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結婚しない選択をしただけで貧困に陥る」女性が自分ひとり養えない日本社会の罪深さ

2021年12月23日 21時00分52秒 | 雇用と職のこと



就職氷河期に就活をしたロスジェネ世代の中には、非正規雇用などで収入が不安定なまま歳を重ねている女性も少なくありません。ジェンダー問題の研究者である田中俊之さんは「今は未婚化や晩婚化も進んでいますから、男だから女だからではなく、一人ひとりが自分で自分を養えるだけの収入を得られる社会にしていかなければなりません」といいます──。 

12/14/2021

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 ■今から正社員になっても間に合わない  

10月に朝日新聞デジタルから配信された「ロスジェネ単身女性の老後 半数以上が生活保護レベル 自助手遅れ」(2021年10月14日)という記事は、非常に衝撃的な内容でした。記事によれば、現在40~50歳ぐらいのロスジェネ世代の独身女性は、その大半が老後に貧困化するというのです。 

 ここで言う「独身」には、未婚の女性も夫と離別した女性も含まれます。いずれであっても、現段階での仕事が非正規雇用の場合、たとえ今から正社員になったとしても貧困化は防げないという、かなり絶望的な話でした。

  そもそも結婚や再婚をするかどうかは個人の自由なのに、女性の場合は「しない」を選択しただけで老後の生活に困ることになるわけです。これは非常に大きな問題だと思いました。 

 現状は働く女性の約半数が非正規雇用で、男女の賃金格差も依然として大きいままです。独身女性の貧困化を防ぐには、これらを早急に改善する必要があるのではないでしょうか。 


■男性に高年収を払える企業は少ない  

しかし、こうした問題に無頓着な男性は少なくありません。先日は福島県相馬市の立谷秀清市長が、少子化問題について「女性に悪いけど、男性の所得を上げていかないと人口問題は解消しない」「男性の年収と婚姻率は面白いように比例する」などと発言しました。男性の年収アップこそが結婚や出産につながるのだという意味合いでしょう。 

 この意見はいろいろな前提が間違っていると思います。今の日本で、家族を養えるだけの給料を男性社員全員に払える会社がどれだけあるか。日本の平均賃金は世界的に見て低いと言われており、今では韓国にも大きく負けています。

■「大黒柱=男性」の呪縛は邪魔なだけ  

子どもを多く生み育てようとすれば、夫婦が共に働いて家計を支えるしかないわけですが、男性が「働けば少なくとも自分が食べていく分だけは稼げる」可能性が高いのに対して、女性にはそうではない人が多くいます。働き続けても非正規雇用のままである場合も多く、その賃金では自分で自分を養い続けることすら難しいのです。 

 これは、日本が「大黒柱=男性」を前提とする社会であるからにほかなりません。人はいずれ結婚して、男性は働き女性はそのサポートをするものだ──。


立谷市長の発言は、こうした昔ながらの家族像がいまだに根強い呪縛として残っていることを痛感させるものでした。 

 今は未婚化や晩婚化も進んでいますから、「男だから」「女だから」ではなく、一人ひとりが自分で自分を養えるだけの収入を得られる社会にしていかなければなりません。その意味では、昔ながらの家族像の呪縛は邪魔になるだけです。これを解かなければ、独身女性の老後貧困問題も男女の賃金格差問題も解消しないのではと思います。

 ■独身が問題なのではなく、独身では食べていけないことが問題 

 しかし、家族像に対する呪縛は男女ともにあるものです。僕の知人の女性も、つい先日「うちの長女は40代なのにまだ独身で……」と気まずそうに話していました。今は未婚の人も増えていて全然珍しいことではないのに、まだまだ「独身=困りごと」と捉えている人が多いように感じます。

  困るのは独身であることではないのです。問題は、独身であるがゆえに食べていけないこと、そしてそうした環境が特に女性に対していまだに続いていることなのです。 

 とりわけロスジェネ世代の独身女性には、働けば自分で自分を養えるという環境に入れないまま歳を重ねてきてしまった人が多くいます。非正規雇用のまま40代を超えると、何らかのスキルがない限り、どこかの企業に正社員として雇われるのは難しいものです。今の自由市場の中では彼女たちを救うのは難しく、老後貧困問題は今後もますます深刻化していくでしょう。





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《北新地ビル放火》「真面目で職人気質で寡黙。でもカチンとくると顔を真っ赤にして…」実兄と元雇用主が証言する“放火容疑者”の正体

2021年12月23日 19時03分50秒 | 事件と事故


《24人死亡 北新地ビル放火》注目を集める“紙袋を置いた男”の正体「離婚後に孤独感から息子の頭部を包丁で何度も刺し、逮捕された過去が…」  から続く 



【画像】元職場での谷本容疑者の評判「カチンとくると顔を真っ赤にして…」


  大阪市北区の繁華街・北新地にある雑居ビル4階の心療内科・精神科の医療機関「西梅田こころとからだのクリニック」で起きた放火事件。21日には入院し治療中だった20代の女性1人が死亡。犠牲者は西澤弘太郎院長(49)を含む計25人となり、2019年の「京アニ放火事件」以来の大惨事となった。 


「大阪府警は、逮捕をしていない状況ながら、放火の疑いがある男の名前を公表しました。事件の重大性に鑑みた異例の判断です」(社会部記者)

明らかになってきた犯行の「残酷性」


 男の名前は谷本盛雄(61)。自宅で火をつける練習をしたのだろうか。それとも離婚した前妻や子供たちと住んでいたこともある、思い出のある家を燃やしてしまいたかったのだろうか。クリニックで放火する前には、直近まで住んでいたとみられる自宅で小火騒ぎも起こしている。 

 23日には事件発生から7日目を迎えた。詳細が徐々に判明するにつれ、際立ってきたのが犯行の残酷性だ。 「谷本容疑者の自宅からは京アニ放火事件の新聞記事や、〈隙間をどうするか〉などと書かれたメモも見つかり、綿密な計画性が疑われています。紙袋2つに入れていた液体はガソリンで、これに引火させて放火したとみられます。ガソリンの購入時には、持ってもいないバイクに使うと嘘の説明をガソリンスタンドにしたようです」(同前) 

 そして、世間を最も震撼させたのが、防犯カメラに残された犯行当時の谷本容疑者の行動だ。


逃げ惑う人を両手を広げて“とおせんぼ”


院内の入り口近くに設置してあった防犯カメラには、谷本容疑者が両手を広げて出口をふさぎ、中にいた患者を奥に追い込むような仕草や、逃げる人に体当たりして逃さないようにしている様子が映っていたようです。非常階段に通じる扉に外側から粘着テープのようなものが貼られており、消火栓にも使いにくいように細工がされていた。クリニック内では刃物も見つかっており、執念深い殺意が感じられます」(同前) 


谷本容疑者は2008年秋頃に離婚していたことが判明している。その後に孤独を深め、元妻ら家族と無理心中を企てた。2011年4月には長男の頭部を何度も包丁で刺す事件を起こして服役している( 《24人死亡 北新地ビル放火》注目を集める“紙袋を置いた男”の正体「離婚後に孤独感から息子の頭部を包丁で何度も刺し、逮捕された過去が…」)。  

文春オンライン取材班は、過去の谷本容疑者を知る複数の人物に取材した。そこで浮かび上がってきたのは、「偏屈な職人気質」だったという谷本容疑者の横顔だ。 

 谷本容疑者の実兄が明かす。


容疑者の実兄が証言「わめきちらしてそのまま…」


「私たちは4人兄妹で、盛雄には姉と妹もいます。私は妹たちとは仲が良いのですが、盛雄だけは30数年会っていません。もともと、親父が板金工場を経営していて、盛雄も15歳の頃から手伝い始めたんです。友達から遊びに誘われても『現場行かないといけないから』と追い返して仕事をしていました。高校卒業後の18歳からはそのまま親父の会社に就職して2年くらい働いていた。仕事はよくやっていて、腕はよかった。 

 でもあるときに、ひとりだけそっぽを向いて仕事していたので『こっち向いて一緒に仕事しないとあかんやろ』って言ったら、つっかかってきたんです。それで俺が帰らせたら、それ以来、会社に来なくなりました」 

 大手紙社会部記者によると、結婚し、子ども2人をもうけたのはその後。放火直前まで暮らしていた自宅を買ったのもこの時期だ。そして1990年に父親が亡くなる。谷本容疑者が30歳の頃だ。

 「親父の法要で、みんなでご飯を食べる席を作ったんです。でも俺に対して何か気に食わないことが根にあるんでしょうね。その席でも酔っぱらって『兄貴はな!』と、わめきちらしてそのまま帰ってしまった。周りはあっけにとられていましたよ。親父が亡くなって長男の俺が社長を引き継いだことが気に入らなかったのかもしれません。それ以来会っていなくて、どこに住んでいるのかも知らない」(谷本容疑者の実兄) 

 それから10年以上が経過した2002年3月、谷本容疑者は大阪市内の板金工場の求人募集に応募した。この工場の社長は当時の様子をこう振り返る。


「谷本は年齢が一番上やった。真面目で職人気質でむやみやたらにペラペラ喋らないタイプ。親父さんの工場での経験もあって、技術は他と比べ物にならないくらいずば抜けていた。最初はアルバイトでしたけど、あっという間に正社員になったくらいですから」 

 数年間、順風満帆な職人生活が続いたが、2008年7月に「他にやりたいことがあるから、辞めさせてもらう」と突然退職したという。同年秋には離婚していることから、プライベートの問題に悩まされていたのかもしれない。

 「でも翌年8月には『やり直したい』と再び現れたんですよ。技術はあるし真面目でしたから雇いましたが、1年くらいで音信不通になって退職した。以降は、付き合いはまったくなくなっていました」(同前) 

 そして時を経て起きたのが、北新地ビル放火事件だった。社長はこの事件の犯人が谷本容疑者であると知ったときには「驚いた」というが、こうも証言するのだ。



元職場での評判「カチンとくると顔を真っ赤にして…」


「谷本とクリニックの先生の間でトラブルがあったんじゃないでしょうかね。あいつはカチンとくることがあるからね。うちに勤めているときに注意することもあったんですけど、谷本は納得いかないときはカチンときてね。

『なんだと!』と顔を真っ赤にして食ってかかってきたこともありました。夕方にトラブルがあって、『こんなんやってられん』って帰ってしまったこともあったな。顔を真っ赤にして口を利かなくなるんですよ。当時は、翌日になったら引きずることなく、ケロッとしていましたが……」  

谷本容疑者が長男への殺人未遂事件で服役することになったのは、この工場を2回目に退職した翌年だ。出所後の詳細は分かっていないが、親族から離れ、約8年勤めた工場も辞め、事件によって家族も完全に失っている。孤独感はさらに増していただろう。 

事件が起きてしまったクリニックは、診断書を書いてもらいやすいという評判もあってトラブルも多かったようです。現に、亡くなった西澤院長から事件前に相談を受けた父親が、警察に相談をしていたという情報もあります」(前出・大手紙社会部記者) 

 心療内科や精神科が出す診断書には、生活保護の申請などさまざまな用途がある。ある病院の関係者によると、内容などをめぐり病院側と患者の間でトラブルになることが近年増えているといい、今回の放火事件の動機が注目されている。  25人もの命を奪った大放火事件。残酷な犯行に及んだ谷本容疑者の意識は、いまだ戻らないという。

「文春オンライン」特集班/Webオリジナル(特集班)


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面接で「最後に何か質問はありますか?」で受かる人と落ちる人の差>工業高校卒から年収1000万になった僕が発見した こと

2021年12月23日 17時00分04秒 | 雇用と職のこと
工業高校卒から年収1000万になった僕が発見した面接で「最後に何か質問はありますか?」で受かる人と落ちる人の差

今の会社で働き続けていいのかな?」「でも、転職するのは怖いな……」。働き方が大きく変わるなか、悩みを抱える人は多いだろう。高卒から、30歳で年収1000万円超という驚きの経歴をもつ山下良輔さんは、そうした「転職迷子」たちから圧倒的な支持を得ている。

山下さんは12月に出版した初の著書『転職が僕らを助けてくれる

――新卒で入れなかったあの会社に入社する方法』で、自らの転職経験を「再現性のマニュアル」にして全て公開。 その戦略は「外資系やコンサル業界は、学歴エリートでなくても入れる」「職歴に一貫性はなくてもいい」など、これまでの「転職の常識」を塗り替えるものばかりだ。どうしたら人生を変える転職ができるのか、どうしたらいい会社選びができるのか。この連載では本書より一部を特別に公開する。  


それでは最後に、何か質問はありますか?

  面接の最後に許される「逆質問」は、僕らが自分のペースで話せる最後のチャンス。にもかかわらず、全く生かせていない人が多いので、気をつけてください。よくあるNG質問は次の通りです。  

×「御社で活躍しているのはどんな人ですか?」 「だから何?」といわざるを得ない、意味のない質問です。新卒の就活マニュアルには書いてあるかもしれませんが、転職面接の結果には全くプラスになりません。  

×「今日の僕の面接、いかがでしたか?」 「次の面接に生かす」以外、あまり意味がない質問です。自分について質問するよりも「先ほどの話で出たあの件ですが……」と、面接官が話したことを深掘りするほうが、相手に好印象を与えることができ、話をさらに深掘りできます。  

×「入社したら、どんなスキルが必要ですか?」  調べたらわかることを、わざわざ質問すると、「会社のことを理解していないな」と評価はマイナスになります。  

一方、「語学力が必要とのことですが、日本人との会議も全部英語ですか?」など、応募条件に書いてある内容について深掘りするのはOK。次の会話につなげることができます。  

さらに、「御社のクライアントの詳細について、教えてください」など、非公開情報について質問し、「その課題を僕が解決できます」という結論に導くことができれば、逆質問の機会を最大限に生かすことができます。 

 ※この記事は『転職が僕らを助けてくれる――新卒で入れなかったあの会社に入社する方法』からの抜粋です。
12/21/2021


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【ビル・ゲイツ氏】「オミクロン株ほど速やかに感染拡大したウイルスは人類史上、他に例がない、間もなくこの変異株は世界中に蔓延する

2021年12月23日 13時03分27秒 | 社会のことなど

オミクロン株の感染拡大は人類史上最速=ビル・ゲイツ


2021/12/22(水) 15:38:

Microsoftの創設者、ビル・ゲイツ氏は新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」が登場し、
人類は最も困難な状況に直面しているとしながらも、2022年内にパンデミックが終了する可能性は残されていると表明した。

ゲイツ氏によると、オミクロン株ほど速やかに感染拡大したウイルスは人類史上、他に例がないという。
そして、間もなくこの変異株は世界中に蔓延するとゲイツ氏はツイッターへの投稿に記した。

そしてこの変異株がいかなる症状をもたらすかがまだ判明していない以上、注意深く接する必要性を指摘した。

続けてゲイツ氏は次のように記した。

仮にこれがデルタ株と比べて深刻度が半分だとしても、これは我々が知る限り最も恐ろしい波となる。なぜなら、あまりにも感染力が高いからだ。
ただし、人々が必要な措置を取れば、2022年中にも感染拡大を封じ込める可能性は残されているとした。 


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相続税の税務調査、選ばれるカギは「過去の収入」か…税務署の“システム”事情【税理士が解説】

2021年12月23日 09時00分13秒 | お金のこと
相続税の税務調査、選ばれるカギは「過去の収入」か…税務署の“システム”事情【税理士が解説】


相続税税務調査の今年度の傾向と対策、そしてKSK(国税総合管理)システムについて、辻・本郷税理士法人の山口拓也氏が解説します。

「相続税の税務調査」調査官は“いつ、なにを”見てやってくる?


【税理士が解説】

調査の対象となる「3つの傾向」と「KSKシステム」
今年も相続税の税務調査に何件か立ち合っていて、調査の対象となっている方に以下の「3つの傾向」があることに気がつきました。

 ●直前に預金を引き出している 
●高額の出金が過去に連続してある 
●名義預金がある 

共通点は、通帳の流れが少しイレギュラーであるということです。

「過去の出金」から財産の漏れを指摘してくる傾向があると感じていました。 そんななか、とある税理士先生のセミナーを聞く機会がありました。 そこではKSK(国税総合管理)システムの話をされておりました。

これは国税がデータを蓄積しているところで、国税総合管理の頭文字をとってKSKと呼ばれています。 亡くなった方や家族の方の給料や役員報酬、退職金など過去の収入のデータが入っています。収入にはほかに株式や不動産などの「譲渡」なども含まれます。 

さて、このKSKシステムがスーパーコンピューター化されているというのです。スーパーコンピューター化されたKSKシステムに、亡くなった方の過去の年収を入力すると、その年収の平均の預貯金残高が出てくるということです

 平均の預金残高と実際に出てきた相続税の申告書を見比べて、極端に少ないなど「バランスが悪い人」を発見し、調査先を選定しているそうです。

 私の身近にいる国税のOBの先生に話を聞いてみたところ、

「自分の時代はそういうことはしていなかった」とおっしゃっていました。

税務調査先の選定も、パソコンが発達するにしたがって、より精度が上がっているのかと感じた次第です。 

「バランスの悪さ」が冒頭で挙げた3つの傾向に表れているようで、セミナーを聞いていて妙に納得した気分になりました。


税務署は、「自分よりも財産を把握している」


つまり、税務署もシステムで管理していますので、自分よりも財産を把握していると思って対策をしたほうがよいといえます。 変に隠せば、「仮装隠蔽」になってしまいます。贈与などをする際は契約書などの証拠や、その方の意思をきちんと残しておくことが重要です。 今そんな話をすると少し心配に思われるかもしれませんが、当初の申告の際にきちんとチェックをし、相続税の申告にあげるべきものはあげておけば調査がきたとしても問題はありません。


 「どうせ税務署はわからないから大丈夫だ」と思っていると危険です。ぜひ注意して、申告の際は税理士に相談しましょう。

 ■動画でわかる「相続税の税務調査は過去の収入がカギ!?」 辻・本郷税理士法人 シニアパートナー 税理士 山口 拓也






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