一、ますほの薄、まそをのすゝきの分別、よくしりたる人の、津の國渡邊にありときゝて、登蓮法師、雨の夜行きてたづねし事あり。一、新古今撰ぜられし時、公卿諸大夫以下家集を五百千首づつ出されしに、鴨長明はたゞ十二首出したりに、其のまゝ十二首ながら入りしとなり