貫之集第一 延喜十七年の冬なかつかさの宮の御屏風の歌 たき有る所 紀貫之 松の音琴に調ぶる山風は 滝の糸をやすげて弾くらむ 読み:まつのおとことにしらぶるやまかぜはたきのいとをやすけてひくらむ 意味:松風の音を琴の調べにしている山風は、滝の糸を結び付けて弾くのだろう 備考:古今和歌六帖、風雅集、夫木和歌集は、「松の音を」。挿ぐ用例:都まで響き通へる唐琴は浪の絃挿げて風ぞ引きける(古今集雑歌上真静法師)