新古今和歌集の部屋

新古今増抄 巻第一 俊成 若菜 蔵書

一 述懐百首哥よみ侍けるにわかな

皇太后宮太夫俊成        俊成卿老後に

堀河院の百首の題にて、百首ながらに

述懐の心をよめる哥のうちなり。俊成卿

は、先祖のやうにもなく、下位にてありしことを

うらみて、こゝろをのべ給へるとみえたり。

一 沢に生ふるわかなならねど徒に年をつむにも袖はぬれ
                                 けり
増抄云。これはさわに生ふるとあれば、せりなど成べし。

沢に生ふるわかなつむには、袖がぬるゝやうに、年を

いたづらにつむにも袖がなみだにてぬるゝと也。

年をつむにもぬれぬ人もある故に、われは

年をつむかひもなく、いたづらにある故に、

袖がぬるゝとことわりたり。いたづらと云詞眼字也。

いたづらとは徒字也。徒ハ空也と字注にありて、むな

しき義なり。ねがひむなしくてと云心欤。

 

 

頭注

述懐はおもひを

のぶるこゝろなれば

俊頼はよろこび

をもよめるとなり。

何にてもわが思ふ

ことをのぶる義也。

 

眼字がん‐じ】
〘名〙 漢詩で、句中の眼目となる大切な字。五言の第三、七言の第五の文字。詩眼。字眼。〔和漢三才図会(1712)〕

 

 

コメント一覧

jikan314
@kunorikunori 今執筆中ですのが、kunorikunori様のご関心とあれば、早急にアップします😃
長いので、ちんたら書いていました。😓
jikan314
@warin2020 行きて見ぬ人もしのべとさえさんの片身に集う我が思いなり(紀イケ面之)
kunorikunori
Jikan様

この本の中に気になる記述が…
「此社者松尾と同躰也…比叡明神也…日吉の神躰」
この意味は如何に、と昨日から気になっております!
warin2020
フフフ😏😏😏

そうそうよ袖も衣服もすぶぬれよ

はーい(^O^)/再度のあっかんべー😛ですよ~🤣🤣🤣✌✌
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