一般の人の接種時期は『年内でもどうか』というレベル」辛坊治郎が見通しの立たないワクチン輸入による影響を指摘
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キャスターの辛坊治郎氏が2月25日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。今後の見通しが立たない日本への新型コロナのワクチンの輸入と、今後の接種スケジュールについて分析し、影響について指摘を行った。
医療関係者は470万人だが、3月に確保できているのは117万人分
大阪で新型コロナワクチン接種開始 ワクチン接種を受ける医療従事者=2021年2月19日午後1時4分、大阪市中央区の大阪医療センター 写真提供:産経新聞社
新型コロナウイルスのワクチン接種について、菅総理大臣は24日に、65歳以上の高齢者は4月12日から接種を開始すると表明した。しかし当初はワクチン数が限られるため、本格化するのは26日以降となる見通しだ。
辛坊)さて新型コロナワクチンのこの接種問題ですけれども、基本的にいろいろなことがわかってきました。私だけじゃありませんけれど、ある程度わかっている人はみんな懸念していたことがやはり現実の問題として出てきました。それは副作用でもなく、打つための医療体制でもなく、
何かというと、そもそも1億2500万人の日本国民、子どもは打ちませんから1億人として、1億人に短期で打つほどのスピードでファイザーのワクチンが日本国内に入ってくるのか、という話なのです。これが、案の定と言うべきか…… 1番最初にずっと報道されていた話で言います。
3月末までに医療関係者、当初は370万人で、希望者が増えたというのでいま470万人と言われていますけれども打ち終わって、4月から4・5・6の3ヵ月で3600万人の高齢者に打って、タイミング的には「7月以降」とは言われていませんけれど、次は7月ですよね。それ以降に一般の人の接種が始まると。
増山)はい。
辛坊)これが散々報道されていましたが、現実に明らかになってきました。一部の週刊誌等々で先々週くらいに「もうワクチンなんか何十万人分しか入ってこないんだ」という報道がありました。これは完全にデマだったというのが明らかになりつつありますが。さはさりながら、どのくらいの量が確保できているのかという話です。
3月にワクチンが2000箱届くという見通しを河野大臣は明らかにしました。3月に2000箱。2000箱のなかにどれだけのワクチンが入っているかというと、234万回分。そして1人に2回打つとすると、3月に届く2000箱で打てるのは117万人なのですよ。
増山)うんうん。
辛坊)打たなければいけない医療関係者は470万人です。3月に確保できているのは117万人分ですから。全然足りないわけですよ。
増山)ええ。
いまの輸入スピードでは、一般の人は「年内でもどうか」というレベル
グループインタビューに臨む河野太郎行政改革担当相=2020年10月1日午後、東京・永田町 写真提供:産経新聞社
辛坊)従来の報道で言うと、3月末までに医療関係者打ち終わって、4月以降は高齢者に打ち始めます。ところが政府としては、4月以降高齢者に打つとみんな思い込んでいるわけですから、「4月以降に高齢者には打てません」という言い方をすると、
公約違反だと大騒ぎになりますよね、当然。どういう作戦を立てたかというと、ぬるっと「高齢者には4月12日から打ち始めます」と。
そうするとなんとなく、いままでの公約に合っているような感じがするではないですか。
増山)ええ、ええ。
辛坊)だけど、「あれ? 3月末までに100万人分しか確保できないのに、医療関係者だけで470万人もいるのに、医療関係者が打ち終わらないじゃない」と、こう思いますよね。そのあたりはどう言っているかというと、
「4月には医療関係者と高齢者を平行して打ちます」と。あぁ、そういう逃げか! と。
で、4月以降にどのくらい入ってくるかという見通しは立っていないのですよね。 誰かの責任だと言ってここであげつらうつもりはありません。
しかし、いまラジオをお聞きの皆さんや新聞を毎日お読みの皆さんは、散々報道されているスケジュールで、そのタイミングで自分のところにワクチンが回ってくるだろうなと思っている人が大方だと思いますけれど、
現状入ってきているワクチンの輸入のスピードから言うと、とてもじゃないけれど、一般の人に回ってくるのは「年内でもどうか」というレベルですね、むしろ。