新古今和歌集の部屋

雑歌上 雑歌抄10 筆者不明巻子本コレクション


       さくらばな
      すぎゆくはるの
        ともとてや

     かぜのおとせぬ
       よにもちるら
            む

をしめどもつねならぬよの
  はなゝれば
    いまは
   このみを
  にしに
   もとめむ


新古今和歌集巻第十六 雑歌上
 無風散花といふ事をよめる
               大納言忠清
櫻ばな過ぎゆく春の友とてや風のおとせぬよにも散るらむ

 鳥羽殿にて花の散りがたなるを御覽じて後三条の内
 大臣にたまはせける
               鳥羽院御歌
惜しめども常ならぬ世の花なれば今はこのみを西に求めむ


読み:
さくらばなすぎゆくはるのともとてや
かぜのおとせぬよにもちるらむ 隠

おしめどもつねならぬよのはななれば
いまはこのみをにしにもとめむ

備考:
風の音せぬ世:静謐の世

後三条内大臣:藤原公教



平成28年9月17日 點伍
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