三躰哥 春夏はふとく大に秋冬からび(ほそく)
恋旅えんにやさしく
後鳥羽院御製
鴈かへる常世の花のいかなれや
つきはいづくもおなじ春の夜
夏のよの夢路すゞしき秋の風
さむる枕にかをるたちばな
しほれこし袂ほすまも長月の
有明の月に秋かぜぞふく
三体和歌
建仁二年(1202)三月二十日に後鳥羽院より給題され二十二日に和歌所で詠進。日付は、二十一日。題は六題で、春夏を「ふとくおほきに」、秋冬を「からびほそく」、恋旅を「ことに艶に」と上皇の歌の三体に合わせて慈圓、良経、定家、家隆、寂蓮、長明の合計7人が題に合わせて六首提出。
令和5年9月24日 壱