JR北海道の電化区間にて、1968年より活躍してきた711系車両。利用者からは「赤電車」と呼ばれて長らく親しまれてきた存在です。
北海道初の「電車」として製造され、厳しい冬季の気象条件に耐えられるその構造は、後の通勤用電車の設計にも大きく活かされました。以前は札幌とその近郊の電化区間で相当数が走っており、僕も幼少の頃『マリンライナー』時代に親に乗せてもらった記憶があります。高校時代に鉄道日帰り旅行を決行した際にも何度かお世話になりました。
そんな「赤電車」こと711系、車両の更新により数が激減しており、ここ数年で絶滅かも…という噂が流れていましたが、ついに今年3月14日のダイヤ改正(もうすぐですね)により引退するという情報が発表されました。
数年前から「無くなる前に写真撮影しておかなければ…」とは思っていたものの、ダラダラしているうちにここまで来てしまいました。
よし!ちょっとギリギリになっちゃったけど、後悔しないように乗り納めでもしてくるか!と思い立ち、ちょっとした日帰り旅をしてきました。
1か月前に青い列車の乗り収めをしたばかりですが、今回は赤い電車だ!!
3月9日(月)。
早朝6時30分に家を出る。札幌駅午前7:00発の普通列車に乗り、岩見沢までやってきました。
札幌近郊の赤電車はほとんど置き換えが完了しているので、乗車するのにも一苦労なんですね。
情報によると、このあと7:49発の札幌行きが赤電車で運行されているという事なんですが…。
お~!いるじゃん♪
しかも「さよなら711系」のヘッドマークが付いています♪
(引退まで現存する全車両に付けられているそうです。)
数年前は見飽きた感すら漂っていた赤電車ですが、思えばずいぶんと久々に見ました。
眠気もブッ飛ぶような真っ赤っ赤のボディに、お世辞にも格好良いとは言えないクリーム色のライン。
味わい深いですね。
さっそく車内へ。
…国鉄感がタマラン!!(´Д`;;)ハアハア
ガッシリした巨大な持ち手、年季の入った渋い色のシート。味わい深いフォントのアクリル製プレート…。
以前に乗車した時は何とも思わなかったのに、こうして観察してみると新鮮です~(*^_^*)
この車両は昭和55年製造。…ってことは1980年製か。調べたところ、末期に製造された車体のようですね。
…ちなみに、車体番号が書かれたプレートは1車両にひとつ付いているはずなのですが、剥がされたのか存在しない車両が多かったです。非常識なマニアの仕業でしょうか??
車内の扇風機には、なんと「JNR(Japanese National Railways)」の国鉄マークがそのまま残っているんです!!座席横の入/切スイッチも独特。
さて、いよいよ札幌に向けて動き出します。
…やはり発車時の振動がスゴイです(^_^;)。ドカン!と衝撃が来て、次第にグングングン…と加速する感じで、加速性能は遅いと感じました。
モーターの音は静かなんですが、発車時はいかにも鉄の塊が動いているようなゴロゴロ音が線路から聞こえてきます。
あとはドアが開く時のガラガラという振動がモロに伝わってきて…でも何だかこれも味わい深し。
例によって走行中の車内でも写真を撮りまくる。化粧室や洗面台も装備されていて、「水」と「湯」のスイッチがレトロです♪
確かめませんでしたが、いまも水は出るのでしょうか??
3両×3両の連結部分。列車のこの部分ってワクワクしますよね!(←は?)
相変わらずレトロな運転台もじっくり観察。
車内には乗り納め組と思われるお客さんも数人。
停車する各駅のホームや沿線にもカメラで撮影する人が結構いました。
当初は空いていましたが、札幌に近づくにつれて一般のお客さんが増えてきました…。
ほとんど満員のお客さんを乗せて…。
午前8:40 札幌駅に到着!
定刻2分遅れでした。
いまや札幌駅に入線する赤電車も貴重です。みんなステンレス製の平凡な通勤電車になっちゃったからなぁ…。
そのためか、ホームは鉄道ファンの方々でかなり賑わっておりましたよ♪
しばらくホームに停車した後、手稲の運転所に向けて回送していきました。
なんとか最後の乗り納めが出来て良かったです(^-^)さようなら赤電車。
…まだ終わりではありませんよ!
もう少し続きます。
次回、ダイヤ改正の乱!
あの緑の寝台特急も乱入します。
続く。