>そこで今回は、年収が魅力的に思えて年の差婚をしたものの、予想外の早すぎる定年によってライフプランが狂ってしまった方の事例をお伝えします。
はやく専業主婦になりたくて」…年収300万の女性が年収1500万の男性と「15歳差婚」をして青ざめたワケ
11/12(土) 8:03配信
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年の差婚は意外と多い
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厚生労働省の令和3年「人口動態統計」によると、男女双方が初婚の場合の平均年齢差は「1.5歳」という結果で、この年の差は、年々小さくなっています。一方で、ニッセイ基礎研究所の2018年「年の差婚の今」によると、初婚同士の場合でも11%の夫婦が「夫が7歳以上年上」という状況です。全体的には夫婦の年齢差は縮小していますが、いわゆる「年の差婚」の夫婦も一定数存在しています。
【写真】「後編」15歳年上の夫の年収が3分の1になって青ざめた30歳女性の末路
愛さえあれば年の差など関係ない…ともいえますが、お金などが絡むとそうは言っていられません。相手が年上であればあるほど、年収も高い可能性は大きいですが、「(定年までの)働ける時間が短い」というのも確かです。
実際結婚相談をしていても、高年収が魅力的に思えて年の差婚を望む方もいます。しかし、いくらお金を持っていても、最近は40代でのリストラや早期の退職・定年などもありえる時代ですから、注意が必要です。
そこで今回は、年収が魅力的に思えて年の差婚をしたものの、予想外の早すぎる定年によってライフプランが狂ってしまった方の事例をお伝えします。ぜひ最後までお読み頂き、一つの教訓として受け取って頂ければ幸いです。 (個人の特定を防ぐため、内容は一部変更しています)
「とにかく専業主婦になりたい」
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桜井恵子さん(仮名、〔以下同〕)は、都内の中小企業で総務として働く年収300万円の30歳女性です。彼女の勤め先はブラック気味な企業だったので、できれば早く結婚して仕事を辞め、専業主婦になりたいと常日頃から思っていました。しかし婚活をしても専業主婦にしてくれそうな年収の高い男性との交際に繋がらず、どうしたらいいか悩む日々だったそうです。
そんな恵子さんでしたが、ある日、転機が訪れます。友人経由で、男性を紹介されたのです。相手は、大手企業で経理として勤めている45歳の男性、池田直人さん。
年齢はともかく、直人さんの年収は1500万円もあり、恵子さんは目を輝かせました。直人さんは今まで仕事一筋で女性との交際経験がなく、婚活をする勇気が出なかったので、友人に(若い独身女性の)紹介を頼んだというのです。
幸いにも直人さんと恵子さんの目的が一致し、2人の交際が始まりました。直人さんは交際経験がなかったからなのか、とにかく恵子さんにお金を使ってくれたそうです。
代わりに少しコミュニケーションが苦手な節はありました。しかし、不器用ながらも必死になってくれるところも、高年収男性に婚活で雑に扱われることも多かった恵子さんとしては嬉しかったそうです。
そうして交際して1年が経つ頃、直人さんは恵子さんにプロポーズしました。さすがに15歳も年上だったので見た目に多少の抵抗はあったものの、年収も高く自分に愛情を注いでくれるところに魅力を感じていた恵子さんは、そのプロポーズを受け入れます。
こうして恵子さんは、15歳の歳の差婚を果たしました。
子どもが生まれ、優雅な日々を過ごす
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直人さんと結婚した恵子さんは早速会社を辞めて、念願だった専業主婦になりました。
また結婚と同時に直人さんが新居として、都内の家賃20万円ほどの賃貸マンションを用意してくれたといいます。最新の家具や家電も揃えたうえで、家賃とは別に毎月35万円を生活費として渡してもくれ、彼女は理想としていた結婚生活をスタートさせました。
その後の生活は、働く苦労から解放されたこともあって幸せそのものだったそうです。当初は直人さんとの生活に若干の不安もあったものの、不思議と結婚後は彼の容姿や年齢差は気にならなくなったといいます。
それどころか彼は、料理を作るたびに褒めてくれたり、結婚後も頻繁にプレゼントをくれたりと、愛情を惜しみなく注いでくれ、結婚してよかったと思えたそうです。
結婚して2年目には、長女が生まれます。昼夜は家事育児に追われながらも、長女が保育園に行っている昼間にはランチやショッピングを楽しみ、本当に毎日が楽しく充実していました。
この幸せが一生続くと思っていた恵子さんだったのですが…結婚して8年目のある日の夜、ふと直人さんが不安げな顔をしながら「大事な話がある」と言い出します。
ただならぬ雰囲気に、恵子さんは直感的に「ヤバい」と感じたそうです。長女を寝かしつけて夫婦2人になると、なんと直人さんはその場で土下座を始めます。
「今まで言い出せなくてゴメン。実は俺、もうすぐ役職定年なんだ!」 「…え?」
不倫だと思って身構えていた恵子さんは、あっけにとられたそうです。
心配が外れ、彼女は安心しましたが、ここから困窮する日々を送ることになりました…。
役職定年とは何なのか? 恵子さんの今後の生活は、どのようになったのか…?
続きは後編でお伝えします。
山本 昌義(婚活FP)
年収1500万が激減…15歳年上の夫の年収が3分の1になって悲鳴を上げた30歳女性の末路
プロフィール
【前編】「『はやく専業主婦になりたくて』…年収300万の女性が年収1500万の男性と『15歳差婚』をして青ざめたワケ」で紹介した通り、ブラック気味の中小企業で働く年収300万円の恵子さんは、30歳の時に15歳年上ながら年収1500万円の直人さんと結婚しました。結婚後は専業主婦になり、長女も生まれ、充実した暮らしをしていた恵子さんだったのですが…結婚して8年後、彼から「もうすぐ役職定年だ」といわれます。
旦那の年収が1000万円ダウン
直人さんは恵子さんに役職定年について説明しました。
役職定年はある年齢になると、管理職を降ろされ、一般職などに処遇されることを指します。直人さんの場合、サポート係に降格になり、年収が1500万円から500万円に落ちるそうです。
直人さん自身、役職定年などまだまだ先だと思っていたらしく、1年ほど前にようやく強く意識したというのです。
「本当にゴメン!もっと早く言いたかったんだけど、言ったら嫌われると思って言い出せなくて…」
恵子さんは、直人さんの定年退職ですらすっかり忘れていました。まだ38歳の彼女なら仕方ないかもしれませんが…。
呆然とする彼女に、直人さんは説明を続けます。
「年収500万円になったら、この部屋も引っ越さないといけなくなるし、もう今までみたいなプレゼントや生活費も渡せなくなる。本当にゴメン…」
これを聞いて、恵子さんは目の前が真っ暗になったそうです。さらに、直人さんは追い打ちをかけるように話を続けます。
Photo by iStock 「君に嫌われたくない一心で今までお金を使ってきて、俺にはほとんど貯金がないんだ。このままだと俺たちの老後資金はおろか、長女の学費すら厳しい。今、ウチにはいくらくらい貯金あるかな? あんまりなかったら…本当に悪いんだけど、もう一度働きに出てくれないかい?」
彼女は、直人さんがいくらでもお金を持っていると思っていたので、貯金など考えたこともありませんでした。これを聞き、彼女は大声で泣き叫んでしまいました……。
離婚、再就職、「どちらも無理!」
しばらくして予定通り直人さんは役職定年となり、年収は500万円にまで落ちてしまいました。この影響は恵子さんの想像以上でした。
家賃10万円で1DKの割安なマンションに引っ越しして、節約をしながらの生活を強いられますが、それでもお金が足りなかったそうです。
急に切り詰めた生活を送ることになった彼女は、そのあまりのギャップと息苦しさに、頻繁に直人さんを責めてしまったといいます。
しかし、ストレスが溜まっていく恵子さんに対して、直人さんはどんなに責められても怒ることはなく、今まで通り彼女への気遣いを忘れなかったといいます。このため次第に恵子さんも、現実を受け入れていったとのことです。
現在の彼女は、40歳を超えています。どうにかパートとして働き始め、世帯として年収600万円を確保し、貯金もできるようになったといいます。
できれば、このまま末永く幸せに暮らしてほしいものですが…。
定年について知っていますか?
人事院の平成29年「民間企業の勤務条件制度等調査」によると、役職定年制がある会社は、企業全体の16.4%、従業員500人以上の会社に絞ると30.7%です。役職定年制の内容は企業次第ですが、おおむね「50代のどこかで役職がなくなる」という内容になっています。それに伴って、大幅に年収が下がることが一般的ですが、将来の年金額も下がり、中には退職金も下がるケースもあります。
導入している企業のほうが少なく、制度を知らなくてもムリはありませんが、ライフプランを立てるときは注意しましょう。
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