たると○え侍り○もはあるべし○の露侍も
人と年を送り○てきて雪の比までも
○つれなしとよみ○ふや
少将高光横川にのぼりてかしらおろし侍に
けるを○○てつかはしける
天暦御歌
都より雲の八重たつおく山の横川の水はすみよかるらん
第一の句より第五の句ヘうつりたる哥也。都よりも
よ川はすみよかるらんとやおぼし又○侍哥や
誰も都より住よく○と申べきを九重のちを
新古今和歌集註(高松宮本)
新古今和哥集巻第十八
雑哥下
天暦御歌
都より雲の八重立つおく山の横川の水はすみよかるらむ
第一の句より第五の句へうつりたる哥也。都よりも横川は住よかる覧とおぼしめしやりたるさま成べし。
如覺
百敷のうちのみ常にこひしくて雲の八重たつ山は住みうし
捨身の人の哥に常にこひしく思とは本意にあらざる哥なれども勅答なればかくよめる也。誰も都よりも住よきなど申べきを九重をはなれて常にこひしく横川は住うしと侍る。誠に哀ふかくきみに対し奉りては礼儀をたゞしき心也。
増補本新古今和歌集聞書(内閣文庫本)
巻第十八
雑歌下
天暦御歌
都より雲の八重立つおく山の横川の水はすみよかるらむ
少将高光横川にのぼりてかしらおろし侍けるをきかせ給ひてつかはしける詞書也。
第一の句より第四の句へうつりたる哥なり。都よりも横川は住よかる覧とおぼしめしやりたる樣なるべし。
返し 如覺
ももしきの内のみつねに戀しくて雲の八重立つ山は住み憂し
捨身の人の哥に常に戀しく思とは本意にあらざるやうなる哥なれども勅答なればかくよめるなり。だれも都よりも住よきなどゝ申べきを九重をはなれて常に戀しく横川はすみうしとはべり。まことにあはれふかく君に對し奉りては禮儀たゞしき心也。かくのごとくの事能ゝ見侍べき事肝要也。
新古今集聞書後抄(内閣文庫本)
十八雑下
都より雲のやへたつ奥山のよ川の水はすみよかるらむ
少将高光横川にのぼりてかしらおろし侍けるをきかせ給ひてつかはしける詞書也。
第一の句より第四の句へうつりたる哥也。都よりも横川は住よかるらんとおぼしめしやりたるさまなるべし。
百敷のうちのみつねに戀しくて雲のやへたつ山は住よし
捨身の人の哥に都を常に戀しく思とは本意にあらざるやうなる哥なれども勅答なればかくよめる也。誰も都よりも住よきなどゝ申べきを九重をはなれて常に戀しく横川はすみうしと侍る。誠にあはれふかく君に對し奉りては禮儀正しき心也。かくのごとくの事能ゝ見侍べき事肝要也。
新古今和歌集巻第十八
雑歌下
少将高光横川にのぼりてかしらおろし侍にけるを聞かせ給ひてつかはしける
天暦御歌
都より雲の八重立つおく山の横川の水はすみよかるらむ
御返し
如覺
ももしきの内のみつねに恋しくて雲の八重立つ山は住み憂し
参考
新古今和歌集註 高松宮本
編者:片山享
発行:古典文庫
新古今集古注集成 近世旧注編
増補本新古今集聞書 青木賢豪
新古今集聞書後抄 近藤美奈子
平成29年7月6日 弐
人と年を送り○てきて雪の比までも
○つれなしとよみ○ふや
少将高光横川にのぼりてかしらおろし侍に
けるを○○てつかはしける
天暦御歌
都より雲の八重たつおく山の横川の水はすみよかるらん
第一の句より第五の句ヘうつりたる哥也。都よりも
よ川はすみよかるらんとやおぼし又○侍哥や
誰も都より住よく○と申べきを九重のちを
新古今和歌集註(高松宮本)
新古今和哥集巻第十八
雑哥下
天暦御歌
都より雲の八重立つおく山の横川の水はすみよかるらむ
第一の句より第五の句へうつりたる哥也。都よりも横川は住よかる覧とおぼしめしやりたるさま成べし。
如覺
百敷のうちのみ常にこひしくて雲の八重たつ山は住みうし
捨身の人の哥に常にこひしく思とは本意にあらざる哥なれども勅答なればかくよめる也。誰も都よりも住よきなど申べきを九重をはなれて常にこひしく横川は住うしと侍る。誠に哀ふかくきみに対し奉りては礼儀をたゞしき心也。
増補本新古今和歌集聞書(内閣文庫本)
巻第十八
雑歌下
天暦御歌
都より雲の八重立つおく山の横川の水はすみよかるらむ
少将高光横川にのぼりてかしらおろし侍けるをきかせ給ひてつかはしける詞書也。
第一の句より第四の句へうつりたる哥なり。都よりも横川は住よかる覧とおぼしめしやりたる樣なるべし。
返し 如覺
ももしきの内のみつねに戀しくて雲の八重立つ山は住み憂し
捨身の人の哥に常に戀しく思とは本意にあらざるやうなる哥なれども勅答なればかくよめるなり。だれも都よりも住よきなどゝ申べきを九重をはなれて常に戀しく横川はすみうしとはべり。まことにあはれふかく君に對し奉りては禮儀たゞしき心也。かくのごとくの事能ゝ見侍べき事肝要也。
新古今集聞書後抄(内閣文庫本)
十八雑下
都より雲のやへたつ奥山のよ川の水はすみよかるらむ
少将高光横川にのぼりてかしらおろし侍けるをきかせ給ひてつかはしける詞書也。
第一の句より第四の句へうつりたる哥也。都よりも横川は住よかるらんとおぼしめしやりたるさまなるべし。
百敷のうちのみつねに戀しくて雲のやへたつ山は住よし
捨身の人の哥に都を常に戀しく思とは本意にあらざるやうなる哥なれども勅答なればかくよめる也。誰も都よりも住よきなどゝ申べきを九重をはなれて常に戀しく横川はすみうしと侍る。誠にあはれふかく君に對し奉りては禮儀正しき心也。かくのごとくの事能ゝ見侍べき事肝要也。
新古今和歌集巻第十八
雑歌下
少将高光横川にのぼりてかしらおろし侍にけるを聞かせ給ひてつかはしける
天暦御歌
都より雲の八重立つおく山の横川の水はすみよかるらむ
御返し
如覺
ももしきの内のみつねに恋しくて雲の八重立つ山は住み憂し
参考
新古今和歌集註 高松宮本
編者:片山享
発行:古典文庫
新古今集古注集成 近世旧注編
増補本新古今集聞書 青木賢豪
新古今集聞書後抄 近藤美奈子
平成29年7月6日 弐