コロナでホストに行けない」風俗嬢、ツケの催促にも開き直り…
コロナウイルスの影響は、夜の世界にも広がっている。多くの歓楽街では閑古鳥が鳴いている状態だが、そこに勤める水商売の人々はダイレクトに煽りを受けているのだ。
3・25・2020
歌舞伎町のホストクラブに勤めるシュンさん(26歳・仮名)が「もう商売上がったりですね」と苦笑する。いま、歓楽街を取り巻く人たちにとって、負の連鎖が止まらない状態となっているらしい。
「“カケ”が回収できない」苦境に立たされるホストも…
「コロナが流行ってから、とにかく風俗の子が稼げていない。それはつまり、僕らの売上が下がるんですよね。ホストクラブのお客さんにはキャバ嬢や昼職の子もいるけど、高額を使ってくれるのはだいたい風俗の子。彼女たちが稼げないとなると、僕らの懐にもモロに響きます」(シュンさん、以下同) 問題は客が少ないことだけではない。“カケ”が回収できないことだ。 「基本現金払いですが、お客さんの中にはカケの人も多い。2月末くらいからカケが払えない人が増えてきて、営業しても『カケならいいけど……』って子ばっかり。 ホストクラブにはカケというシステムがある。要するにツケ払いのことだ。カケが回収できなければ、ホストの自腹となる。風俗嬢たちが現在のような状況では、カケを回収する見込みも立たないという。 「コロナの影響で初回のお客さんも減っているから、新規を掴みたくても掴みようがない。正直このままいくと、僕の今月の給料は20万いくかいかないかですよ」
生活費すら危うい風俗嬢、ホストに「いまは無理」としか言えない
現在、苦境に立たされているホストも少なくないというが、客たちも悩んでいる。 「ホストに行きたいけど、コロナのせいで全く稼げなくて困っています」と話すのはデリバリーヘルス店に勤務するアキナさん(22歳・仮名)。 「もともと2月と8月は、“にっぱち”と呼ばれていて、水商売も風俗業も閑散期なんです。今年はそれに加えてコロナ。2月中旬が暇なのは、まあ例年通りなんですが、3月に入ったらコロナのニュースばかりじゃないですか? しつこく『濃厚接触するな』って言われているから、風俗なんて濃厚接触どころの話じゃないですからね」(アキナさん、以下同) だれもが濃厚接触を避けようとするため、3月に入りコロナのニュースが加熱すると目に見えて収入は減っていった。 「最初は1日1~2本は指名が入りましたけど、ここ数日はお茶を引いています。要するに、指名0本なんで収入ゼロです。風俗は基本時給がないし、私の勤めるデリヘルは高級店じゃないんで1本こなして(1人のお客さんを接客して)バックは7000円。だから、1日2本ついても1万4000円。これじゃあ昼職以下。数をこなさなきゃ全然稼げないんです。担当(指名しているホスト)には申し訳ないけど、それどころじゃないですよ」 確かに日給1万4000円では月20日出勤しても月収約28万円。暮らす分には困らないが、ホストクラブで飲む余裕などないだろう。 「実際25日出勤しても30万にもなってないです。それでも家賃は12万、携帯代が2万、お店までの交通費が月1万。節約したって食費に3万はかかるし、化粧品とか消耗品に3万はかかる。このままコロナの感染者が増えていったら、収入はもっと減ってくと思う」 ホストに行く状況ではないと言いつつも、アキナさんには“ホストに行かなければならない理由”があった。それは、前述の“カケ”だ。 「毎月、月初にホストクラブに行ってカケでどかんと使って、そのカケを返すために必死で働く。それが私のルーティンでした。でも今は全く稼げてないし、このままいくともっと稼げなくなるかもしれない。風俗歴3年になりますが、適当にやっていたんで本指名もあんまりない。本指名が多い子は、なんだかんだで稼げているっぽいですが……それはほんのひと握りだと思う」 アキナさんは2月の初めにカケをつくってしまい、未払いの合計は約70万円に上るという。当然、担当のホストから催促の連絡がくるというが……。 「普段なら鬼出勤すれば返せたけど、『いまは無理』としか言えない。私の担当もカケを払わないと困るのはわかっているんですが、仕事がないのでどうにもできない。今から昼職を始めたって、そんなに高給は望めない。そもそも貯金がないので日払いがないと暮らせない。もう八方塞がりですよ」 次のページ“アフター”メインの飲食店にも打撃
アフター”メインの飲食店にも打撃
歌舞伎町のバーに勤めるタクヤさん(29歳・仮名)も「コロナのお陰で毎日暇です」と頭を抱える。 「うちは基本的にホストさんが店終わりにアフターで使ってくれる店なんで、ホストに客がこないと、そもそもアフターがないから客がこないんです。会員制ではないですが新規は滅多にこないし、そもそも歌舞伎町自体、以前に比べるとあまり人が歩いていない」(タクヤさん、以下同)
タクヤさんは、コロナのニュースが出始めた当初は「まあ、すぐに収まるだろ」と楽観視していたそうだが、状況は悪くなる一方だと嘆く。 「ここ数日は店を開けても1卓しか客が入らないこともザラ。常連さんで羽振りが良かった人が来てくれても財布の紐が固くなっているように感じます。ホストも風俗嬢もキャバ嬢も『稼げてない』って話しか出ないから、空気も重いですしね(苦笑)。このままだとコロナで亡くなる人よりコロナの煽りを受けて死ぬ人のほうが多い気がします。特に歌舞伎町で働いている人の自殺が相次いだりしなければいいな、と思います」
繁華街を取り巻く人たちに大打撃を与えているコロナウイルス。タクヤさんの懸念が的中しないことを願う。
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