「遠近」と書いて、「えんきん」と読むと思った、最近、遠近両用メガネに買い換えた貴方?
最近、本の文字が読みにくくなり、「年齢の衰えによって、目の調整力も衰えてきているかも?」とアスタキサンチン、ルテイン系のサプリメントを飲んでらっしゃる貴方。
違います。
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「をちこち(おちこち)」です。
両口屋是清の茶菓子を買って来ました。
さて、をちこちと言えば、
新古今和歌集巻第十 羇旅歌
東の方に罷りけるに淺間の嶽に立つ
煙の立つを見てよめる
在原業平朝臣
信濃なる淺間の嶽に立つけぶりをちこち人の見やはとがめぬ
読み:しなのなるあさまのたけにたつけむりおちこちひとのみやはとがめぬ 隠
意味:信濃の浅間山の噴煙を近隣の人はなぜ咎めないのだろうか。恋の想いは静かにしているのに、あんなに自分の意思を表に出しているのは浅ましいと。
備考:伊勢物語 八段
源氏物語 明石
思ふこと、かつ/"\叶ひぬる心地して、涼しう思ひゐたるに、 またの日の昼つ方、岡辺に御文つかはす。 心恥づかしき樣なめるも、なか/\、かゝるものゝ隈にぞ、思ひの外なることも籠もるべかめると、心づかひしたまひて、 高麗の胡桃色の紙に、えならずひきつくろひて、
源氏
をちこちも知らぬ雲居に眺め侘び霞めし宿の梢をぞ問ふ
古今集 春歌上 題知らず よみ人知らず
をちこちのたづきもしらぬ山中におぼつかなくも呼子鳥かな
後撰集 雑歌二
むかしおなじ所に宮つかへし侍りける女
の、をとこにつきて人の国におちゐたり
けるを聞きつけて、心ありける人なれば、
いひつかはしける
よみ人知らず
をちこちの人めまれなる山里に家ゐせんとは思ひきや君
と言う事で、茶席でこの菓子が出た時は、掛軸や茶碗に、「山」関連があったら伊勢物語、「秋虫」、「恋文(懸想文)」などあれば源氏物語、「鳥」があったら古今集、「餞別」などで開催されたら後撰集を、茶席の亭主の趣を感じることも必要かも。(素人考え)