ホルマリンのマンネリ感

札幌出身苫小牧在住、ホルマリンです。怪しいスポット訪問、廃墟潜入、道内ミステリー情報、一人旅、昭和レトロなどなど…。

レンタカーで四国一周7日間 その6

2018-05-31 23:31:48 | 旅行(道外)2018~2019
2日目 午前11時半。


道後温泉を堪能し、おみやげも買い込んですっかり観光客気分のホルマリン。
このまま次の目的地である宇和島市へ向かおうか、それともその前に四国屈指の絶景と言われる四国カルストへ寄り道しようか迷いました。
例によって、今回の旅も細かいスケジュールは全く決めていないのです(^_^;)

カーナビで所要時間などを調べた結果、まずは四国カルストの方へ向かう事にしました。
せっかく今日はこんなに晴れているのだから、天気の良いうちに絶景を拝んでおきたいと思いまして。
ここからの所要時間は2時間30分ほどとのこと。再び深い山間部へ向かっていく事になります。
行くぜ!!

砥部陶街道

中央分離帯に、愛媛県砥部町名物の砥部焼(とべやき)の陶磁器がズラリと!!
平岸のリンゴ並木みたいなものでしょうか(笑)。
事故で突っ込んだらエラい事になりますね(^_^;)。

国道33号線の高規格区間を抜け、三坂峠へ。


新しめの道路を初めて時速80~90キロで走りましたが、いや~、N-BOXちゃん(レンタカー)、中々いいね。
軽自動車なのにストレスなく高速走行が出来ます。騒音も全く気にならず。
最近の軽自動車はみんなこうなのでしょうか?
そして未だにガソリンが3分の2以上残っている事に驚き。これは給油時の燃費計算が楽しみですね。
だんだんとN-BOXちゃんに愛着が沸いてきました(*^_^*)。

八十八か所の「大宝寺」近くのコンビニで昼食を済ませ、車はさらに山奥へ。
いよいよ四国カルスト台地へと通じる山道が始まりました。

平日のせいなのか、あまり車通りの無い山道をウネウネ登って行きます。
休憩で道の途中に車を停めた時、既に周囲には絶景が広がっていました。


こんな景色見たことない…。
なんだろう、こっちの地方は暖かい気候ゆえなのか緑の濃さが全然違う気がします。
そして、昨日の徳島県でも見たような斜面に張りつく集落
一度カーナビの謎な指示のせいで集落の中に迷い込んでしまったのですが、急斜面でUターンするときに車ごと転げ落ちるかと思いましたよ(笑)。


ここまで片側1車線の道路が続いていて安心していたのですが、奥へ進むにつれて、ついに魔の1.5車線が現れてしまいました(^_^;)。
あれれ~、四国カルストは気持ちの良い高原が一面に広がっていると聞いているのですが、さっきからどんどん山が深くなっていますよ。

車通りはそれほど無いものの、昨日と同じように対向車が来た時には道を譲って、譲られてのどちらかです。
そして薄暗いヘアピンカーブが延々と続き、軽自動車といえども車幅をそれなりに気にします(^_^;)。
あぁ~、こりゃ自分の車(普通車)だったらどっか擦って死んでたわ…。


軽のレンタカーを選んだ自分に感謝しながら道をしばらく登り続けてゆくと、道路に覆いかぶさっていた木々が次第に少なくなり、きれいに晴れ渡った空が見えてきました。
これは…目的地は近いか?

最後の坂道を登りきると、木々が無くなって一気に視界が開けました。


午後2時15分、姫鶴平展望台に到着!


これが四国カルストかー!!!


地芳峠を経由し、愛媛県、高知県にまたがり約25キロ続くという四国カルスト。
山口県の秋吉台、福岡県の平尾台と並ぶ日本三大カルストの一つで、3か所のなかで最も標高の高い場所にあります。
そのため、高原からの景色はご覧の通り。晴れているので相当遠くの山々まで見渡せます!(*^_^*)
風はほとんどありませんが、標高が高い故に涼しくて気持ちがいいです♪


カルスト台地を突っ切るように県道383号線が延び、高原の向こうへと続いています。
日本百名道」にも選ばれている道路で、バイク乗りには憧れの道となっているようです。


で、「カルスト」って何ぞや?と申しますと、石灰岩などの岩石で構成された台地が、雨水や地下水によって浸食されて出来た地形のことを指します。大地に飛び出た白い石灰岩柱が独特な景色を作りだしているのが特徴です。
細い道路を進んでゆくと、いくつもの大小さまざまな石灰岩がすぐ脇まで迫ってきます。


すごーい!石灰岩にょきにょき!!
太陽の光を反射して白く輝く岩の数々。高原じゅうに大小の岩が点在するさまは、何やら動物のコロニーを想起させます。
すぐそばには風力発電の風車もそびえ……、って、この風景、けさ見た夢の風景と激似です(^_^;)。
ペンギンだと思っていたアレ、実は石灰岩だったのか…?
という事は、この先にはハゲワシが?(笑)




このあたりは乳牛の放牧地としても有名な場所で、高原のあちこちに黒い牛たちが。
その風景から、四国カルストは「日本のスイス」とも例えられているようです(*^_^*)
それにしても、放牧は春から秋にかけて行われるようですが、牧場主はどこに住んでいるのでしょう?
農業用倉庫のようなものは高原内にありましたが、住居のようなものは見当たりませんでした。
まさか麓の集落から通っている?


この先にある「天狗高原」に向かって、細い一本道がひたすら続きます。
景色を楽しみながらノンビリ進んでいると、石灰岩の影から野生動物がチョロっと出てきました!
コロンとした小型の哺乳類で、目の周りが黒かったのでタヌキかと思いましたが、妙に鼻が長い。
これは…え~っと、アナグマかな??


坂道のてっぺんまで登りきり、再び車から降りて高原を見渡してみます。
いやホント、なんて気持ちのいい場所なんだ…。
これはレンタカーじゃなくてエリオくん(愛車)と来たかったですなぁ。

車の脇でボーっとする私に興味を持ったのか、一頭の牛がノソノソ近づいてきました。
うはははは、驚くかな?とライトをパッシングさせてイタズラしてみたのですが無反応でした(^_^;)。

高原を突っ切ると「カルスト学習館」がありました。

せっかくなので、中へと入ってみることに。
この辺の散策ルートについて調べたかったのもありますが、何といっても先ほどの動物が何なのか分かるかも…と思いまして。

入り口から入ると、いきなりガラスケースに入った剥製たちが。そしてその中に、すっかりくたびれたタヌキの剥製が…。
いや、似てはいるけどタヌキとはちょっと違うんだよな~。

剥製を見ていると、隣の事務所から作業服を着たおじさんが出てきました。
どうやらこの施設の案内係をされている人のようです。
北海道から来たと告げるといつも通りのビックリな反応をされましたが、つい先日も北海道の学生が自転車でやってきたとの事でした(*^_^*)。
自転車とは…、あの狭い峠道を延々登って来たんでしょうね…。感服しますm(__)m

案内係のおじさん、地図を開いてカルスト台地の散策ルートを丁寧に解説してくれたので、ついでに先ほどの野生動物についても聞いてみました。
やはりこの辺には固有種のアナグマがおり、私がさっき見たのもアナグマだと思うとの事でした。
館内を案内され、展示されているアナグマの写真を見てみると…。
うっははwさっき見たのと同じだ!

通常、アナグマは夜行性であまり姿を現さないそうですが、この辺のアナグマは警戒心が弱く、日中でもノソノソ道路に出てくるらしいです。

外のバルコニーへと案内してくれました。



この辺りは標高1400メートルあるらしく、なんと四国の半分が見渡せるらしいです。
四国最南端の足摺岬も、鋭く尖った室戸岬も、私がこれから向かう宇和島方面もみんな見えます。
山の向こうにうっすらと海が見えましたが、気温が低い時にはもっとハッキリと海面を見ることが出来るといいます。
反対に、天気が悪い時には高原全体が雲に覆われて真っ白……。

おじさんは麓の集落から、毎日車で30分ほどかけてここまで登って来ているといいます。
指さす方を見下ろしてみると、確かにはるか下の方に家々がポツポツと見えました。


ここからは本当に何でも見えるんだなぁ……。


思わず「素晴らしい場所ですね」とつぶやくと
本当にここは素晴らしい場所。いつも静かだしね…」と嬉しそうな笑顔を見せていました。
この高原を心から愛しているんだな、というのが、その笑顔から充分に伝わってきました。

そしておじさん、まるで自分に言い聞かせるように
人間、今みたいな静寂な時間も必要ですよね…」とポツンとつぶやく。
一瞬、コールセンター時代の激務を想い出して何かが胸にヂクッと刺さりました(^_^;)。

何やら私はあの職場を辞め、ついに心が安らぐ楽園に辿り着いたんだなぁとしみじみ感じました。



「カルスト学習館」のすぐ隣には宿泊もできる「天狗荘」があるのですが、その駐車場にはこんなものが。
愛媛県と高知県の県境です!県境の無い北海道民にとっては何とも新鮮な光景ですね~!(*^_^*)
あまり気付きにくい場所にあるので隠れ記念撮影スポットといったところでしょうか。
…にしても、いつの間にか高知県に入っちゃったんですね私。四国上陸2日目にして、既に4県ぜんぶに足を踏み入れた事になります(笑)。


次回!2日目ラストです。
山を下りて辿り着いたのは…。南国の小さな城下町でした。

続く。
コメント (2)
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レンタカーで四国一周7日間 その5

2018-05-28 23:55:34 | 旅行(道外)2018~2019
5月10日(木) 午前7時 (2日目!)


おはようございます。2日目の朝を迎えました。
いきなりの車中泊でしたが、非常に快適に眠れました(寝汗をかくほど)。
そして変な夢を見ました。
風力発電の風車が見える広大な丘に、なぜかペンギンのつがいが沢山いてコロニーを作っています。
家族と一緒にそこを散策するのですが、今度は丘のてっぺんにハゲワシの巣を見つけ…といった感じです。

うぅむ。昨日見たニホンヅルが飛ぶ光景が相当印象に残っているのか何なのか。


さぁ、本日はまず、昨日訪問できなかった松山市の道後温泉を目指したいと思います。
四国屈指の観光名所として名高い場所なので、やっぱり訪問しなきゃね。

現在走行しているこの国道11号線、どうやら四国八十八か所の遍路道になっているようで、先ほどからお遍路さんの姿をチラホラ見かけます。
通常、八十八か所は徳島→高知→愛媛→香川と時計回りに巡礼するため、徳島から愛媛に向かっている私は逆打ち(反時計回り)方向となるわけで、歩いて来るお遍路さんの表情がよく見えます。
年配の夫婦や若い女性、外人さんの女性もいました。

カーナビ任せで進んでいたら、松山市内に入った途端に随分と細い道に誘導され、住宅街の中をひたすら進むことに(^_^;)。
これが最短ルートなのかもしれませんが、これまた独特な道を指定してくるんですね…。

午前9時、道後温泉へ到着!

着いた―!
約3000年の歴史を持ち「日本最古の温泉」とも言われている道後温泉。
坂の上の駐車場に停めて温泉街を見下ろすと、ひときわ大きな歴史的建造物が…。

・道後温泉本館(愛媛県松山市道後湯之町5-6)

神の湯本館、又新殿、霊の湯棟など数棟からなる現役の公衆浴場。
明治27年に建築された神の湯本館は公衆浴場としては珍しく、平成6年に重要文化財に指定されています。
あの夏目漱石にゆかりのある場所としても知られています(詳しくは後述)。

増改築が繰り返された複雑な外観だけでも充分に見ごたえはありますが、この見た目で普通に銭湯として利用できるのが嬉しいですよね。しかもリーズナブル!(*^_^*)。
宿泊のサービスは行っておらず、利用する浴場、時間によっていくつか料金プランがあります。
私は最も安い「神の湯階下」410円にしました。
休憩室などの利用はできず、「神の湯」と呼ばれる大浴場の利用のみのベーシックなプランです。
これに休憩サービスを付けると840円。
1250円を払うと、休憩室に加え、別館の「霊の湯(たまのゆ)」も合わせて利用できるシステムになっています。

館内に入った途端に、それはそれは素晴らしい歴史的建造物の趣。玄関のヘリなんか角が取れて丸くなっていますよ。
皆様にもお見せしたいのですが、なんせ公衆浴場のため館内は全面撮影禁止
これはもう実際に行って感動してもらうしかありません(^_^;)。

番台のおばさんに料金を払い、意外と大きめの脱衣所へ。
そして年季の入った木の引き戸をガラガラっと開け、いよいよ大浴場「神の湯」へ…!

(画像:https://dogo.jp/onsen/honkan)

カッコーーーーーン(←風呂桶の音)

…どうですかこれ。扉を開けた途端にこんな見事な光景です。たまりませんね。
ツルンと磨かれた石造りの浴槽、その真ん中には、年季の入っているどころではない重厚な石の湯釜が鎮座し、そこから絶えず湯が流れ出ています。
釜の表面には、道後の湯(伊予の温泉)について詠まれた万葉集の長歌が彫られていて、これまた良い雰囲気。
湯に浸かるのもそこそこに思わず立ちあがり、何やらブラブラさせながら窯を撫でたり叩いたりしながら見惚れる。

雰囲気を重視するためでしょうか、大浴場内にはシャンプーや石鹸などの備え付けが無く少々不便です(笑)。
番台さんから買った小瓶のシャンプーと石鹸で身体を洗いサッパリ。
やけにいい匂いのする石鹸だなと思ったら、どうやら道後温泉名物のみかん石鹸のようです(*^_^*)。

まだ午前中で入浴中の人は少ないかと思いきや、地元の方らしき年配の方がそれなりにいらっしゃいました。
皆さん散歩がてら毎日訪れているのでしょうか。なんとも羨ましい限りです(*^_^*)。


素晴らしい大浴場をゆっくり堪能し大満足。
もう外へ出て散策する気満々だったのですが、脱衣所で涼んでいると、ふと扉がもう一つあるのに気付きました。
あれ?「西浴室」って書いてある。
ここは何だろう?別料金が必要な「霊の湯」でも無さそうだし…。

そっと扉を開けてみると…。

(画像:https://www.city.matsuyama.ehime.jp/smph/kanko/kankoguide/kankomeisho/dogoonsen/honkan/yokushitsu.html)

カッコーーーーーン(←2回目)

なんと!「神の湯」は2つあった!!
どうやら先ほどのが「東浴室」、こちらが「西浴室」のようですね(*^_^*)。
造りは東浴室と瓜二つですが、壁のタイル絵の絵柄や石窯の彫刻がやや異なります。
まさか2つも大浴場があるとは思わなかったので、まるで鏡の世界に入ったような不思議な気持ちになりました(笑)。
あぶないあぶない、スルーしてそのまま出るところだった。

という事で、再び湯に浸かりながらその雰囲気をゆっくり堪能。
なんか得した気分ですね~!410円で2つも大浴場に入れるとは安すぎます。
別館の「霊の湯」に入らなくとも大満足でした(*^_^*)。

湯上がりは3階「坊っちゃんの間」へ。

入浴料410円のみで合わせて見学する事が出来ます。撮影もOK(職員さんに確認済み)
かの夏目漱石が松山中学の教師として在籍していた際(明治28~)、よく通っていたのがこの道後温泉本館。入浴後に3階でくつろいでいた事にちなんで、この一室が「坊っちゃんの間」と名付けられたそうです。

もちろん、漱石に関する展示がいくつか。


そしてあの『坊っちゃん』に関する展示も!

「山嵐」はどれかな~ 「うらなり」はどれかな~

実は私、いまものすごく感動しております。
というのも、大学の文学部に所属していた頃、『坊っちゃん』についての論文を書かされた事があるんです。
あの小説の舞台もここ松山。道後温泉も登場します。
先ほどの大浴場にはストーリーにちなんで「坊っちゃん 泳ぐべからず」の注意書きがありました。
漱石の生涯や『坊っちゃん』を知っているからこそ、ここ道後温泉本館をより楽しめるというものでしょう。
これほど文学部卒で良かったと思えた事はありません。

漱石もちゃんと写っています(*^_^*)

この写真を拡大したものが、3つ前の短髪の写真です↑

漱石が通っていた頃の道後温泉

本館が改築されたのは明治27年、漱石がこの地を訪れたのはその翌年の明治28年。
ちゃんと本館が描かれているのがこれまた感動でした。


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ポカポカの身体で「道後商店街」を散策。



道後温泉本館のガチャポン(右)がありました(^_^;)。
数ピース揃えると全館完全再現で完成…ということらしいです。
左のガチャポンはお土産用に回すとノーマルな「みきゃん」ちゃんが出てきました(*^_^*)
個人的にはダークみきゃんちゃんが欲しかったですが(笑)。

伊予鉄道・道後温泉駅

駅前には「坊っちゃん列車」が。
明治20年の運行開始当初から使用されていた、当時の伊予鉄道の1号機関車(ドイツ製)。
現在でもイベント時などに運行されるようです。
小説『坊っちゃん』にも「マッチ箱のような機関車」と登場していることからこの愛称に。
客車を見てみると、確かに極小でマッチ箱のよう。

タイミングよくレトロな電車が(*^_^*)



…それにしても、何もかもオレンジ色で賑やかですね(^_^;)。
電車もオレンジ、バスもオレンジ、果てには小学生の帽子もオレンジ…。
あれもみかんにちなんだカラーなのかな?
南国の強い日差しの中ではオレンジ色がひときわ映えますね。

次回!四国屈指の大絶景!
めざせカルスト台地!
続く。


コメント (8)
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レンタカーで四国一周7日間 その4

2018-05-25 16:56:39 | 旅行(道外)2018~2019
1日目 午後3時15分。


いきなり1.5車線となった道を恐る恐る進みます。
観光名所の「かずら橋」と反対方向なので車通りは少ないかと思いきや、これから向かっている場所も名所(迷所?)として比較的有名なため、それなりに車の往来があ…
うぉ!いきなり対向車が2台連続!!(急ブレーキ)

幸い、一定の間隔で道路が広くなっている場所があるので、こちらがバックして何とかやり過ごしました(^_^;)。

景勝地「ひの字渓谷」

少し広くなった場所に車を停め谷を覗き込んでみると、ご覧の絶景が。谷底まで100メートルは超えてそうな高さです。
山の狭間を縫う祖谷川の流れがひらがなの「ひ」に似ている事からこのような愛称で呼ばれています。
こちらも祖谷渓の絶景ポイントの一つとなっています。

その後も激狭道路は続く…。

譲って譲られての繰り返しで、急カーブの続く山道をウネウネ進み続けるしかありません。
渓谷ばかりで何もないと思いきや、この先には祖谷温泉があるようで、旅館目当ての利用者たちの車が多く通るようです。
大型車こそ来ませんが、たまに7人乗りのミニバンがヌッと現れた時はやはり緊張しますね(^_^;)

そして山は深くなるばかり……。


午後3時27分、小便小僧に到着!!

狭い道路が申し訳程度に広がっていて、小さな駐車スペースとなっていました。
旅館が近いため、ひっきりなしに観光客が来ている感じです。

皆さんお待たせしました。この場所こそが、私が目指していた最初のスポットでございます(*^_^*)。


渓谷を見下ろすように小便小僧が立っています!


なんと谷底まで200メートルもあるそうで、柵から身を乗り出してみるとその高さに寒気がします…(^_^;)
なんでこんな大秘境に小便小僧が?といいますと、渓谷に飛び出したこの岩では、その昔子供たちによって度胸試しに使われていたという噂があり、そのお話にちなんで設置されたようです。
ちゃんとした由来はあるようですが、ポツンと立つ子供の像が何ともミスマッチでワクワクしませんか?(^O^)


「祖谷渓の小便小僧 1988 河崎良行」とあり、比較的新しく設置された像のようですね。
なぜか祠のようなものがあり、皆さん像に向かってお賽銭を投げ込んでいるようですが、度胸試しの男の子にお賽銭あげてどうしようというのか……。


心なしか、ちょっと足がすくんでいるように見える(笑)。
この場所は小学生ぐらいの時に写真で見て心が打たれ、四国に行ったらぜひ行きたいと思っていた場所だったので大満足です(*^_^*)。


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午後4時。

お目当ての小便小僧を訪問できたので、隣の愛媛県に向かう事にしましょう!
他の観光客が小便小僧の場所で引き返すなか、私一人だけそのまま道なりに進んで行きます。
方向的にはこのまま進むべきなんだけど……、なんかさっきより道が狭くなってね??


相変わらず続く狭い山道、しかし先ほどと違って車通りが全くありません。
完全に1車線なので対向車が無いのは非常に助かるんですが、この辺は地元の人にも殆ど利用されていないのかな?

落石なのか、道路の真ん中に真新しい石が落ちていたり、崖から染み出す水で道路に小さな川が出来ていたりと中々スゴい。
…まぁ、こういった場所は個人的に大好きなので不安とかは殆ど無いのですが(^O^)。




人家は全くありませんが、たまに道端に祠や地蔵堂があったりします。
車を停めてエンジンを切ってみると、祖谷川の清流の音とウグイスの声が風に乗って聞こえてくるだけで、何とも静かな一本道でした。

祖谷川地蔵


午後5時ころ、ようやく1車線道路を脱出!

そのまま徳島自動車道と並走する国道11号線へと合流し、愛媛県へと入ります。
ひとまず松山市へ向けてひたすら走行。この辺はひたすら片側1車線の幹線道路です。

何とな~く松山市の道後温泉まで行ってひとっ風呂浴びたいな~、と思ったのですが予想以上に遠く、なかなか進まない(^_^;)
とりあえず、西条市の定食屋で夕食を食べて外へ出ると、既に真っ暗でした。

道後温泉は明日の楽しみに取っておくことにして、この辺で今日は終わりにしましょうかね。
少し車を走らせると、ちょうどよく「道の駅 左折1キロ」の看板を見つけたので、ここの駐車場で車中泊する事にしました。

午後8時、道の駅「小松オアシス」へ到着!

国道から逸れた途端に道路が真っ暗でしたが、この場所も暗くてほとんど何も見えません(^_^;)。
既に何台か車中泊の車もいるようです。

さっそく車のシートを倒して、持参した寝袋を敷いてみると……、おぉ!なかなか快適に寝られそうじゃないの!
フルフラットにこそなりませんが、身長170に及ばない私にとっては充分なスペースです。
そのまま座席のヘッドレストを外して寝袋の下に置き、枕代わりにして就寝です。

夜中に目が覚めて、暗闇のなか公衆トイレに向かって歩いていると…。
闇にボンヤリ浮かぶ「イノシシ注意」の看板を発見しました。

怖っ。もう車外には出ないようにしよう…。


本日の走行距離:182キロ
1日目、完。


次回!2日目、愛媛編スタート!
あの近代文学の舞台に超感動します。

続く。
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レンタカーで四国一周7日間 その3

2018-05-24 00:40:25 | 旅行(道外)2018~2019
1日目 12時30分。


いよいよ始まった四国一周チャレンジ。現在国道32号線徳島県に向かって走行中です。
四国一周と掲げたからには、海岸線に沿って進み続けて大陸をキレイに縁取るというのも魅力的なのですが…。
ずっと海岸沿いというのもツマラナイし内陸部にも行きたいスポットがあるので、今回の走行ルートは海に行ったり山に行ったりとかなりギザギザになる予定です。
なお、ルートとしてはこの後チョコっと徳島を探検した後、愛媛→高知→再び徳島→香川と反時計回りに進んで行きます。


で、いま現在どこへ向かっているのかといいますと……。
徳島県三好市に位置する、日本三大秘境と言われる祖谷渓(いやけい)です。
深い深い山の中、祖谷川に向かって落ち込む深いV字型の渓谷が続き、斜面に張りつくように小さな集落が点在しています。
谷に架かる「かずら橋」が有名かと思いますが、今回は訪問せず、さらに人里離れた奥深くに存在する●●●●を見に行きたいと思います。


小さな峠を越え、徳島県へと入ります(*^_^*)


そのうち、道路は吉野川へとぶつかり、見事な渓谷に沿って進んで行きます。
走るにつれて緑は深くなるばかりで、既に秘境へ足を踏み入れ始めていることを実感します。

運転しているのでゆっくり景色を眺められないのですが、川面を覗きこむと、思わずハッと息を呑むような美しい風景の連続。
我慢できなくなり、路肩に車を停め、小さな鉄製の吊り橋から川を覗き込んでみました。


川まで数十メートルの高さがあり、なかなかに迫力満点の景色です。
橋の真ん中まで行って覗きこんでみたいのですが、細い橋はなぜか金網でシースルー(^_^;)。
高所が苦手な私にとっては…、ムリですわ、これ(笑)。

ふと見上げてみると、北海道では見た事のないニホンヅル?ナベヅル?のような鳥が一羽、優雅に飛んでいました。
別世界だ……。


上流の方を望むと、川の急流によって作られた渓谷がまだまだ先へと続いているのが分かります。
この辺りは深く落ち込んだ渓谷が8キロに渡って続く大歩危・小歩危(おおぼけ・こぼけ)と呼ばれるエリアです。
何とも独特というか恐ろしさを感じる地名ですが、「山腹等の険しい所」を意味する古語の「ほけ」から由来したと言われています。
なんというか、漢字から急な地形ゆえの危険さが伝わってきますよね。

午後2時20分、「道の駅大歩危妖怪村」に到着!



川を見下ろす絶壁に建物が建てられていて、下を覗き込むと吉野川の急流が真下に……!
ここから観光船に乗ったりラフティング体験が出来るようです。



建物内には「妖怪屋敷」が併設。

何を隠そう、大歩危・小歩危を含むここ山城町は「妖怪伝説の里」。
この地区の先祖たちは、子供たちが危険な場所へ近づかないよう、多くの妖怪話を生み出し日々語り聞かせていたそうです。
それらのお話が世代を超えて語り継がれ、妖怪伝承として現代に残ったと言われています。
そして、「ゲゲゲの鬼太郎」でおなじみの児啼爺も、民俗学者の柳田國男氏の調査により、ココ山城町が発祥の地と言われています。



ちょうど素敵なボンネットバスが。

このバスで定期観光も行っているようです。
そして巨大な妖怪が周辺をウロウロしていて、思わずのけ反る(「山じち」という妖怪らしいです)。
しかし「すみませんがバスの横に…」とリクエストするとご丁寧にポーズまで取ってくださる。
見かけによらず優しい妖怪さんなんですね(*^_^*)笑

険しい地形の中でどのようにして身を守るか…、先祖たちは妖怪話をもって子供たちに教え続けた。
村の歴史は妖怪伝説とともに守られた……ともいえますね(^_^)。


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午後2時45分。

更に奥の祖谷渓を目指して、再び車を走らせます。
吉野川から行ったん外れ、細く急な山道へと入って行きます。


山々を縫うように急な道は続き、ローギアで少しずつ奥へ奥へと進みます。
急なカーブを超え、小さな集落を登りきったところで家々を見下ろしてみると、既にスゴい景色が広がっていました。


こんなに山奥まで来てたんだ…。

しばらく進むと道は二股に。
右へ行けば有名な「かずら橋」がありますが、観光地化されていて渡るのにも料金がかかるこの橋にはあまり興味が無い…(高所恐怖症なので素直に楽しめないというのもある)
ここは迷わず左方向、渓谷のさらに奥の方へと向かう事にします。
しかし…。


…こんな道ずっと続くの!?
「四国は道が狭い」というのは聞いていましたが、まさかこんな初日にイキナリ遭遇するとは思わなかった……(^_^;)。
まだ心の準備が出来てないよ!!

次回!!

徳島県最深部に分け入ります。
離合困難!いきなり四国が牙をむく!


続く。
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レンタカーで四国一周7日間 その2

2018-05-21 23:42:19 | 旅行(道外)2018~2019
1日目 早朝5時15分。


軽い眠りから目覚めると、電車は早朝のターミナル駅を発車したところでした。
さて、現在地はどこだろう…と起き上がって窓の外を見ると、結構な大都会。
そしてビル群の中に、見覚えのあるひたすら目立つ超高層ビルが!!

何年か前に登った梅田スカイビルや~!!
という事は、現在地は大阪か!

サンライズ号、一晩かけて関東→関西へと移動してくれたわけですね。
飛行機や新幹線と違って、やはり結構な時間がかかるものですね。
本日は昨晩の雨のせいで更に40分ほど遅れが出てしまっているようですが…。

岡山県内を走行中

大阪→兵庫→岡山と移動するうちに、だんだんと晴れてきました(^_^)。
それにしても、昔ながらの重厚な日本家屋が目立ち、北海道の郊外では見られないような風景が続いて新鮮です。

午前7時12分、岡山駅に停車。

前回も述べたとおり、この駅で「サンライズ瀬戸」号と「サンライズ出雲」号の切り離し作業が行われ、それぞれ別の電車となって目的地へ向かうことになります。
作業に伴い、停車時間は他の駅より長め。乗客もいったんホームに降りてOKとなっています。
例に漏れず、乗客にとっては一大イベントとなるため、多くの乗客がホームに降りてきて興味深そうに作業を見ていたり写真を撮ったりしていました。

切り離しが終わると、我々の乗るサンライズ瀬戸の方がひと足先に発車。
駅を出ると、すぐさま大きくカーブして「瀬戸大橋へと入ります」のアナウンス。
車掌さんもJR四国の社員に変わります。
…岡山駅と瀬戸大橋ってこんなに近かったんですね。

そして…ついに瀬戸大橋へ!

ゴーゴーというものすごい音を立てながら、晴天の穏やかな瀬戸内海を渡ります!
鉄骨越しに眺める瀬戸の海は、北海道や沖縄の海とも異なる優しい青色(のような気がする)。
少しカーブした橋の向こうを望んでみると、橋のケーブルを支える巨大な主塔がいくつも連なり、その向こうの大陸に続いています。
これからあそこに向かって行くんだ……!
すげぇぇぇぇぇ!!いよいよ四国上陸だ!!

午前8時30分、終点・高松駅に到着!

定刻より1時間ほど遅れての到着でした。ありがとうサンライズさん(^_^)。
10時間以上にわたり私をここまで連れて来てくれたサンライズ瀬戸号に別れを告げ、さっそく駅前へ。

JR高松駅



いぃ~天気!!
しかもかなり暖かいです!北海道でいうと6月下旬くらいの感じでしょうか?
駅を出て早々「南国や…」と実感しました。


さて、今回の旅は車が無きゃ始まらないので、すぐレンタカー屋さんへ向かいましょう。
実は今回予約したお店、ココ高松駅前ではなく高松空港の近くなんですよね。
調べたところ、ここから空港連絡バスで1時間ほど。
お店の人には電車の遅れで少し到着が遅くなる旨伝えてはいるのですが、ちょっと急ぎめで行きましょうかね。
ちなみにレンタカー屋さんとは空港で待ち合わせの約束です。

空港連絡バスに乗り、高松空港へ。

空港に到着し、レンタカー会社のカウンターを探し建物内へ。
高松空港、こう言っては失礼なのですが予想以上に小さい。ちょっと大きめの市の施設といった趣です。
他県にも空港はあるし、香川県はあまり四国の空の玄関口としては発展していないのかな。

無人のカウンターを見つけ、少し待つとレンタカー屋さんの小柄な女性が現れました。
外の駐車場に停めてあったワゴン車へ案内してくれ、そのまま10分ほど離れたレンタカー屋さんへ向かいます。

四国に来たんだな~」とボンヤリ考えながら外の景色を見ていると、気になる光景が。
なんと茶色く汚れた犬が道路の真ん中でウロウロしている!!
そういえば、さっきサンライズで四国に上陸した直後にも、あぜ道にゴロンと寝転がるワンちゃんがいました。
…この辺ってノラ犬がいるの??

運転している女性に尋ねてみると
「首輪をつけた犬が結構ウロウロしている事はありますよ~。みんな大人しいですよ(ニッコリ)」との事(^_^;)。
…なんか着いて早々「全く違う世界に来てしまった」と実感した事は言うまでもありません(笑)。


お店に到着し、レンタカーとご対面(*^_^*)

そこにいたのはシルバーのホンダN-BOXでした。
免責込みで1週間レンタル2万4千円と格安ですが、車はまだ走行距離3万キロ台と新しめで清潔です♪

・長大な距離を走るので低燃費車で!
・四国はとにかく道が狭い(「水曜どうでしょう」のおかげでよく知っている)ので軽自動車で!
・車中泊するので箱型で!


上記のとおり考えていたので、ほぼ理想通りのパートナーといえるでしょう。
…実は、事情により当初予約していた車種とはちょっと異なってしまったのですが「箱型の軽自動車」という点では同じなので問題はないでしょう!!


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近くのコンビニに車を停め、プッシュスタートの車や慣れないカーナビ操作に四苦八苦していると、時間は午前11時を回っていました。
昼にはまだ早いですが……。実はこの辺の高松空港近くに、一度行ってみたいと思っていたラーメン屋さんがあるのです。
カーナビに店名を打ち込み検索してみると……、おー!4分で行けるじゃん!!
最初の訪問地はそこにしましょうかね(^_^)


・みつやの里(香川県高松市香南町由佐1358-14)
入る道が細すぎて分かりづらく、2回ほど前を通り過ぎてしまいました(^_^;)
11時オープンなのですが、既に駐車場は満車。ひっきりなしに車が出入りしています。
人気店のようですね。


…で、皆さん既に気になっていると思うのですが、なぜか建物から
軽トラがひょっこり顔を出しています


2代目のスバルサンバーですね~。
ただでさえ狭い道に飛び出した形になっているためでしょう、何回か車がぶつかった形跡があり恐ろしい形相になっています(笑)。
タイヤに踏みつぶされたと思しきバンパーはヘビの抜け殻のように…。

さっそく店内へ。

年季の入った店内は地元の方やドライバーさん達で繁盛していました(※許可を得て撮影)
そして。店の外に軽トラが飛び出していた理由もすぐさま分かりますよ。


…荷台部分がカウンターになっておる!!!


タイヤ部分はセメントで完全に塗り固められている。
これは…もともと移動販売車だったものを、そのまま店の調理台に転用してるという事なのか!?
異様な光景にワクワクが止まりませんが、ひとまずカウンターに腰掛け注文します。


荷台に立つ店主は予想と違ってかなり若い方でした。
次々舞い込む注文もなんのその、手際よく次々とラーメンが出来あがって行きます。

醤油ラーメン(中)600円

う~ん、さすが西日本。脂っこくなく、あっさりとした薄味のスープで美味しく頂けます(^O^)

カウンターや料理を何枚も撮影する私に興味を持ったらしく、隣で談笑されていた年配の男女ペアに話しかけられました。
それをきっかけに、店主や他の店員さんも交えて話が弾みました。

この「みつやの里」は既に50年の歴史があるらしく、老舗である事に加え、その個性的な店構えのおかげで香川ローカルの番組によく取り上げられるようで、県内では有名なお店のようです。
うどんの香川県で50年も続くってスゴい事でしょ!?」と常連っぽいおじさん。
かつては高松駅の方でも営業していたらしいですが、別で支店を建てて店を営んでいたとの事で、このトラックは過去に1~2年使用していただけとの事です。


ラーメン店にしては珍しく、合わせておでんも有名。定番は豆腐のようです。

私が北海道から来ていると話すと非常に驚かれ、地平線まで見渡せる道内の風景をとても羨ましがっていました(山ばかりの四国ではあんな風景は見られない、との事)。
最終的には店員さんの計らいもあって、なんと常連のおじさんに奢ってもらえる事に…(T_T)。
非常に温かい雰囲気のお店でした。ありがとうございます。

あぁ、いきなり四国の人の優しさに触れてしまった。
これは幸先の良いスタートですね♪

次回!妖怪伝説の里、大歩危・小歩危地区!
続く。
コメント (6)
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