第十七 雜歌中
題しらず 柿本人麿
もののふの八十うぢ川の
網代木に
いさよふ波の
行方知らずも
読み:もののふのやそうじがわのあじろぎにいさよふなみのゆくえしらずも 隠
意訳:(もののふのやそ)宇治川の沢山打ち込まれている網代木に遮られた波は、やがてどこへいったのだろうか。
作者:かきのもとのひとまろ。ひとまるとも。天武、持統、文武の万葉集の代表歌人。日並皇子、高市皇子の大舎人の説が有力。長歌挽歌に優れ後に歌聖と称えられた。
備考:万葉集 第三巻 264、古今六帖。公任三十六人歌合、八代集抄、新古今聞書、新古今抄、新古今集注、九代抄、九代集抄