元すすきのNo.1キャバ嬢・椎名美月「女ではなく人として好かれたかった
全国各地の歓楽街には、後世に語り継がれる“伝説”のキャバ嬢たちが存在する。たとえば、新宿・歌舞伎町の愛沢えみり、大阪・北新地の門りょう、名古屋・錦のエンリケ(小川えり)……。
そして、北は札幌・すすきのにも“伝説”と呼ばれるキャバ嬢がいた。椎名美月だ。 18歳で夜の世界に足を踏み入れ、わずか2か月でナンバーワンを獲得。
その後、大手ニュークラブグループ「BARCELONA GROUP」では、当時最年少24歳で年間最高売上を達成、バースデーイベントでは2日間で1億円近くを叩き出した。2019年、25歳で引退するまでその名を轟かせ続けたのだ。
元すすきのナンバーワンキャバ嬢で、現在はエステサロンを経営する椎名美月さん(26歳)
現在はイチナナライバー(ライブ配信者)、エステサロンを全国で8店舗展開するなど、美容会社の美人社長としても注目を集める。
そんな目覚ましい活躍の裏には、いったいどんな思いがあったのか。彼女の何が人を惹きつけるのか。
“シングルマザー”を公表しながらナンバーワンキャバ嬢に
「“娘”にとって自慢のママでありたい。彼女からカッコいいと思ってもらえるのか。物事を決断しないといけないときは、常に娘のことが頭のなかにありました」
じつは彼女、ひとり娘を育てるシングルマザー。それを公表しながらナンバーワンキャバ嬢であり続けた稀有な存在なのである――。
高校卒業後、友人に誘われて軽い気持ちでキャバクラに体験入店すると、すぐにナンバーワンとなった。しかし、わずか半年後。結婚して引退することとなったのだ。
「もともと、そんなに長くやるつもりはなかったんです。だから、すんなり辞めれた。そして、子どもが生まれて。ただ、相手がすごいDVだったんですよね……」
結局、結婚生活は長く続かず、離婚することになった。そして、20歳で再び夜の世界に舞い戻ると、彼女の快進撃が始まった。
“人として”好きになってもらいたかった
「昔から負けず嫌いだったんですけどね。離婚してから入った店は、札幌でナンバーワンではなく、全国で通用するキャバ嬢になりたいと思った。
でも、どうしたらいいのか。私には何があるのか……」
悩んだすえに、彼女はシングルマザーであることを公にした。
もちろん、子どもがいるキャバ嬢は少なくない。だが、実際は子どもがいることを隠すキャバ嬢がほとんど。“擬似恋愛”の場でもあるキャバクラにおいては、客に知られることがデメリットになる場合もあるからだ。
「私は嘘が嫌いなんです。嘘をつく人には警戒してしまうというか……。相手に心を開いてもらうためには、まずは自分自身が心を開いておかなければならない。
お客さんから女性として見てもらうことって簡単なんですけど、それだと飽きられやすい。長く指名をもらうためには、“人として”好きになってもらわなきゃって。
シングルマザーであることを言えば、嘘がなくなって相手と向き合える。それに、今まで“シングルマザー”で“ナンバーワン”になったキャバ嬢はいないことに気づいたんです」
子持ちを公言することで今まで築き上げたものを失ってしまう怖さがあったと椎名さんはいう。しかし、彼女にはそれ以上に得るものがあるという確信があった。
以下はリンクで>