新古今和歌集の部屋

和漢朗詠集7 蘭 筆者不明巻子本コレクション


曲 驚 楚 客 秋

絃 馥 夢 断 燕

姫 暁 枕 薫


ぬし
 しらぬ   たが
   香     ぬぎ
        かけし
 こそ
  にほへ
    れ  ふぢ
 秋の     ばかま
   野に     ぞも


  蘭
 蘭気入軽風 橘直幹
香蘭と衆草は種相分れ、
況んや軽風入りて気は群ず。
臨水に魚底より浪は襲来し、
満皐は吹き鶴間雲を染む。
曲驚いて楚客の秋の絃馥し、
夢断えて燕姫が暁に枕に薫ず。
移植若くは新雨露に逢へば
毎秋猶清芬の播くを欲す。

古今集       素性法師
ぬし知らぬ香こそにほへれ秋のゝに
 誰がぬぎかけしふぢばかまぞも

約640×31cm

平成30年12月25日 參點壱
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