新古今和歌集の部屋

春歌上 巻向の泡雪

新古今和歌集 巻第一春歌上

  題しらず         中納言家持

まきもくの

 檜原のいま

     だくもらねば

小松が原にあわ

      雪ぞ降る

 

読み:まきもくのひはらのいまだくもらねばこまつがはらにあわゆきぞふる 隠

意味:巻向の檜原はまだ雲っていないのに、小松の原に淡雪が降っている。

作者;大伴家持おおとものやかもち718?~785旅人の子越中守、万葉集の編者の一人とみなされている。

備考:巻向山 奈良県桜井市の北部の山々。万葉集巻十 2314。なお、万葉集によると柿本人麿歌集に有る歌。古今六帖

時代不同歌合、歌枕名寄、俊成三十六歌合、新古今注、新古今和歌集抄出聞書(陽明文庫)、新古今集聞書(牧野文庫本)

万葉集巻第十2314

巻向之 桧原毛未 雲居者 子松之末由 沫雪流

右柿本朝臣人麻呂之歌集出也

読み:まきむくのひはらもいまだくもゐねばこまつがうれゆあわゆきながる

歌碑 山本健吉筆

纒向之桧原もいまだ雲ゐねば小松が梢沫雪流る

相撲神社

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