泉区生活支援ネットワーク

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県内 「中小」の障害者雇用伸び悩み ノウハウ共有が課題(「河北新報」)

2022年07月18日 | 就労・生活自立
(「河北新報」令和4年7月18日(月)付け記事より引用)
 県内の企業と市町村の障害者雇用率が伸び悩んでいる。2021年の雇用率は企業が2.21%、市町村が2.36%で、それぞれ法定雇用率の2.3%、2.6%を下回る。一部に先進的に取り組む団体があるが、規模が小さいほど達成できておらず、どのように雇用すればいいか分からないという団体も多い。ノウハウをいかに共有するかが雇用率向上の鍵になりそうだ。

「先行事例知りたい」「任せる仕事は?」
 仙台市泉区根白石のクリーニング業新陽ランドリーは、社員49人のうち30人に障害がある。労働時間や障害の程度を加味した21年の実雇用率は80.34%。同年9月には先進の中小企業に与えられる国の「もにす認定」を県内で初めて受けた。

 作業工程の工夫が高い雇用率を実現した。洗濯物を集積回路(IC)チップで管理し、数量や出入りの管理を自動化。熟練社員の「職人技」だった知識や技能をマニュアルにした。

 1人の障害者を長く雇い続けるのも特徴だ。知的障害のある佐藤和子さん(61)は正社員として38年勤め上げ、21年3月に定年退職した。「仕事で疲れることもあったけど、みんなで社員旅行に行けたのが楽しかった」と振り返る。

 新陽ランドリーのような企業がある一方で、県内企業の障害者雇用率は低迷。県によると、対象となる従業員43.5人以上の民間企業1,593社のうち、
雇用率を達成するのは50.7%にとどまる。

 大手企業ほど待遇も良く積極的に採用できるため優秀な障害者が集まりやすいが、県内企業の多くは中小。人気も割り当てる仕事も少なく不利な状況が続く。

 事情は行政も同じだ。県や県警、仙台市といった大規模自治体や組織は法定雇用率を上回るが、仙台市を除く34市町村では半数の17市町村が法定雇用率を下回った。

 最も低かった柴田町(0.58%)は18年まで基準を満たしたが、その後退職者が出て条件に見合う人材を確保できていない。担当者は「優秀な人材が採用できない。中小の自治体で業務をどのように割り当てたらいいか、先進事例を知りたい」と打ち明ける。

 企業にせよ、自治体にせよ、ノウハウ不足が採用の遅れにつなかっている可能性もある。新陽ランドリーの加藤幹夫社長は「どんな仕事を任せるかが分からない会社が多いのではないか。先進の同業者を視察すれば、まねできる点が見えてくるはずだ」と指摘する。

 県雇用対策課の担当者も「中小ほど採用に二の足を踏んでいる。状況改善に向けセミナーや企業訪問を続けたい」と話す。
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