はるやすみのじゆうけんきゅう
~モーターライズって何ぞや?~
プラモデル作りは、趣味にしているとまではいかないんですが、夏休みなど長期休暇の時はたまに挑戦します(1年に2作品くらい出来ればいい方かな?)。
僕は70~80年代のノスタルジックな車が大好きなので、プラモで作るのは自動的に「ひと昔前の」車をモデルにしたキットばかりになってしまいます。そのような物はいずれも、かれこれ20年以上前(実車が現役だった頃)に発売されていたものを再販したものがほとんどなので、最新型のキットとは違い、パーツの合いが悪い、部品の造形が古臭いなど色々悩ませられます(笑)。
まぁそれは良いのですが、一番気になるのは、シャシー部品が著しくリアリティに欠ける事なんですよね。やけに車高が高くなっていたりとか、実車の構造を完全に無視したオモチャっぽいステアリングパーツ、中には「ON―OFF」の文字がモールドされているパーツや、明らかに電池ケースの形をした部品もあったりします。
その原因は、これらの再販レトロ車プラモ、発売当時は「モーターライズ機能付き」で販売されていたからなんですよね。
モーターライズとは、プラモデル本体にモーターと電池を組み込み、そのままラジコンのように走らせることのできるギミックの事です。かつて、車プラモは現在の「飾って楽しむ」とは違い、「走らせて楽しむ」ものだったのです。
時代が移り変わるにつれて、車プラモ文化は「いかに実車に精密に近づけるか」というリアリティ志向が重要視されるようになり、モーターライズ文化はいつの間にか消滅してしまったんですね。現在では全く無意味な電池ケースの部品や、かつてモーター収納部分であったであろうシャシー上のスッカラカンな空間を見ていると、何やら感慨深いですね。
・・・さて、1993年生まれの僕にとっては、「モーターライズ」なんてピンときません。(「ムギ玉」も何の事だかサッパリです!!)せっかく丁寧に作ったプラモを走らせる!?傷つくのが怖くて気が気じゃないんでないの?絶対楽しくないよ!!
ということで、「モーターライズプラモは本当に楽しいのか?」を確かめてみることにしました。何と2013年現在、未だにモーターライズ機能付きで販売している自動車プラモシリーズがあるのです!!
童友社 「ノスタルジックヒーロー」シリーズ。
モデルにされているのは、どれも1980年以前の古くさ~い車種ばかり(たまにマイナーな車種もあったり?)。箱に印刷されている文字のフォントもパーツの作りもまた見たことないくらいに古いと思ったら、なんとこのシリーズ、70年代に別の会社で販売したものを受け継いで、ほとんど当時の状態で生産し続けているらしいんです!!こりゃすごい!こんなレトロなプラモ見たことないよ!まさに車プラモのシーラカンスである。
まずはプラモ店で、この「ノスヒロシリーズ」を購入。数ある車種の中から、箱に印刷されている完成写真を見比べて、完成後の見た目が一番古くさそうだった「ニッサン・バイオレット」に決定!このキットなら、純粋に70年台プラモの雰囲気も味わえそうです!
箱の見た目もいい具合に地味。よく見ると背景は合成である。1134円。安い。
ちなみに現在、数多くあるプラモ会社の中でこの「ニッサン・バイオレット」のプラモを生産しているのは、唯一このシリーズのみです(昔は多くの会社から出ていたらしいですが)。貴重な素材ということもあって、プロのモデラー達も使用しているという地味に人気キットです。噂によると、車プラモ好きのV6(ジャニーズ)の坂本も購入したらしい・・・?
・・・しかし、このプラモ、1つ欠点があるんですよ・・・。本シリーズは、軽自動車モデルもセダンモデルも一貫して同じ型のシャシーパーツを使用しているので、ボディの縮尺が車種によってメチャクチャなんですよね。このバイオレットは、現在の車プラモ主流の24分の1に対して約22分の1とのことです。
プロのモデラーの中には、ボディを分解して切り詰め、24分の1に改造するというすさまじい方も結構いるそうですが(模型雑誌やホームページでよく見る)、僕にはそんな技術も道具もやる気もありません(笑)。あくまで今回は「モーターライズ&70年台プラモの雰囲気を味わう」のが目的なので、応用的な事はせず、サクサク素組していくつもりです!
・・・と、ここまでは実は2011年12月の話なんですよね。ちょっと作り始めるきっかけが無くて、1年以上も放置してしまったんです。ごめんねバイオレットくん。
実際に作り始めたのは先週です。・・・それじゃ、制作の様子を少しですがどうぞ。
箱を開けたとたん、これである。今どき珍しい仕切りの中にボディが入っています。タイヤパーツも紙製ラベルの付いた袋に入っているなど泣かせられます。
昔のプラモデルはこんな感じが当たり前だったらしいですが、僕は初めて見ました。一気に70年代にトリップ!
説明書も、黄ばんだ紙ペラ1枚という時代を感じるもの。絵も古臭いし、「ギア」なんて「ギャー」って表示されていますよ。誰か叫んでるのかい?
そして、わざわざ別売りのモーターを買ってきた(180円)。
説明書に指定されていた「FA―130」を買ったつもりですが・・・これで合ってるよね!?
(左の袋はキットに入っていた駆動輪周りのパーツです。)
さっそく配線します。僕は工作は得意な方だと思うんですが、こういう電気系統の配線はことごとく苦手なんですよね・・・。小学校の時に、理科でモーターカーを作らされたんですが、一発でスムーズに動いた記憶がありません。
慎重に説明書の絵と照らし合わせながら、なんとか・・・
完了。コードの取り付けとか久しぶりにやったよ。
ちゃんと動くか不安な所ですが、先へ進みます。ここからは普通のプラモ制作とさほど変わらないんですが・・・。やはり、モーター内蔵ならではの欠点も。
これである。
モーター収納スペースを確保するために上げ底になっており、内装パーツが平べったすぎてオモチャにしか見えない。座席なんて座布団みたいだし、その中に無理やりインパネのパーツを収めるためにハンドルの下半分が無い。
全国のモデラー達のやる気を大いに減退させているパーツの1つである。
模型雑誌に載っていたプロの制作工程では、「完全に使い物にならない」と思いっきり罵倒され(笑)、プラ板・他キットの流用で作り直されていましたが、もちろん、僕は肩の力を抜いて素組み、素組み。
内装は、かろうじて家にあった実車の資料を参考に、ブラウン系を筆でベタ塗りしました。
その他、もう1つ気になったことが・・・。
このプラモ、やはり昔の型を使用しているため、部品のバリが酷い。噂には聞いていましたが、これほどとは。・・・まぁこれもレトロなプラモならではのご愛敬ということで。
続きは次回。
塗装前のボディのパーツを見ただけでも古臭さ満点のこのプラモ。完成後の見た目は・・・果たしてどうなることやら。
次回!!完成!そして無事に走るのか!?
(既に完成しているので、近いうちにアップします)
~モーターライズって何ぞや?~
プラモデル作りは、趣味にしているとまではいかないんですが、夏休みなど長期休暇の時はたまに挑戦します(1年に2作品くらい出来ればいい方かな?)。
僕は70~80年代のノスタルジックな車が大好きなので、プラモで作るのは自動的に「ひと昔前の」車をモデルにしたキットばかりになってしまいます。そのような物はいずれも、かれこれ20年以上前(実車が現役だった頃)に発売されていたものを再販したものがほとんどなので、最新型のキットとは違い、パーツの合いが悪い、部品の造形が古臭いなど色々悩ませられます(笑)。
まぁそれは良いのですが、一番気になるのは、シャシー部品が著しくリアリティに欠ける事なんですよね。やけに車高が高くなっていたりとか、実車の構造を完全に無視したオモチャっぽいステアリングパーツ、中には「ON―OFF」の文字がモールドされているパーツや、明らかに電池ケースの形をした部品もあったりします。
その原因は、これらの再販レトロ車プラモ、発売当時は「モーターライズ機能付き」で販売されていたからなんですよね。
モーターライズとは、プラモデル本体にモーターと電池を組み込み、そのままラジコンのように走らせることのできるギミックの事です。かつて、車プラモは現在の「飾って楽しむ」とは違い、「走らせて楽しむ」ものだったのです。
時代が移り変わるにつれて、車プラモ文化は「いかに実車に精密に近づけるか」というリアリティ志向が重要視されるようになり、モーターライズ文化はいつの間にか消滅してしまったんですね。現在では全く無意味な電池ケースの部品や、かつてモーター収納部分であったであろうシャシー上のスッカラカンな空間を見ていると、何やら感慨深いですね。
・・・さて、1993年生まれの僕にとっては、「モーターライズ」なんてピンときません。(「ムギ玉」も何の事だかサッパリです!!)せっかく丁寧に作ったプラモを走らせる!?傷つくのが怖くて気が気じゃないんでないの?絶対楽しくないよ!!
ということで、「モーターライズプラモは本当に楽しいのか?」を確かめてみることにしました。何と2013年現在、未だにモーターライズ機能付きで販売している自動車プラモシリーズがあるのです!!
童友社 「ノスタルジックヒーロー」シリーズ。
モデルにされているのは、どれも1980年以前の古くさ~い車種ばかり(たまにマイナーな車種もあったり?)。箱に印刷されている文字のフォントもパーツの作りもまた見たことないくらいに古いと思ったら、なんとこのシリーズ、70年代に別の会社で販売したものを受け継いで、ほとんど当時の状態で生産し続けているらしいんです!!こりゃすごい!こんなレトロなプラモ見たことないよ!まさに車プラモのシーラカンスである。
まずはプラモ店で、この「ノスヒロシリーズ」を購入。数ある車種の中から、箱に印刷されている完成写真を見比べて、完成後の見た目が一番古くさそうだった「ニッサン・バイオレット」に決定!このキットなら、純粋に70年台プラモの雰囲気も味わえそうです!
箱の見た目もいい具合に地味。よく見ると背景は合成である。1134円。安い。
ちなみに現在、数多くあるプラモ会社の中でこの「ニッサン・バイオレット」のプラモを生産しているのは、唯一このシリーズのみです(昔は多くの会社から出ていたらしいですが)。貴重な素材ということもあって、プロのモデラー達も使用しているという地味に人気キットです。噂によると、車プラモ好きのV6(ジャニーズ)の坂本も購入したらしい・・・?
・・・しかし、このプラモ、1つ欠点があるんですよ・・・。本シリーズは、軽自動車モデルもセダンモデルも一貫して同じ型のシャシーパーツを使用しているので、ボディの縮尺が車種によってメチャクチャなんですよね。このバイオレットは、現在の車プラモ主流の24分の1に対して約22分の1とのことです。
プロのモデラーの中には、ボディを分解して切り詰め、24分の1に改造するというすさまじい方も結構いるそうですが(模型雑誌やホームページでよく見る)、僕にはそんな技術も道具もやる気もありません(笑)。あくまで今回は「モーターライズ&70年台プラモの雰囲気を味わう」のが目的なので、応用的な事はせず、サクサク素組していくつもりです!
・・・と、ここまでは実は2011年12月の話なんですよね。ちょっと作り始めるきっかけが無くて、1年以上も放置してしまったんです。ごめんねバイオレットくん。
実際に作り始めたのは先週です。・・・それじゃ、制作の様子を少しですがどうぞ。
箱を開けたとたん、これである。今どき珍しい仕切りの中にボディが入っています。タイヤパーツも紙製ラベルの付いた袋に入っているなど泣かせられます。
昔のプラモデルはこんな感じが当たり前だったらしいですが、僕は初めて見ました。一気に70年代にトリップ!
説明書も、黄ばんだ紙ペラ1枚という時代を感じるもの。絵も古臭いし、「ギア」なんて「ギャー」って表示されていますよ。誰か叫んでるのかい?
そして、わざわざ別売りのモーターを買ってきた(180円)。
説明書に指定されていた「FA―130」を買ったつもりですが・・・これで合ってるよね!?
(左の袋はキットに入っていた駆動輪周りのパーツです。)
さっそく配線します。僕は工作は得意な方だと思うんですが、こういう電気系統の配線はことごとく苦手なんですよね・・・。小学校の時に、理科でモーターカーを作らされたんですが、一発でスムーズに動いた記憶がありません。
慎重に説明書の絵と照らし合わせながら、なんとか・・・
完了。コードの取り付けとか久しぶりにやったよ。
ちゃんと動くか不安な所ですが、先へ進みます。ここからは普通のプラモ制作とさほど変わらないんですが・・・。やはり、モーター内蔵ならではの欠点も。
これである。
モーター収納スペースを確保するために上げ底になっており、内装パーツが平べったすぎてオモチャにしか見えない。座席なんて座布団みたいだし、その中に無理やりインパネのパーツを収めるためにハンドルの下半分が無い。
全国のモデラー達のやる気を大いに減退させているパーツの1つである。
模型雑誌に載っていたプロの制作工程では、「完全に使い物にならない」と思いっきり罵倒され(笑)、プラ板・他キットの流用で作り直されていましたが、もちろん、僕は肩の力を抜いて素組み、素組み。
内装は、かろうじて家にあった実車の資料を参考に、ブラウン系を筆でベタ塗りしました。
その他、もう1つ気になったことが・・・。
このプラモ、やはり昔の型を使用しているため、部品のバリが酷い。噂には聞いていましたが、これほどとは。・・・まぁこれもレトロなプラモならではのご愛敬ということで。
続きは次回。
塗装前のボディのパーツを見ただけでも古臭さ満点のこのプラモ。完成後の見た目は・・・果たしてどうなることやら。
次回!!完成!そして無事に走るのか!?
(既に完成しているので、近いうちにアップします)