけです。
私たちが日常的に使用する紙幣も同様です。実は紙幣というのは、身の回りにある品物の中ではもっとも汚い部類に入ると言われており、表面に付着している菌やウイルスは便器並みであるとの指摘もあります。指を舐めてお札を数える人も多いですから、紙幣を媒介にして感染が拡大するリスクは否定できません。感染拡大防止という点では圧倒的にキャッシュレスに軍配が上がるでしょう。
もし、ウイルスの感染が今回限りということであれば、終息後に元に戻せばよいわけですが、そうはいかない理由があります。多くの感染症専門家が、ウイルスの感染拡大は今後も繰り返し発生する可能性が高いと予測しているからです。感染症は基本的に人やモノの行き来が活発であるほど拡大しやすくなります。今の時代は、グローバルに人やモノが往来していますが、地球規模で人やモノが大量に移動するというのは、人類の歴史上、経験がありません。そうなると、近い将来、別のウイルスによる集団感染が発生した場合、今回と同様、大規模な感染拡大につながる可能性が高いわけです。
私たち現代人は、ウイルスの大規模感染がないことを前提に社会システムを組み立ててきましたが、これからはその常識を一旦捨てる必要があるかもしれません。これまで当然だった社会慣習もウイルスを前提にすると逆効果になるという話はまだまだ出てきそうです。
(The Capital Tribune Japan)