新古今和歌集 巻第十一
女の杉の實を包みておこせて侍りければ
藤原實方朝臣
たれぞこの
三輪の桧原も知らなくに
心の
杉の
われを
尋ねる
読み:たれぞこのみわのひばらもしらなくにこころのすぎのわれをたずねぬ 隠
作者:ふじわらのさねかた?~998中古三十六歌仙の一人。叔父の済時の養子。正四位下左中将。殿上で藤原行成を笏で叩いた為に一条天皇より陸奥守へ左遷。福島で没。風流な貴公子として有名。
備考:本歌:我が庵は三輪の山もと戀しくはとぶらひきませ杉たてる門(古今集巻第18 雑歌下 982 読み人知らず)。この三輪と木の実の掛詞。桧と杉は縁語。
新古今注、定家十体、宗長秘歌抄、新古今和歌集抄出聞書(陽明文庫)
写真:檜原神社(奈良県桜井市三輪)