泉区生活支援ネットワーク

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障害者雇用のいま 仙台圏に見る展望と課題

2020年03月31日 | 就労・生活自立
(「河北新報」令和2年3月29日(土)付け記事より引用)
上 潜在能力

 企業による障害者雇用が県内でもようやく進みつつある。宮城労働局によると2019年6月現在、県内で就労する障害者は初めて6000人を超えた。雇用率の高い企業が多い仙台圈の事例を基に労働環境を整えて積極的に障害者を雇い、課題とされる雇用の定着を図る企業や、支援に当たる事業所の取り組みを紹介する。   (報道部・野界航也)

 仙台市太白区の中本雄太さん(35)は、カー用品の販売などを手掛けるアイエーオートバックス(太白区)の多賀城店(多賀招市)でアルバイトとして働く。客から要望を聞いて、タイヤ交換やETC機器取り付けの受け付けなどに当たる。
 13年前、交通事故に遭った。痛みを治す治療が原因となり、10年前にうつ病と診断された。


苦手の接客克服
 以前勤務した自動車整備会社で取得した2級自動車整備士の資格を生かし、昨年8月に入社。品出しから仕事を覚え、客に商品の場所を教えるなどするうちに、苦手だった接客を克服したという。
 2ヵ月後、現在の担当に挑戦するよう提案された。中本さんは周囲が驚くほどの早さで仕事を身に付けた。「常に前向きで覚えが早い。お客さんの評判も良く、頼もしい」と阿部貴之店長(42)の信頼も厚い。
 中本にさんは「挫折もあったが、今の仕事はやりがいも多く、気持ちが明るくなった」と充実した表情を見せる。
 同社の従業員306人のうち、9人が障害者だ。藤沼紀行管理部長兼人事部長(45)は「障害者でも挑戦して成長し、能力を生かして活躍できる」と言う。
 機械の点検を主な業務とするデジタルハーツ(東京)の特例子会社として昨年10月に設立されたデジタルハーツプラス(同)の仙台オフィス(若林区)には、9人の従業員が勤務する。そのうち6人が障害者で、主に事務作業やソフトウエア
の点検に従事している。

 契約社員の一人で、発達障害のある女性(37)は全国の従業員に関する登録や更新書類の整理作業を担当。週に1万枚近い書類を確認、集計する。
 女性は人と意思疎通を図ることに苦手意識を持っている一方、書類の整理が得意だ。「自分の得意分野を生かし、達成感もあってうれしい」。女性は今の仕事に満足しているようだ。

人材発掘に努力
 仙台オフィスでは独自に、市内の福祉施設や支援学校計約20ヵ所を年に1、2回訪問。入所者や生徒らの就労に関する相談に応じ、人材の発掘を図っている。

 県内の障害者雇用率2.11%は、47都道府県の中で36位にとどまる。障害者の採用をはじめ業務全般を統括する滝原宏行オフィスマネージャー(52)は「障害者一人一人の能力と強みを生かすことができれば企業で活躍できると説明する。
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