新古今和歌集の部屋

和漢朗詠集12 十五夜 筆者不明巻子本コレクション


三 五 夜 中 新

月 色 二 千里外

故 人 心

水の      こよひ
 面に       ぞ
   てる      秋
            の
月なみ
   を     もなか
数ふ         なり
 れば         けり


  十五夜付月
八月十五日夜禁中猶直対月憶元九
 白居易
銀台金闕夕沈沈 銀台金闕夕に沈沈
独宿相思在翰林 独宿相思ひて翰林に在り
三五夜中新月色 三五夜中新月の色
二千里外故人心 二千里外故人の心
渚宮東面煙波冷 渚宮の東面煙波冷ややかに
浴殿西頭鐘漏深 浴殿の西頭鐘漏深し
猶恐清光不同見 猶ほ恐る清光同じくは見ざらんを
江陵卑湿足秋陰 江陵は卑湿にして秋陰足る

源氏物語 須磨帖
月のいとはなやかにさし出でたるに、今宵は十五夜なりけりと思し出でて、殿上の御遊び恋しく、所々眺め給ふらむかしと思ひやり給ふにつけても、月の顔のみまもられ給ふ。
二千里外故人心
と誦じ給へる、例の涙もとどめられず。

拾遺       源順
水の面にてる月なみを数ふれば
 今宵ぞ秋のもなかなりける


約640×31cm

平成30年12月25日 參點壱
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